
素材も間取りも理想を現実にした、
納得と愛着の家づくりとは?
家族が集まるリビングは広々ナチュラルに
「自分たちの家をつくるなんて、おそらく一生に一度しかないことですよね。だから、きちんと納得いくものにしたかったんです」と奥様。知人宅や雑誌、モデルハウスなどを参考にして、間取りや部材など、理想のイメージを思い描いていた。けれども、工務店からの見積りを見て愕然。「考えていたことを要望に入れていったら、驚くほど予算をオーバーしてしまって。やっぱり理想は理想でしかないのかと、ショックで落ち込みました」。
そんな時、相談に乗ってくれたのが岡本建築設計室の岡本さんだった。
「ご夫婦ではっきりとしたイメージをお持ちだったので、お話は進めやすかったですね。特に奥様は勉強熱心で、家づくりにとても真剣に向き合っていらしたので、その思いにぜひお応えしなければという気持ちでした」と岡本さん。予算やスペースに制約があるなか、できるだけ理想に近く思いをカタチにするために、何を優先するかを話し合い、メリハリをつけてプランをつくっていった。
その結果、家族が集まる2階リビングは、希望どおり自然素材をふんだんに使い、また、吹き抜けを設けることでゆとりのある開放的な空間を実現。一方で、たとえば夫婦の寝室は「寝るだけの場所」と割り切り、1階の北側に配置した。
奥様がどうしても取り入れたかった無垢のフローリングは、家全体だとコストがかさむためリビングのみ敷設し、1階部分は集成材にするという方法を選んだ。完成してみると違和感はなく、「かえって足裏の感触の違いを楽しんでいる」という新たな発見も。また、リビングだけといってもそれなりの予算が必要なことから、無垢の床材はご夫人が直接メーカーから買い付けることでコストを抑えた。
もう一つ、ご夫妻が当初からこだわったのが1階の倉庫。登山用品を扱う会社に勤めるKさんは、ご自身の趣味もアウトドアで、マウンテンバイクやカヌーを多数所有する。以前の家では、これらの出し入れに玄関を通らなければならず不便を感じていたが、新しい家ではガレージから直接倉庫へ入れる構造にした。「泥だらけの自転車を家にかつぎ入れて、妻に注意されることもなくなりました」と満足そう。
2階壁面の漆喰は、すべて自分たちの手で塗った。壁の隅には、壁塗りを手伝ってくれたお子さんのかわいらしい小さな手形を残してある。これから年月を重ねるにつれ、ご夫妻の思いがこもったこの家に、家族の思い出がたくさん刻まれていくだろう。
【岡本 祐治さん コメント】
予算が厳しいなか、クロスよりも漆喰にしたいというご希望だったので、苦肉の策で「漆喰を自分で塗る人もいますよ」と言いました。実際に「やろう」という話になり、私もお手伝いしてみると、想像以上に大変な作業で、職人さんのすごさをあらためて実感しました。私もしばらく全身筋肉痛に苦しみましたね(笑)。
【夫婦+子ども1人】
Kさん
壁塗りは慣れない作業でしたが、ちょっとイベントっぽくて楽しかったです。自分たちの手で家をつくっているという実感を持つことができましたし、家族のいい思い出になりました。
大窓や木枠の抜け感でスペースの広がりを演出
構造上、ダイニングとリビングの境目に筋交が垂直に張り出すが、岡本さんはあえてそれを壁板で覆わずに、木の骨組みを見せた。これがデザイン上のポイントになり、また、風通しや採光の面でも効果的な役割を担っている。
Kさんは「ロフトとリビングの全体を見渡した眺めが、一番のお気に入り」という。直線的な木材と白い塗り壁で構成された空間は、船のデッキのような雰囲気もあってどこかワクワクさせてくれる。
【岡本 祐治さん コメント】
予算が厳しいなか、クロスよりも漆喰にしたいというご希望だったので、苦肉の策で「漆喰を自分で塗る人もいますよ」と言いました。実際に「やろう」という話になり、私もお手伝いしてみると、想像以上に大変な作業で、職人さんのすごさをあらためて実感しました。私もしばらく全身筋肉痛に苦しみましたね(笑)。
【夫婦+子ども1人】
Kさん
壁塗りは慣れない作業でしたが、ちょっとイベントっぽくて楽しかったです。自分たちの手で家をつくっているという実感を持つことができましたし、家族のいい思い出になりました。
漆喰の壁塗りは、自分たちの手で
極めつきは、2階の壁面。タナクリームという自然素材の漆喰を使い、奥様、岡本さんの3人で3日間かけ、吹き抜けの高い壁まで全面塗りあげたという。
【岡本 祐治さん コメント】
予算が厳しいなか、クロスよりも漆喰にしたいというご希望だったので、苦肉の策で「漆喰を自分で塗る人もいますよ」と言いました。実際に「やろう」という話になり、私もお手伝いしてみると、想像以上に大変な作業で、職人さんのすごさをあらためて実感しました。私もしばらく全身筋肉痛に苦しみましたね(笑)。
【夫婦+子ども1人】
Kさん
壁塗りは慣れない作業でしたが、ちょっとイベントっぽくて楽しかったです。自分たちの手で家をつくっているという実感を持つことができましたし、家族のいい思い出になりました。
基本データ
| 所在地 | 東京都 |
|---|---|
| 家族構成 | 夫婦 |
| 施主 | K邸 |
設計者情報
この実例を見た人はこちらも読んでいます

