新たに土地を購入し、自宅を新築することにしたお施主さま。子育てに向け「部屋が孤立しないこと」を希望された。建築家の林さんは、1階と2階を格子で繋げることでそれを実現。同時に、視覚的にも感覚的にも周囲に馴染むオープンな雰囲気を持ちながらも、視線や距離感をコントロールできる家をつくり上げた。
この建築家に外観。ご要望からビルトインガレージを計画。正面中央に玄関はあるが、家族は主にガレージからダイレクトに室内へ行き来する。2階、右手前はルーフテラス。北側にあるため日中安定した光が入る。バーベキューをしたり、夏場はビニールプールを出して遊んだりもできそうだ
前面道路の裏、南側から見た外観。街に溶け込むよう、2階部分は小さな三角屋根の家が集まったイメージで計画した。三角屋根の下ひとつひとつに居室がある。右端は格子床の書斎。南面と東を大きく開口したことで、外から室内の梁などが見え、外部との繋がりをもたらした
前面道路から見た外観。中央は玄関。外部から家の反対側までまっすぐ視線が抜ける。オープンな雰囲気を意識
南側ルーフテラス。家の裏側にあり、大物の物干し場としても活用。室内を通して複数の方向に視線が抜ける
夕景の外観。ガルバリウムの外壁と、構造の木材を表しとした室内の雰囲気のギャップも楽しい。小さな美術館のような洗練されたデザインが、家から漏れる光によって引き立つ
玄関からたたき、室内を見る。画像右はビルトインガレージ。画像左、鏡の引き戸は靴箱、パントリーにつながる。ビルトインガレージからパントリーを直線で繋ぎ、買い物帰り時などの利便性を向上させた。天井の切れ目にはロールスクリーンを収納。室内側で視線をコントロールする
1階LDK。LDKの右隣に和室がある。2階の大開口から取り込んだときに強すぎる日射は、格子を挟むことで1階に優しい光となって届く。構造材を表しとし、節などからも得られる木材の表情を存分に楽しめる室内の設えには温かさが感じられる。時とともに変化する色合いなども楽しみ