
4年かけて土地探しするほど施主が惚れた
デザイン性と使い勝手と両立させた家
Tさん夫妻の理想の住まいを実現した、牧野嶋さんの手腕に迫る。

牧野嶋 彩子
まきのしま あやこ
ヒトコミデザイン(株式会社 人と古民家)
千葉県 千葉市稲毛区
自分や家族に寄り添ってくれるような家が作れたら。そんな思いで、独立してから18年が経ちました。 100軒を超える家づくりをさせて頂き、その家族全てに違う暮らし方がありました。家を暮らしに合わせて作る。そして快適に過ごしてもらいたい。 今でもお引き渡ししたお客様から快適に暮らしているよとお声を頂くととても嬉しく思います。 私自身、家事をこなし、子育てをしながら仕事をしてきました。その生活の中で、掃除や洗濯、料理などの家事のストレスを少しでも軽減できないか?と考えるようになりました。 また、子育てにおいても、プランの工夫で楽しく楽になる事もわかってきました。そして、男性は家に夢を求める事も。 この夢の部分が家の魅力につながり、女性が求める機能性と男性が求める夢がちょうどよく共存する家を作りたいと思うようになりました。家をプランを提案してもらったけど納得できない方やこれから家を考えていく方、ぜひ一度事務所にいらして下さい。 あなたの望む家は必ず実現します。そのお手伝いをさせて頂けたらと思います。
「この人に頼みたい」
4年をかけた土地探しで実現
「当時は私がまだ東京に事務所を構えていて、女性目線の家を中心に仕事をしていきたいと思っていた頃でした。いろいろお話をさせていただいて、Tさんご夫妻は『これから土地を探します』とのことだったんです」と牧野嶋さん。
そこから約4年の月日が流れたある日、「以前お話させていただいたTです」と、1通のメールが届いた。
「土地を購入したので、設計をお願いしたい」との依頼だった。
住宅建築における土地探しは、理想的なものほど建築条件付の土地ということがあり、建築家に設計依頼が回ってくることは多くないという。また探す期間も、おおむね1年以内、長くても2年といったところがほとんどだ。
そのような中、Tさん夫妻は牧野嶋さんに家を設計してもらうべく、4年間もの間じっくりと土地を探していたのだ。
「久々のご連絡に驚くとともに、ずっと私にと思い続けてくださっていたことが、とても嬉しかったのを覚えています」と牧野嶋さん。
4年もの間、Tさん夫妻はいくつも土地を探していく中で、理想的な土地に出会ったものの、建築条件付きということもあったことだろう。それでも妥協せず「牧野嶋さんに家をつくってもらう」と思い続けてきたのだ。
Tさん夫妻は、牧野嶋さんが作ってきた家や、家づくりへの姿勢、そして牧野嶋さんの人柄にも惚れたといってもいいのかもしれない。
牧野嶋さんは、「この人に作ってもらいたい」を超え「この人じゃなきゃダメなんだ」と思わせる稀有な建築家の一人だといえるだろう。
「中庭」「リビング」「公園」が一体となった
開放的な大空間
Tさん邸は、1階にLDKと水回り、カーポート。2階に主寝室と2つの子供部屋、そしてカーポートの屋根の役割を果たすバルコニーといったつくり。
白を基調とした外壁に、バルコニー部分にアクセントカラーを入れた外観は、特徴的なフォルムやカラーではなく、オーソドックスそのものだ。
しかしこの家の内部には、計算しつくされた「調和した美しさ」や、「暮らしやすさ」を叶えるいくつもの工夫が詰まっている。
まずはじめに驚かされるのが、玄関の手前に設けられた扉だ。ここは1畳ほどの収納スペースとなっている。いわゆる宅配ボックスの役割だ。Tさん夫妻は共働きのため、荷物を受け取ることが難しい時もある、また食材の宅配を利用することも多いという。荷物を玄関前に置いてもらうこともできるのだろうが、盗難リスクもあり、何より炎天下に食材が置かれることの不安もあるだろう。
牧野嶋さんはそんなご夫妻のため、後付の宅配ボックスではなく、家そのものに宅配ボックススペースを設けることを提案したのだ。
玄関には、ウォークインのシューズクローゼット。ここは回遊型になっており、家族はシューズクローゼットに靴や傘、コートなどを納め手洗い場へ。お客様は直接リビングへと向かえるつくりとなっている。
リビングに入ると、明るく陽が差し込み開放的な空間が広がっている。
「南面にはすぐ前に集合住宅があるので、プライバシーの確保を考慮しました。リビングとの距離をとるため、ウッドデッキの中庭を設けたコの字型の形をしています」と牧野嶋さん。
リビングの南面は吹き抜けとし、高い位置にも大きな窓を設けることで開放感を出した。また、北面の公園側にも大きな窓を設け、中庭、リビング、公園が一体となったダイナミックな空間となった。
ナラの無垢材を用いた床、アクセントの石壁がシックで上品な装いをもたらし、日々の生活に落ち着きをもたらすと共に、訪れた人の目も楽しませてくれている。
