
家族が集まるLDKをリノベーションで実現。
移住されるお施主さまの一番の味方は建築家

武本 博徳
たけもと ひろのり
one design
静岡県 富士市
designに正解はありません。 それでも、one designは、 日々変わる時代や環境、取り巻く状況に応じて、 ひとりひとりに最適な答えを探していきます。 ひとつひとつ、妥協なく、誠実に、丁寧に。 広がる未来を想像しながら、空間を組み立てます。 新たな暮らしの鍵を開けるまで、ともに楽しむこと。 それを何より大切にしています。
移住先は首都圏からの利便性も高い三島。
物件のリノベは、信頼できる建築家とともに
「最近は自治体が積極的に支援していることもあり、首都圏など県外からの移住を検討されている方が増えていると感じます」と話すのは、この「三島のリノベ」を手掛けた株式会社onedesignの武本博徳さん。Instagramで作例をご覧になり、内覧会にいらして下さったのがNさまとの出会いだったという。
移住を考える方は、自身でまず物件の目星をつけたところで建築家に相談される場合が多い。Nさまも候補となる物件を見つけた後に、武本さんに相談。リノベーション案のプレゼンを経て、ここならば思い描く暮らしができると確信した後に正式に物件も決定した。
武本さんに依頼を決めたのは、プレゼン案に納得したのはもちろんのこと、人柄やセンスにも惹かれてのことだったそうだ。
当初は2階建ての家をフルリノベーションする予定だった「三島のリノベ」。しかし、予算との関係や、お子さまがもう少し大きくなってからのほうがタイミング的に適しているのではないかと、1階にのみ手を加えることにした。
安心してリノベーションを任せられる建築家と出会い、移住にむけての家づくりがいよいよ始まった。
昔ながらの間取りを暮らし方に合わせて変更
暖かな光に満ちた、開放的なLDK
完成後は「家族が楽しく集まれる空間が欲しい」という要望を叶えるべく、LDKを一続きの大きな空間として計画。以前は2部屋に分かれていたところを1部屋に変えたおかげで、庭に向かって掃き出し窓が2つでき、過ごしやすさが向上した。家の南側にある庭に面しているため室内に光が豊かに入ってくるうえ、LDKのどこにいても庭でお子さまたちが遊ぶ様子が眺められるのだ。
広さをさらに強調する工夫もある。例えば、あえて玄関からLDKに進む動線には仕切りを設けなかった。こうすることでLDKから玄関までが意識的に繋がり、より広い空間と認識できる。またLDKと水回りなどのエリアとを区切る壁は、上部に空間が開いており、1階の天井を分断しない。おかげで意識がLDKの外へと伸び、開放感がある空間ができた。
キッチンの使い勝手にもこだわった。家族5人分の食事をつくるキッチンはとにかく広く使いやすく、不自由のないようにと武本さんが設計し、フルオーダーで製作した。ご要望からセパレート型を採用し、壁側にコンロ、ダイニング側にシンクを計画。2つの要素を並べなかったことで、それぞれの作業台のスペースに余裕ができ、作業がしやすい。また、季節に合わせたディスプレイをするなど、暮らしを楽しむための場所としても活用しているとのこと。
リノベーション後は、LDK以外の動線も今の時代に合わせたものになっている。「コロナの後は、帰宅してまず手洗いうがいと着替えをしてからLDKや個室に向かう、という流れができました」と武本さん。ランドセルや園服を仕舞う収納の隣に洗面台を設け、すぐ奥にウォークインクローゼットを配置した。この動線のおかげで、お子さまたちも帰宅時の一連の流れを習慣付けられるだろう。
Nさま家族の暮らし方の理想に合致した快適さや機能性を実現した、武本さんのリノベーション。開放的なLDKで家族と過ごす時間が、日ごとに楽しみになるに違いない。
ひとつひとつをお施主さまとじっくりと検討
リノベーション前と今が融合するインテリア
キッチンの設えはまさにこのライトありきで考えたという。真鍮を引き立てるため、周囲は白・グレー・ナチュラルな木材とシンプルな色味で揃えた。キッチンは収納棚の取手も真鍮とし、統一感を出している。
また、位置も一番バランスがよい高さ、天板と天井のちょうど中間に取り付けた。「実用性を求めるのであればもう少し低くしなくてはなりませんが、あくまでインテリアとして美しく見えることを考慮しました」と武本さん。
アンティークのような趣のあるこのライトが空間に馴染み、美しく映えることには更なる理由がある。この家が築40年の建物のよさを残しつつ、新しい部分と融合させるというコンセプトのもとでリノベーションが行われたからだ。Nさまと打ち合わせを重ねるうち、新しいもので全部隠してしまうならば、それはリノベーションではなく修繕や修理だという共通の認識ができていたという。
「新」と「古」の融合を可能としたのは、素材選びの妙だ。先述のLDKの壁の上部を空けた部分では、40年前からそこにある鉄骨をあえて見せた。それが唐突にならないよう、天井に本来は工場などで使用される木毛セメント板を取り入れた。さらにキッチンの壁面は左官仕上げとするなど、素材が持つ無骨さや質感がハーモニーとなって空間がまとまっている。
ほかにも、以前は壁に覆われていた階段を現しにした。素材を見せ、インテリアのアクセントとして活用することで、Nさまのイメージを表現したという。
「今回は、物件を紹介した不動産会社もとても協力してくださり大変ありがたかったです」と武本さん。コストコントロールも兼ね、LDKの壁面はご友人などが集まって皆で塗ったそうだが、そこになんと不動産会社の担当者も参加されたのだそうだ。移住に際し、支えてくれる人は一人でも多いほうが、お施主さまにとっても心強いだろう。
武本さんも、家づくりにおいてとにかくコミュニケーションが大切と語る。Nさまとも毎週のように打ち合わせをし、取手ひとつから一緒に話し合って決めたというのだから、どれだけそれが重要だと考えているのかがわかる。
他のお施主さまたちと同じように、Nさまご家族ともリノベーションが完成した後もお付き合いが続いているという。不安も多いだろう移住者の強い味方になってくれるのは、人柄、センス、技術、全てに優れた武本さんのような建築家だ。
基本データ
| 作品名 | 三島のリノベ |
|---|---|
| 所在地 | 静岡県三島市 |
| 敷地面積 | 213.87㎡ |
| 延床面積 | 91.17㎡ |
| 家族構成 | 夫婦+子ども3人 |
| 予算 | 〜2000万円台 |
撮影:真野慶太
設計者情報
この建築家が建てた家
この実例を見た人はこちらも読んでいます

