
お施主さま、職人、建築家は1つのチーム。
贅沢な環境で趣味を存分に楽しむ家

武本 博徳
たけもと ひろのり
one design
静岡県 富士市
designに正解はありません。 それでも、one designは、 日々変わる時代や環境、取り巻く状況に応じて、 ひとりひとりに最適な答えを探していきます。 ひとつひとつ、妥協なく、誠実に、丁寧に。 広がる未来を想像しながら、空間を組み立てます。 新たな暮らしの鍵を開けるまで、ともに楽しむこと。 それを何より大切にしています。
段差がある土地を生かし、2棟に分棟。
生活する「母屋」と趣味を楽しむ「小屋」
大きな片流れ屋根のフォルムの家は、角度が変わると実は「母屋」と「小屋」の2棟に分かれているとわかる。ただ2棟並んでいるのではない。この家はもともと最初に見た通りの片流れ屋根のひとつの家で、そこから押し出されるようにすぽっと抜けた一部が少し離れた位置にあるというユニークな構成になっている。そして、ウッドデッキで繋がった2棟の間から見事としか言いようのない富士山を臨むことができるのだ。
登山やキャンプなど、アウトドア系の趣味を多くお持ちの施主、Iさま。この家を設計した株式会社 onedesignの武本博徳さんが「趣味と暮らす」と名付けた通り、Iさま家族が趣味を存分に楽しむために建てた家だ。中でも「小屋」は、趣味で使うキャンプ用品や自転車などを収納するためだけに計画。佇まいはお施主さまお好みの山小屋風とした。
あえて2棟に分けた理由は、まず、土地に大きな段差があったことがひとつ。整地して広いフラットな土地にすることも考えられたが、それよりも、段差があるからこその家にしたほうが面白いと考えた。
もうひとつは、打ち合わせ時に以前の住まいでの暮らし方から感じた印象だったという。当時Iさまは1部屋を収納のために潰しており、いわば趣味用品が生活空間へ侵食しかけているような状態だった。ならば、きっぱりと分けたほうが暮らしやすそうだと判断した。
これらの理由から、床レベルを合わせながら生活空間である母屋を上の土地に、小屋を下の土地に配置。間をウッドデッキで繋ぎ、無理なく行き来できるようにした。先述の通り小屋は母屋の一部が押し出されたように表現されているため、ウッドデッキは2つの建物に挟まれている。離れて壁面がある場所もあり、おかげで外部からの目が届きにくく、自然を眺めながらゆったりと過ごしたり、お子さまがプール遊びしたりと大活躍のスペースとなった。思いのほか贅沢な場所ができたと、Iさまもお喜びくださったそうだ。
季節や天気の移り変わりを富士山から知る
家族それぞれが思い思いに暮らせる家
L字の角の部分に設けた独立したキッチンを挟み、それぞれの辺にダイニングとリビングを配置。仕切りなく繋がっているが、視線が交わりにくい雰囲気で計画したのは、やはり以前の暮らし方からだった。「お子さまも含めて、家族それぞれの過ごし方が分かれているようでしたので、気配は感じられるけれども程よく距離が取れることを意識しました」と武本さん。
落ち着いたダイニングと、2階までの吹き抜けで天井が高く開放感抜群のリビング、少し奥まっており適度な籠り感がある書斎と居心地もさまざま。加えてウッドデッキや小屋も備えている。思い思いの場所で自由に暮らせることは、この家の大きな魅力だ。
生活感を見せたくないという要望を受け、玄関からダイニングが見えないように壁を設けた。ただ、上まで閉じてしまうとダイニングにも玄関にも圧迫感が出てしまう。そこで、壁面の上部は6枚のガラスとした。高身長の人が玄関先に立ってもテーブルの上は見えないぎりぎりのラインを見極め、要望を叶えながら視線の抜けを確保している。
もちろん、室内から美しく富士山を見せる点にもこだわった。とりわけ書斎の窓により切り取られた姿は印象的だ。さらにウッドデッキからは大迫力で楽しめる。実は近隣では土地の条件的にも南に窓を設けることが多く、富士山は北側にあるためこの景色は珍しいのだという。それだけではない。ダイニングとリビングの両方をウッドデッキと繋げ、寛ぎの場のどこからでも窓の外に目をやれば常に富士山が見えるという稀有な環境を整えた。
特にIさまのように登山をされる方は、山間の雰囲気や雪の積もり方など、山の風景で季節を感じられることが多いのだそうだ。Iさまも、家から見える富士山を一写真に収め、SNSにアップされることも多いのだとか。武本さんは「魅力的に見えるようにと工夫しましたので、こんなふうに日々楽しんでくださると本当によかったなと思います」と嬉しそうに語ってくれた。
適材適所の人選は最良の提案を可能にする
贅沢で、満足度の高い家づくり
武本さんは設計だけでなく、施工までワンストップで家づくりを行う。お話を伺いながら、だからこそこんなにも満足度が高く、お施主さまが望まれた通りの家が、また家づくりができたのだと確信した。
好みや相性といった、目には見えない部分も重要なのが家づくりだ。日ごろから仕事をともにし、施工会社や職人たちそれぞれの特徴を理解している武本さんだからこそ、お施主さまの要望やパーソナリティーとマッチさせられる。センスまで的確に踏まえた人選のおかげで、お施主さまは最善の提案を得られるようになるのだ。
例えば母屋の電気配線を通すパイプなどの素材選び、小屋の少しくたびれた印象をあえて出した仕上げなど、職人自らの提案からIさまに喜んでいただけた部分がこの家にはたくさんある。
家族それぞれが好きなことを追求できる家、「趣味と暮らす」。母屋、小屋、ウッドデッキのほかに、庭もある。現在、奥さまは念願だったガーデニングも楽しまれているのだとか。眺望よし、広さもあり、存分に趣味を堪能できる環境は首都圏ではなかなか得難いだろう。しかし、このエリアならば比較的手ごろな価格で実現できる、と武本さん。しかも都内へは高速で1時間強という近さだ。Iさま家族のように、もともとこのあたりが地元という方々以外からも注目浴びるのは当然だろう。
生活を楽しみたい、趣味を満喫したい。武本さんに依頼したお施主さまにとって、それは家が完成して初めて叶えられる希望ではない。家づくりを始めたそのときから、すでに実現している。
基本データ
| 作品名 | 趣味と暮らす |
|---|---|
| 所在地 | 静岡県富士市 |
| 敷地面積 | 456.06㎡ |
| 延床面積 | 107.44㎡ |
| 家族構成 | 夫婦+子ども1人 |
| 予算 | 2000万円台 |
設計者情報
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