
グッドデザイン賞を受賞!
アートギャラリーのような光あふれる家
光あふれるアートギャラリーをイメージ
「アートギャラリーみたいなシンプルで光が映えるようにして欲しい」という要望を叶えてくれる建築家としてコンサルタントが名前を挙げたのが植木さんだった。
植木さんの建てた家の画像を閲覧したお施主さんは、是非植木さんにお願いしたいとお見えになった。
植木さんが最初に考えたのが現在の家よりももっとアバンギャルドな家。
「アートギャラリー」からの発想でユニークなものだったが、こちらはお施主さんの「住める気がしない」という一言で、良い所を残しつつ発想の転換を行うことに。
土地の正面は北向きで高台に位置している立地を考慮し、次に考えたのが光と風を取り入れられる四方に開口部のある家。
住宅街にありながら、お隣に面する所にあえて窓を置き、身長位の高さの壁の上に窓の位置をずらすことで、視線を遮りプライバシーの確保に成功。
周辺には2~3階建ての家が多く、建築上の高さの制限が問題となる。
制限がなければ4階建てにする方が建築費用は安く済むが、南側のテラスの下にドライエリアとトップライト付きのベッドルームを埋め込む選択をとり、30坪ながら開放感と光に溢れ、BFまで自然光が入る家ができた。
開放感とプライバシーの両立という、住宅街の家が抱える問題を解決するため「家というハコをひらく」仕組みを考えて、相当スタディを重ねたという植木さん。
「施工ではなく設計でどれだけ工夫するか」ということが大切なポイントだと明かしてくれました。
三つのハコをそれぞれ三面体にバラしてひらき、L字型に入れ子構造で組み合わせることにより、壁と床・天井の間に開口部を作り、光と風が通り抜けるワンルームのような空間を作ることに成功。
真っ白な壁は白くてモダン、そして重量感や圧迫感を感じることがないとお施主さんに好評だそう。
1FとBFには白いタイルが用いられており、光が反射して室内を明るくしてくれます。
「光の入り方が大切でした」と植木さん。
外の壁には光触媒塗装を使用しており、光が当たった後に雨が降ると汚れが浮いて流れ落ちる。
その為、白い壁でも汚れが付かないので「汚くなってしまった」という理由で頻繁に塗り替える必要がないという。
普通は5年くらいで白い壁は汚れてしまうのだとか。これも、「白を持たせるための選択です」と植木さん。
光を効果的に演出してくれる「白」以外にも、拘りは随所に散りばめられている。
収納を多くし、すっきりと暮らすことができるように配慮したり、コンセントを床に埋め込んで見えないように工夫したり。
注文住宅は1つ1つオーダーメイドが当たり前。
如何にお施主さんの要望を汲みつつ、最善の提案ができるか試行錯誤を重ねるという植木さん。「施工ではなく設計でどれだけ工夫するか」ということが大切だと語る植木さんは、お施主さんの要望を汲みながら、空間を最大限に生かすマジシャンのよう。
正面が北向きとは思えない開放感と光溢れる家は、2010年度のグッドデザイン賞を受賞した。
住宅街でも開放感とプライバシーを両立
【植木 健一さん コメント】
「家の形を先入観で規定しない仕組みを考えるのが大切」と考えています。とはいえ相当スタディを重ねました。施主さんからは圧迫感を感じない点や光が四方から入ってくるところが良いと言われております。「光溢れる家」を具現化するために、隣に民家がある東側と西側の開口部も敢えて大きく取ってあります。開放感とプライバシーの両立を叶えられるように考えました。
基本データ
| 家族構成 | 夫婦 |
|---|---|
| 施主 | B邸 |
撮影:新 良太
設計者情報
この建築家が建てた家
この実例を見た人はこちらも読んでいます

それぞれの生活を大切に ほどよい距離感でつながる二世帯住宅
長い海外生活から帰国し、実家を高齢のお母様との2世帯住宅に建て替える計画をした施主のKさん。建築への造詣も深いKさんご夫妻が、和のテイストを持ちながら、洋な暮らしをしたいとの思いを持ち、その実現を依頼したのは、大ベテランの建築家、ESPAD環境建築研究所の藤江通昌さん。自然・都市・人間をテーマに、ジャンルを問わず環境にマッチした大小様々な建物を手掛けてきた、藤江さんの仕事の真髄に迫る。

地域と共に自然と共に 日本の原風景を感じさせる家
自らが生まれ育ったまちで、ゆったりと暮らしたい。そんな施主の思いを実現したのは、日本人の心の原風景にあるような暮らしを現代の建築で叶える建築家、礒健介さん。自然体の暮らしを実現した、礒さんの家づくりに迫る。

鉄筋コンクリート構造・地上3階建てなのに2000万円台!「リブハウス」という名の住宅
鉄筋コンクリート構造・地上3階建て・ホームエレベーター付き・建築家がデザインする世界に1つだけの家…。漠然と「高額なイメージで自分たちには手が届かない…」と諦めてしまいがち。しかし、これらの条件をすべて満たした住まいが、思いがけず身近な存在になるかもしれません。建築家が自らの、そしてご両親と暮らす住まいとして具現化した家づくりご紹介します。

中庭に大きく開いた開口部が魅力!構造にヒノキを贅沢に使った上質な住まい
60代のAさんご夫婦が終の棲家として建てた、神奈川県・二宮町の一軒家。土台や柱といった構造部にヒノキをふんだんに使い、細部まで「上質」にこだわった住まいである。設計を担当したのは、建築家の腰越耕太さん。その細部にわたる家づくりのこだわりを、詳しくご紹介しよう。

木や漆喰など、ナチュラルな素材を 生かした空間で、家族の自律も促せる家
「家づくりはお子様の教育にもつながるチャンス」と言う富田さん。家は住む人がどう使うかが大事と、家族全員を巻き込んでの家づくりを理想としている。暮らしやすさはもちろん、立地を生かしたデザインなど、設計士としてのこだわりを盛り込みながら、住む人の暮らしの将来設計まで考え抜かれた実例を紹介しよう。

どんな季節でも、雨の日でも。 閉塞感なく暮らせる、通り土間がある家
雪国と呼ばれる地域では、一年の中でも雪深い冬をどう過ごすかが重要だという。建築家の堀井博さんが新潟に建てた自邸は、雪国で生まれ育ったからこそといえる工夫がたくさんある。それだけではない。開放的な通り土間がある家は、毎日の暮らしを快適に過ごすためのヒントにあふれている。

庭の木々と木製家具に癒される…。 都市の中で実現した、憩いの住まい
「デザイン性だけでなく、機能性にもこだわった住まいをつくりたい」。そんなSさんご夫婦の夢を請け負ったのが、いのはな設計の鈴木宏昌さんである。緑を望む庭に、インテリア性の高い造り付け家具、高い断熱性。Sさんの希望をみごとに叶えた鈴木さんの家づくり。気になるその中身をのぞいてみよう。

車好きのご主人の夢を叶えたガレージのある家
まずはスタイリッシュであること。そして大切な車を守るためのビルトインガレージと、将来親と同居する可能性を考え、十分な居住スペースも確保したかったN夫妻。約26坪の狭小地で施主の理想とこだわりを実現するため、清水さんが提案した意外なアイデアとは?

《集合住宅》新しい神楽坂を象徴の佇まいと個性ある室内デザイン
「賃貸だからしかたない」とデザインも住み心地もあきらめていないでしょうか。そこに生活する人のことを考えて、ひと手間かければ、賃貸マンションにも個性が生まれます。神楽坂という場所に、建築家の小林さんはどんなマンションを考えたのでしょうか。

