
光のラグジュアリ
設計者情報
団地の一室の改修である。 元々この部屋で暮らしていたクライアントから、東欧での数年間の生活を経て再び日本に戻ってきたことを機に改修の相談をいただいた。 かねてより南と北の両面に窓をもつ団地の形式には豊かさを感じていた。とくにこの部屋は5階で光と風が気持ちよく通り抜け、まわりには視線を遮るものもなかった。 そこで「光のラグジュアリ」をテーマに異なる反射率の素材を組み合わせることで、豊かな光を受け止めふとしたときに光のうつろいを感じられる空間を構想した。 団地の形式上、玄関を入った正面の軸が南北どちらの窓からも一番遠く、一般的に最も暗い場所になる。そこで玄関の正面に廊下を新しく設け、空間の骨格とした。そこは反射率の高い象徴的なタイル床の、光を反射させる空間である。廊下は滞在する場所ではないがどの部屋からも目に入る空間なので、その床に光を反射させ生活の中に自然な形で揺蕩う光を存在させたいと考えた。 「光を反射させる」廊下に対し、部屋の壁は東欧のアパートを参照しカラフルながらも彩度の低い色の穏やかで落ち着きのある「光を受け止める」面としている。床も部屋ごとに素材を変えているが、廊下とは対照的な「光を吸収する」素材を選定した。 「光」と「色」の掛け合わせで、場所ごと、時間ごと、季節ごとに空間の表情は変わっていく。日常の中に落とし込まれる光の移ろいは新しい発見をもたらし、日々の暮らしを豊かにすると考えている。
基本データ
- 所在地
- 千葉県千葉市
- 延床面積
- 47.27㎡
設計者情報
この建築家が建てた家
この実例を見た人はこちらも読んでいます

G-flux

江戸川区篠崎のリノベーション

三条の家

温故知新の家
この物件は既存の構造体を生かしながら、断熱、気密、耐震性、設備の更新とグレードUPを施したフルリフォーム住宅です。 設計のポイントは以下です。 01 既存住宅の構造と面影を残しながら、無理しないリフォーム計画 02 耐震性の向上と壁量バランスの見直し 03 日射取得と遮熱を考慮した庇の施工 04 根太間パイピングによる床暖房 01 既存住宅の構造と面影を残しながら、無理しないリフォーム計画 当初は建て替えを計画していましたが、予算の関係や建物の大きさ自体に問題はないという事で、フルリフォームの選択をしました。 唯一の変更は、カーポート越しに玄関を設けたいということでしたので、玄関の位置を全く変更しています。 既存の勾配屋根ですが、落雪距離が十分に取れているため、あえて屋根型は変更しないことで積雪荷重の負担を抑えながら既存の面影を残した外観としています。 既存住宅は築35年を経過していますが基礎、土台、柱共に状態が良好だったため問題なく再利用しています。 02 耐震性の向上と壁量バランスの見直し 既存住宅の壁量の検討を行ったところ、壁量自体は基準をクリアしていましたが、余力がないことと、壁量バランスが悪く、2階の耐震性に問題がありそうでしたので、今回の工事で耐震性能を向上させています。また、当時の基準には無かった柱頭柱脚の金物補強をして、現行法規に適応できるようにしています。 03 日射取得と遮熱を考慮した庇の施工 既存住宅はこの地区のモデル住宅だったらしいのですが、それにふさわしく南面に大きな窓がたくさん設けられていました。2階からは遠くの手稲山も一望できる環境です。ただ、当時の窓の性能では、夏暑く、冬寒いというかなり厄介なものでしたが、この窓に大きな変更をしています。 先ず1階のテラス窓をややコンパクトにして開口面積を小さくしているのですが、取付位置を天井いっぱいにすることで、採光と解放感は損なわないようにしました。また、窓は樹脂製トリプルガラスを採用して熱逃げを防いでいます。 2階は1階同様にコンパクト化とトリプルガラス化のほかに、奥行きの深い庇を設けることで夏の直射を遮り、冬の日射は取り込む様にしています。同時にこの庇は単調になりがちな外観にワンポイントデザインとして効果的に用いています。 04 根太間パイピングによる床暖房 今回、リビングとキッチンは全面床暖房としていますが、従来の床暖パネルではなく、フローリング下の根太空間にパイピングを施した方式を初採用しています。 前述の窓のトリプルガラス化により、窓付近のコールドドラフトが軽減されているため、窓下に暖房パネルが無くても冷気が走ることは無いようです。 スクラップ&ビルドではなく、古いものを生かしながら新しい技術を投入した事例として、今後の我社でのお手本になると思います。

