
外からの視線を遮りつつ
光と風を取り込むデッキテラスのある癒し
心からくつろげる時間と空間を演出するリビングに
新しい住まいに求めたのは、ビジネススペースと居住スペースをより明確に切り分けること。そして、居住スペースのプライバシー確保をより高めることだった。さらにご家族構成がご夫妻、お母様、成人された二人のお子様ということもあり、シックで大人の雰囲気を味わえる空間。またプライバシーに配慮しつつ開放感あふれる空間を実現することも譲れない条件だったという。
思い描いた希望を叶えるべく、Sさんは建築士探しをさっそく開始。実は秋山さんは以前に友人の紹介でSさんのビジネススペースの改修の設計をしていた。その際、Sさんは秋山さんの使勝手の新しい提案や使いやすい間取りデザインを気に入っていた。そこで今回も秋山さんに設計を依頼することに決めた。秋山さんが提案したのは、3階建てのRC造住宅。ビジネススペースを1階と2階に、居住スペースを3階に配するプランだ。設計するうえで最も気を使ったのがプライバシー確保だった。というのも、「職務上、ビジネスパートナーやお客様に『3階が居住スペースになっていること』を伏せたい」というSさんの希望があったから。つまり「住人の気配を感じさせにくい外観」にする必要もあったわけだ。秋山さんは、3階の居住スペースを「コートハウス」にすることで、Sさんのリクエストに応えた。
完成した住まいは、“1階から3階まで商業施設”のような外観。建物の表側にビジネス用の玄関がある一方、裏側に外階段とエレベーターが設けられており、1階と3階を直接つなげている。
居住スペースは、ワンフロアながら117㎡と広々としたサイズ。約25畳のLDKを中心に、南側に16畳ほどの大きなデッキテラス、西側に個室・水周りなどが配された間取りになっている。特に目を引くのが、連続的かつ一体的にデザインされたLDKとデッキテラスだ。横長の大開口サッシでフラットにつながっているため、とても伸びやかな印象だ。デッキテラスは周囲が壁で囲まれており、外からの視線がまったく気にならない。一方、壁の要所に採光・通風用の小窓を設けるなど、室内に爽やかな光と風を取り込む工夫も万全だ。
以前よりオフの時間を自宅でノンビリと過ごすことが多くなったようだ。大好きなスポーツ観戦を大画面のテレビで楽しむのが「至福のひととき」だそう。仕事の合間の休憩時間も気軽に自宅に戻り、LDKやデッキテラスでリラックス。オンとオフの切り替えが容易だから、メリハリのある生活を実現しているご様子だ。
施工後、年1度の定期点検の際もSさんは秋山さんをはじめ設計や施工の関係者をもてなしてくれる。「笑顔で新居の住み心地についてお話しくださるのが、とてもうれしいですね」と秋山さん。Sさんご夫妻が、それだけ新居を気に入っている証だろう。
「主婦目線」で手づくり収納、キッチンを設置
ご夫人が「あこがれていた」という大型のアイランドキッチンは、料理教室を開けそうなほどゆとりのあるサイズ。シックな黒に大理石風の白天板でコーディネイトされ、意匠性も高い。これまで以上に、ご家族で楽しく過ごせる食事スペースになったという。
このように「主婦目線」の提案で好評を得ている事例が多いのも、秋山さんのプランニングの特徴だ。
基本データ
| 所在地 | 東京都 多摩市 |
|---|---|
| 家族構成 | 夫婦+両親 |
| 施主 | S邸 |
この建築家が建てた家
この実例を見た人はこちらも読んでいます

コンクリート・土・木という素材を共存 将来の家族の暮らし方に配慮した家づくり
不変性の高いコンクリートをコアにして、可変性の高い木造、土壁を組み合わせる設計は、今回紹介するT様邸の実例だけではなく、既掲載のK様邸の家づくりにも共通している。そこには、今の暮らしだけでなく何十年も先の暮らし方や、建物の行く末までを見据えた、建築家・浅井さんの建築思想が深く根付いている。

まるで避暑地の別荘のよう! 地域からも愛される、雑木の庭が気持ちいい住まい
平和公園にほど近い、閑静で緑豊かな住宅街に佇むKさん邸。「大きな窓から緑を感じたい」という施主の希望通り、敷地の南側に広がる庭には落葉樹と常緑樹がバランスよく植樹され、周辺の環境とも美しく調和しています。設計を手掛けたのは森建築設計室の森さん。「別荘地のような雑木の庭のある、住まう方からも、周りからも長く愛される家」をテーマに、果たしてどんな家が誕生したのでしょう。

木のぬくもりが感じられる家で、のびのびと暮らす
家族それぞれの考えや生活に合わせて、じっくりとつくった家。その設計に関わった建築家は、我が家を最もよく知る「おうちのお医者さん」でもありました。

眺望を味わい尽くす、没入感ある大開口。 構造体を外へ出したシンプルかつ豊かな家
絶景に魅了され、崖の脇の土地を購入されたお施主さま。建築家の中野さんは安全を確保しながら景色を楽しめる家にしようと考えた。また、家具をたくさんお持ちで、魅力的に見せたいというご要望もあり、スキップフロアを採用した開放的な空間をつくり上げた。それを実現したのは「構造体のアウトソーシング」だ。

お気に入りの中古マンションを自分色に リノベは住宅取得の新たな主流になる
団地の一住戸をリノベーションし、自宅兼事務所として活用している建築家の花井奏達さん。施主のCさんは、花井さんの家を見て「リノベーションでもこんなに素敵にできるんだ!」とこれまでの意識が変わり、中古マンションのリノベに踏み切った。花井さんは、築40年のマンションをどんな空間に変えたのだろう。

桜並木の絶景を満喫できる2階ダイニングキッチンが一家団欒の場
都心を流れる小川に沿って続く鮮やかな桜並木。その通りに面しているUさん邸。20坪ほどの狭小地に建つこの住まいは、絶好のロケーションを活かして、日常生活をより楽しく、より快適に過ごす工夫がなされています。

ふたりで暮らしたNYの面影を鎌倉に。夫から妻へ贈る家づくり
ラフに貼られた壁面の古レンガ、キッチンに吊るしたヴィンテージの照明、鉄骨の構造体をいかした天井や階段など、日本の一般的な新築住宅とは一線を画すA邸。この個性的なインテリアがうまれは背景には、アメリカで出会ったご夫妻ならではの価値観がありました

「狭小」のイメージを覆すのびやかさ。華やぐ都市で、天に向かって踊る家
東京・神宮前にあるこの家を設計したのは、建築家の蘆田暢人さん。建物に囲まれ、建坪は約10坪と難度の高い条件だったが、狭小地とは思えない明るくのびやかな空間が完成。住宅として快適でありながら、街並みに溶け込む店舗のようにも思える洗練された建物をご紹介しよう。

普段の提案をさらに探求し、実現した自邸 自分の居場所をそれぞれが見つける家
「美住のすまい」は、いのはな建築事務所の鈴木さん夫妻の自邸。普段お施主さまへの提案する事柄をさらに突き詰め、表現した家だ。コスト感にこだわり、メリットとデメリットを見極め適正な土地を選ぶことから、素材選びや間取りなどひとつひとつを吟味して、ライフスタイルに合った家をつくり上げた。