庭の木々に遠くの山並み、籠れる離れまで いくつもの景色や居場所がある家
訪れた建物のフォルムや内装、居心地の良さに「素敵だな」と感じることは誰しもあるに違いない。そして「自邸をこの建築家にお願いしたいな」と漠然とした思いをもったことがある人もいるかもしれない。しかし実際にその建築家に連絡をとり依頼をするという行動を起こした人はほんの一握りだろう。施主のUさんご夫妻にそう思わせた店舗を手掛けたのは、京都を中心に活動する建築家田中郁恵さん。運命的な出会いから、どんな家をつくりあげたかに迫る。

施主と建築家の切妻屋根への想いが結実 水平の軒がつくる凛とした佇まいの家
この家は、切妻屋根の家を熱望する施主と、切妻屋根の美しさに魅了された建築家の出会いによって誕生した。「平成29年度松本市景観賞 建築物・工作物部門賞」を受賞したこの家は、数多くの独創的なアイデアであふれている。施主の要望をすべて叶え、より快適に過ごすための提案も組み込まれたこの家の誕生秘話に迫る。

モダンと暮らしやすさを両立した、自然と人が集まる家

20を超えるプランで実現した二世帯住宅 青森の寒さも凌ぐ、家族の程よい距離感の家
「こんなプラン、ハウスメーカーからは絶対に出てこない」。施主Tさんをそう言わしめたのは、建築家・木村さんが提示した20を超えるプランだった。手間暇惜しまず、施主に寄り添い、納得するまで可能性を探り続けるのが木村さんの流儀。その結果生まれたT邸は、4台分のガレージと高断熱・蓄熱性能で青森の冬も快適に。親子二世帯が、プライバシーを守りながら絶妙な距離感で暮らす家が生まれた。

黒い壁のなかに白い家!?難題をクリアしたオシャレ二世帯の知恵
住宅が密集した都市部に家を建てる際、大きな課題となるのが採光とプライバシーのバランス。明るく開放的な住まいを希望すると近隣の住宅が間近に迫るため、結果的にカーテンを閉じたままの暮らしにもなりかねないからです。そんな心配も見事に解決した、建築家ならではの技が随所に光る二世帯住宅を紹介します。

狭小いびつな土地で叶えた、家族4人の快適ハイブリット住宅
狭小な三角形の土地に、施主家族4人の住まいをプランニングすることとなった建築家の竹内直樹さん。高さ制限、土地のいびつな形状や高低差など、厳しい条件をクリアして完成した3階建ては、鉄筋コンクリート造と木造のハイブリット住宅でした。狭小な土地にありながら、家族4人が快適に暮らせる住まいの秘密に迫ります。

パン教室のできるキッチン!難しい土地で実現した妻子の大満足!
施主であるSさんが家を建てることになったのは、隣家が採光を阻む北側斜面の土地。悪条件を乗り越えて陽光が降り注ぐ住まいを実現し、みごと「住まいの環境デザイン・アワード」を受賞した建築家の技に迫る。

家族がつながる、集落とつながる 新旧の住宅の良さを再編集した奄美の家
独自の住宅文化をもつ奄美大島。奄美独自の住宅の良さと、現代建築の快適さを兼ね備えた住宅をつくったのは、建築家の小野良輔さん。島外出身者だからこそ気づくことができる、伝統住宅の要素を取り入れた家づくりに迫る。

1階に生活を集約、安全に暮らせる家に。 築100年の古民家をリノベーション
古民家に一部増築した家で暮らしていたお施主さまは、2階建てでの暮らしに不安を覚えるように。それまでほぼ使用していなかった古民家をリノベーションし、生活の範囲を広げ1階のみで暮らしたいと考えた。建築家の戸川さんは直面した不安だけでなく将来も見据え、安心して暮らせる家に生まれ変わらせたという。