弦巻の家
敷地が接道の点で再建築不可物件であったことから、建替えせずに、既存建物をフルリノベーションすることで、再生させた計画です。 敷地が公園に面しており、緑の借景が臨めることから、その景色を空間に活かせるように構造検討と計画を行いましました。 2階においては屋根も一部掛替えを行い、新たに吹抜け+ ロフトを設けて、公園側へ開く窓を最大限に大きくとれるようにしています。 バルコニーも広く造り替えることで、2階リビングから連続する眺めのよい外部空間が、より魅力的なスペースになりました。 借景を最大限に活かしながら 空間的ボリュームや光の取り入れ方を再構築することで、開放的で気持ちのよい空間に生まれ変わりました。

重ね書きの家
団地の1住戸のリノベーション。 新築でもリノベーションでも、設計に先んじて既に何らかの環境がある。新築の場合、例えば地形や敷地の周りの環境がそうであるし、集合住宅のリノベーションの場合では、既存の躯体やサッシ、共用縦配管などの、一般的には変更が制限される部分もそうだといえる。設計に際しては、そういった既にある環境を、そこに装飾的な意味を求めることなく、前提としてただ即物的に受け入れる態度でありたい。 この物件は、壁式プレキャスト鉄筋コンクリート構造による、階段室型の中層公団住宅である。壁式のため、住戸内に柱型・梁型が無い代わりに、2枚のPC版の壁が空間を3つのボリュームに分節している。そして、その壁には開口が開いている。開口の位置も大きさも、元の間取りの都合に沿って決められたものだ。元の間取りが解体され、それらはそういうものとしてただそこにある。それを手がかりとして、この場所での生活が、この2枚の壁をくぐってあちらとこちらを行き来する軌跡であると位置づけた。 2枚の壁に直行するように、家具や水廻りを内包した箱を並べて、3つのボリュームの中にいくつかの場所をつくる。家具は天井まで達しない高さにして、空間がそれらに強く分節されることなく、一つながりの状態であるようにした。ペリメーターとなる南北の壁については、改変した空間のボリュームや質に合わせて、開口部を内側から編集し直すとともに、熱環境に対する備えを附与する。具体的には、木製建具による二重サッシ化や断熱材の付加などである。また、3つのボリュームの壁・天井は、それぞれの空間が影響を受ける、光の性格に基づいて決定した各々の色で塗装する。壁をくぐって空間を行き来する度に、少しだけ増幅された光の差異が、相対的に体験されるよう意図した。 既にある強い形式を拠り所に、棲みつくように描かれる行為の軌跡や知覚される光の差異。既存環境に身体的・現象的な体験を乗算することで、新たな生活の全体像が浮かびあがってくるような、そんな「重ね書き」のような改修のあり方を目指した。

Residence K

本郷の家(改修)
8.5坪の敷地に建つ築20年の鉄骨3階建て住居を、外回りは既存のまま、内部の間仕切り・階段などを全て取り払い全面改修した住宅です。 建ぺい率・斜線制限によって決まった最大ボリュームを使いきった既存の骨格の中で、階段や必要な部屋を配置してゆくと、それらは自ずとほぼ以前の建物と同じポジションに収まってゆきました。しかし、階段の寸法、間仕切りや出入り口の位置、室のプロポーションを最適に整えることで、暮らしの快適さがガラリと変わることを実感した仕事でした。既存の外部サッシ窓は不要なものは壁を作って消したり、大きすぎる窓は内部に枠を新たに作り、開口部の大きさを絞って内部空間の質を高めました。全てのサッシ窓の内側に新たに木製建具を建て込むことで、アルミの無機質感を消して部屋の雰囲気が損なわれないようにしました。 造作家具、造作建具、素材が一体となって、体にフィットする衣服のような心地よさのある家に生まれ変わったと思います。

house O
築30年以上のマンションリノベーション 4LDKで区切られていた間取りを、大きなワンルーム的なつながりのある空間へと再構築した。