開放感も距離感もかなえた斬新な設計 次世代のニーズも満たす、しなやかな二世帯
洗練された商業建築を思わせるこちらの建物は、大阪市内にあるお寺の住職さんの二世帯住宅。高度なスキルを駆使した斬新な設計で、「二世帯の適度な距離感」「間取りの可変性」など多くのメリットを生み出した。その驚きのプランニングとは?

吹抜けがなくても開放感は生み出せる。毎日楽しい、三角屋根のかわいい家
5LDK・2階建てのH邸は、平面図を見ると至ってベーシックなプランに思える。しかし実際に訪れると、楽しく、気持ちよく暮らせるポイントが満載。どんな条件でも空間に豊かさを加えてくれる、菅家建築計画工房ならではの設計の魅力がよくわかる。

自邸に選んだのは築40年のマンション。 長く快適に住むためのスケルトンリフォーム
建築家の田中晴代さんの自邸は、結婚後に購入しリノベーションしたマンションの一室だ。この家で暮らして8年、家族構成や働き方が変化していく中でこうしておけばよかったと感じる点がひとつもないという。このおおらかさはどのように生まれたのだろうか。

閉じた外観からは想像できない空間がそこに 非日常の驚きと寛ぎが体験できる別荘
人が「別荘」に求めるものは何だろう?毎日の生活とは違った「非日常」や極上の「寛ぎ」という答えは多いはず。施主のNさんは「森や空といった自然を感じられる開放感」というものだった。その一方、プライバシーは確保したい。この相反する要望に応え、限られた予算の中でドラマや映画で出てきそうなラグジュアリーな別荘を生み出したのは、建築家ユニットSSSの関さんと鈴木さんだった。

シンプルさを極めつつご夫婦のライフワークと趣味に寄り添った家
アクセサリー製作がライフワークであるご主人と、石鹸コレクターとして世界中の珍しい石鹸を集めていらっしゃる奥様の理想を、具現化したS様邸。そのこだわりと家を建てるまでのプロセスを、ホープス代表・清野廣道さんを交え、インタビュー形式で伺いました。

建材の伐採に施主様も参加! 安心とぬくもりの「自然素材の家」
シンプルな木の家をテーマにこだわり、建築材の“地産地消”に取り組む建築家の福田義房(ふくだ・よしふさ)さん。川越市にある一級建築士事務所アーキクラフト代表であり、森と町を結ぶNPO法人「山のめぐみ」理事なども務める福田さんが設計する家は、何とも言えないぬくもりと安らぎに満ちている。埼玉県東松山市のH邸を例に、その細やかな仕事ぶりを見てみよう。

空間の変化とつながりが 家族の心地よい居場所と時間をつくる家
一般的に住宅は、四角い部屋を整然と並べただけのシンプルな平面が多い。しかしアトリエスピノザのつくる家は、部屋の形状がL字だったり、天井高も違ったり、隣や上階の部屋と一部が繋がっていたりと実に複雑。施主が、空間の多様性と光の変化に驚いた、図面からは想像もつかない快適空間に迫る。

家とともに人生を歩む。 日ごとに愛着が増す、ゆとりある家
小山田剛さんが自宅兼事務所として建てたのは、温もりあるシンプルな家。建築家としてだけでなく、夫、そして父親としての目線からも考えられた住まいは、大らかに家族を包み込んでいる。小山田さんが家の中に散りばめた「小さな豊かさ」をひも解くと、家と暮らしにおいて本当に必要なことは何かが見えてくる。

想いを最大限に具現化する 「十人十色」の家づくり
いくつもの設計事務所やハウスメーカーに足を運ぶも、なかなか納得できなかったというNさま夫妻。しかし、インカラーアーキテクツの遠藤彰さんが提案したプランはひと目で気に入り、ほぼ即決したという。めぐり巡ってようやく手に入れた、Nさま夫妻の“理想の家”を拝見してみよう。
