
心地よい「居場所」を随所に配置した家

髙橋 純也
たかはし じゅんや
Ju Design 建築設計室
愛知県 江南市
家づくりは楽しいものであってもらいたい。未来を想像して家族にあったカタチを作り上げる夢の具現化です。理想を持った空間はきっと楽しい空間になります。 「この場所で何をするか」、「そこに立って何を見るか」、「時間と共にどのように変化していくか」、「居場所はどこにあるか」 etc...色々なことを想像してみてください。 今上げた例えは実はすべて居場所に関することです。実際に理想はと聞かれると、大きさや部屋数、こんな雰囲気がということを思い浮かべる方が多いと感じます。居場所というのはなかなか考えるのが難しいことのようです。 その居場所づくりをすることが、僕が建築で大切にしている役割です。どのように生活が営まれるか、空間のつながり方やそこから見える姿をイメージしながらその中に居場所という付加価値を落とし込んでいきます。 家を建てることは人生の中で生活が大きく変わる分岐点です。楽しく生活するための居場所づくりのお手伝いが出来ると幸いです。
夫婦の好きな山小屋のような雰囲気をいかに魅せるかがポイント
「もちろん、都会的なセンスも持ち合わせるN様夫妻の住処として、山小屋をそのまま作るわけにはいきません。住みよく、洗練された空間の中に、いかに山小屋感を盛り込むかを考えました」
それが高橋さんの腕の見せ所だ。
空間構成を考えていく中で着目したのが、ロフト部分の壁。ここに凹凸のある石模様のタイルを貼り込むことを試みた。タイルは本物の石と見紛うような凹凸があり、思わずロッククライミングしてみたくなるほど。山小屋とは少し違うが、ゴツゴツしたワイルドな印象を前面に押し出すことができる。この部分以外は普通の白い壁にすることで、より視線を石の壁に集めることができるのだ。
玄関からもリビングからも入れる畳コーナーは、壁に木のチーク色の合板を使用し、木の質感をしっかり感じられるスペースとした。ここもちょっとした小屋のイメージだ。
一方、建物外観も「登山」にちなんだちょっとした特徴がある。敷地の隣に高架道路があるため、そちらからの視線を塞ぐために屋根の形を工夫した。
「ちょうど間取りでいえばロフトのある高い部分。ここを屋根の頂点に置き、そこから道路側に屋根を流すように配置しました。頂点から2方向に流れる形となるため、その間の部分が山の“尾根”のように見えるのです。これは光の取り込みなども計算して設計した結果偶然できた形ですが、N様夫妻も大変気に入っていただけました」
玄関前の表札にはN様の名前と一緒に「ONe-オネ-」の文字が刻まれているのが、気に入ったという何よりの証拠である。
造作ダイニングテーブルとグラスラックで、ワインを存分に楽しむ
「最初は対面キッチンを設けて、その上にグラスラックを造ろうと設計し始めました。ところが、対面キッチンでは想定以上にスペースを取られてしまうというデメリットがありました。そこで、壁付けキッチンにしたうえで、ダイニングテーブルを造り付けにし、その上にグラスラックを設けたのです」
ここはデザイナーの真骨頂。ダイニングテーブルから滑らかな曲線で壁に繋げ、そのままPCコーナーまで一体の造作カウンターを作った。これがあるからこそ、キッチンからダイニング、リビングまで連続するスペースとしてスムーズに繋がっている。ダイニングテーブルは円卓のように使うこともできるので、ある程度来客の数が多くても対応可能。さらに、キッチンで料理を作って振り向きざまにそれを出すことができ、そのままそこに座ることもできるのだ。ダイニングテーブルと吊り棚がアイキャッチの役割を果たすため、キッチンが目立たず、非日常の雰囲気も演出できるというわけだ。
ワインラックは、角材に穴を空けただけのもの。シンプルながらおしゃれ感も抜群だ。それを2本ダイニングに斜めに配置しているので、合計40本ほどのワインをディスプレイできる。見た目も面白く、実用的なワインラックが完成した。
石の壁、小屋風の畳コーナー、グラスラックのあるダイニング。これらは意外にもさほど材料費や施工費がかさまずに作ることができたのが共通点であり、どれも巧みに視線を誘導する効果は抜群。高橋さんのモットーである、複数の居場所づくりという点でこれらを眺めても、それぞれの場所によって気分が変えられ、設計の狙い通り。これらがあることによって、日常である家の中でも非日常を感じさせ、ワクワクする気分を盛り立ててくれるだろう。これらを眺めながら過ごすN様夫婦の新生活も、喜びに満ちたものになりそうだ。
間取り図
基本データ
| 所在地 | 愛知県丹羽郡 |
|---|---|
| 敷地面積 | 214㎡ |
| 延床面積 | 86.43㎡ |
| 施主 | N邸 |
設計者情報

髙橋 純也
たかはし じゅんや
Ju Design 建築設計室
愛知県 江南市
家づくりは楽しいものであってもらいたい。未来を想像して家族にあったカタチを作り上げる夢の具現化です。理想を持った空間はきっと楽しい空間になります。 「この場所で何をするか」、「そこに立って何を見るか」、「時間と共にどのように変化していくか」、「居場所はどこにあるか」 etc...色々なことを想像してみてください。 今上げた例えは実はすべて居場所に関することです。実際に理想はと聞かれると、大きさや部屋数、こんな雰囲気がということを思い浮かべる方が多いと感じます。居場所というのはなかなか考えるのが難しいことのようです。 その居場所づくりをすることが、僕が建築で大切にしている役割です。どのように生活が営まれるか、空間のつながり方やそこから見える姿をイメージしながらその中に居場所という付加価値を落とし込んでいきます。 家を建てることは人生の中で生活が大きく変わる分岐点です。楽しく生活するための居場所づくりのお手伝いが出来ると幸いです。
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