キッチンは、炊事をしながらも家族の状況がわかり、来客との会話も楽しめるようアイランド型とした。奥には食材を収納できるパントリーも設けた。
「キッチンや家具、建具などを選ぶ際は、できるだけショールームにご一緒するようにしています」と牧野嶋さん。
施主にじっくりと寄り添い共に選ぶことで、使い勝手のアドバイスもできる。また、家全体のイメージとのマッチングも図れる。その手間を惜しまないからこそ、施主の満足度の高い家が出来上がるのだろう。
リアルな体験から生み出される
使い勝手のよい家
「寝室と子供部屋は、コスト面も考慮し割とシンプルな作りとしています」と牧野嶋さん。家族が長い時間を過ごし、お客様も訪れる1階のリビングは、素材やデザインにもこだわり、居心地の良さを追求した。一方、家族のプライベートスペースとして外部に見せることの無い部分に関しては、素材感や作りをシンプルにしてコストを抑えたのだという。
コストを抑えたといっても、ウォークインクローゼットやロフトを設けるなど、収納や使い勝手は抜かり無い。
一般住宅の建築において常につきまとう問題が予算だ。言い換えればコストコントロールは建築家の腕の見せ所の1つだとも言える。牧野嶋さんは、この家においては「見せる部分」「見せない部分」のメリハリをつけることで、コストとデザイン性のバランスを見事にとってみせた。しかも、使い勝手という重要な部分を全く犠牲にせずに。
牧野嶋さんがつくる家には、入居後に「こうしておけばよかった」や「これを足したい」といったものがない。それに気づかないほど使い勝手が良い家なのだ。
そこまで使い勝手が良い家ができるのは、牧野嶋さんが、女性だということも大きいのではないだろうか。仕事をもつ女性として多忙な中、家事や育児をこなしてきた経験の中から、自身が感じた「これは便利だ」「こんなのがあったらいいのに」が、プランに反映されているのだろう。リアルな体験からの提案は、実際に家にいて家事をすることの多い奥様の心を捉え、実際に使ってみて改めてその使い勝手の良さを実感するのだ。
実際、Tさんご夫妻も「快適で使い勝手が良い」「家にいることが楽しい」、そして「女性目線で素敵なアイデアを提案してくれて楽しかった」とコメントしてくれている。
牧野嶋さんは、これからもその卓越した手腕で、「デザイン」「コスト」のバランスをとり、「使い勝手の良い家」を作り続けるに違いない。
間取り図
基本データ
| 作品名 | 中庭のあるいえ |
|---|---|
| 所在地 | 千葉県千葉市 |
| 敷地面積 | 129.73㎡ |
| 延床面積 | 109.73㎡ |
| 間取り | 3LDK |
| 家族構成 | 夫婦+子ども2人 |
| 予算 | 3000万円台 |
| 施主 | T邸 |
施主コメント
人と古民家さんの設計により、リビングの大きな吹き抜けを介して、ダイニングや二階の諸室はもちろん、外部の中庭や隣地の公園が一体に繋がった様なとても解放感のある住宅に仕上げていただきました。
設計打合せの際には、うるさい子供達が同席した中でも、スタッフの方に子供の相手をしていただきながら、夫婦で集中して打合せに参加できたのが本当に助かりました。
プランニングはもちろん、住宅設備、建材やカラーコーディネートなど、様々な面で女性ならでは素敵なアイデアを提案していただいたので、施主側で決定するのはとてもスムーズで楽しい作業でした。
撮影:早崎太郎
設計者情報

牧野嶋 彩子
まきのしま あやこ
ヒトコミデザイン(株式会社 人と古民家)
千葉県 千葉市稲毛区
自分や家族に寄り添ってくれるような家が作れたら。そんな思いで、独立してから18年が経ちました。 100軒を超える家づくりをさせて頂き、その家族全てに違う暮らし方がありました。家を暮らしに合わせて作る。そして快適に過ごしてもらいたい。 今でもお引き渡ししたお客様から快適に暮らしているよとお声を頂くととても嬉しく思います。 私自身、家事をこなし、子育てをしながら仕事をしてきました。その生活の中で、掃除や洗濯、料理などの家事のストレスを少しでも軽減できないか?と考えるようになりました。 また、子育てにおいても、プランの工夫で楽しく楽になる事もわかってきました。そして、男性は家に夢を求める事も。 この夢の部分が家の魅力につながり、女性が求める機能性と男性が求める夢がちょうどよく共存する家を作りたいと思うようになりました。家をプランを提案してもらったけど納得できない方やこれから家を考えていく方、ぜひ一度事務所にいらして下さい。 あなたの望む家は必ず実現します。そのお手伝いをさせて頂けたらと思います。
この建築家が建てた家
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