
見せる家!
借景もアートもセンスよく調和される空間づくりとは?
景色もインテリアも「見せる」演出!
度重なる打ち合わせを経て決定したコンセプトは、「光と風」「緑の眺望」の心地よさを肌身で感じられる住まい。敷地の南東側が“抜け”のよいひな壇という立地を活かし、リビングとダイニングを2階に。天井まで届く大窓を多数、適所に配することで爽やかな光と風、そして公園の緑をたっぷりと取り込めるようにした。「よりナチュラルでやさしい雰囲気を演出するために、いかにさりげなく緑の借景を“見せられるか”がポイントでした」と市川さん。また、リビング、ダイニングから気軽に出入りできるウッドデッキテラスを間に設けることで、連続性のある空間を創造。開放感のアップにつなげた。
完成した家に住み、Wさんは「これほど採光と通風、景色が素晴らしいとは」と驚きを隠さない。リビングにいながら、まるで森の中で暮らしているような感覚を楽しむことも日常的という。「引越し前よりも子どもがイキイキとしているし、家族の会話も増えましたね」と目を細める。
もう一つ、Wさんが「とても満足」と評するのが、ご自身の気に入った絵画や雑貨に囲まれながら生活する夢が叶ったこと。「市川さんは、物を飾るのが大好きな私の性格をよく把握してくれて、要所に飾り棚を提案してくれたんです」。さらに驚いたのが、普段から頻繁に出し入れする物、あるいはめったに取り出さない物を想定し、収納の位置やサイズ、使い勝手までとことんこだわってデザインしてくれたことだという。新築から数年が経過し、少しずつ物が増え続けているなかでもスッキリとしたインテリアが保てるよう工夫されているわけだ。
「住まいづくりとは、施主と建築家の協同作業であることを実感しました」。
Wさんのこの言葉こそ、施主との信頼関係を何よりも大切にする「市川イズム」の真骨頂だろう。
木と漆喰をふんだんに用いて、よりナチュラルな雰囲気に
同時にこだわったのが、意匠性と機能性だ。例えば、床材にヒノキを採用したのは、素足に心地よい柔らかさを兼ね備えながら、高強度・高耐久で湿気にも強いという特徴を重視したから。壁に漆喰を採用したのは、質感のよさと調湿機能を重んじたから、といった具合だ。また、構造上必要な柱2本をあらわし、間に板を張り、飾り棚を造作。素材の質感を残しつつ、インテリア性と実用性を両立している。
これらすべてが、「家づくりはお施主様との共同作業」という市川さん、そして、そんなポリシーを支持するWさんの感性をマッチングさせてプランニングした“自信作”である。
【市川 均さん コメント】
Wさんはアパレル関係のお仕事をされているだけに、人一倍、デザインに対する強いこだわりをお持ちです。一つひとつの素材が持つ役割やポテンシャルを明確に認識されており、私としても、適所にベストな素材をベストな形で配し、最大のパフォーマンスを発揮できるよう心がけました。
【夫婦+子ども】
私の希望をよく理解し、具現化してくれる建築家を探していました。以前お世話になったという理由で最初から市川さんに依頼しようと決めていたわけでなく、複数の建築家からヒアリングした結果、再度、市川さんにお願いしようと考えました。別荘も依頼して正解だったといま、あらためて確信しています。
基本データ
| 家族構成 | 夫婦 |
|---|---|
| 施主 | W邸 |
設計者情報
この建築家が建てた家
この実例を見た人はこちらも読んでいます

網戸から透けて見える中庭。 豊かに暮らす住まい手の魅力がにじみ出る家
区画整理によって生まれた、新しい住宅地。周辺に家がない状況で、要望を叶えつつ、将来どんなふうに近隣の家が建っても住環境に影響を受けないプランを考えなくてはならなかった。建築家の箕輪さんが出した答えは「中庭」。外からは想像できない、明るく開放的な庭が中心にある、豊かに暮らせる家ができた。

変形敷地だからこそ。建築家によるプランニングで理想の間取りを実現
面白い家が建てられそう!土地を購入する際、予算だけではなく様々な理由からあえて選ぶ人も多い「変形敷地」。建築家の上原さんは「せっかくの敷地をフル活用したいなら、建築家がプランニングするのがベター」と言います。自由度の高い設計で、納得の家づくりを。

どんな季節でも、雨の日でも。 閉塞感なく暮らせる、通り土間がある家
雪国と呼ばれる地域では、一年の中でも雪深い冬をどう過ごすかが重要だという。建築家の堀井博さんが新潟に建てた自邸は、雪国で生まれ育ったからこそといえる工夫がたくさんある。それだけではない。開放的な通り土間がある家は、毎日の暮らしを快適に過ごすためのヒントにあふれている。

出入り自由、誰もが使える通り土間。 美しい田園風景になじむ、切妻屋根の家
建築家の林田さんが自邸を建てるため選んだ土地は、一面に田んぼが広がる農村地帯にある。田んぼを眺めつつ生活できる平屋は、切妻屋根も美しくしっくりと風景になじんでいる。それだけではない。出入り自由、誰もが使えるパブリックスペースとして通り土間を設けるなど、本当の意味で地域に根付いているのだ。

《集合住宅の事例》2階がある!?一戸建て感覚の空間が楽しい!
マンションでは珍しい一戸建て感覚の間取りを、建築家・谷内田章夫さんは法規上の制約を逆手にとって実現。しかも、谷内田さんが手がける集合住宅はメンテナンスの手間やコストが最小限ですむという。住む人はもちろん、オーナーにも魅力的な空間の秘密とは?

アメリカ西海岸を彷彿とさせる、 爽やかな光と風を感じるモダニズム住宅
ミッドセンチュリー・スタイルのモダンな住まいを望んでいた施主さま夫妻。その思いに応えたのは、モダニズム建築に確かな知見をもつ『JWA建築・都市設計』の渡辺純さん。これ以上ないほど最高のキャスティングで、どんな住宅が誕生したのだろうか?

「都心の家」の複雑な課題を解きほぐす、マネジメント力の建築家
「都心の家」を得意とする建築家がいる。細江英俊(ほそえ・ひでとし)さん。世界遺産となった国立西洋美術館を設計したル・コルビュジエの愛弟子が設立した設計事務所で修行を積み、公共施設やオフィスの設計を多く手がけてきたベテランだ。その特徴は、「徹底的にクライアントに寄り添いつつ、複雑な法規制や条例を丁寧に解決していくマネジメント力」。その職人技を、ひもとこう。

薪ストーブの周りを部屋が囲む 家族がほどよくつながるスキップフロアの家
「薪ストーブのある暮らしがしたい」「地面に近い位置に書斎がほしい」という施主の要望を叶え、家族が程よい距離感で過ごせる家を作った荒谷省午建築研究所の荒谷さん。困難かと思われた2つの要望の両立を成立させたのは、家の中心に設置した薪ストーブをぐるりと取り囲むように、スキップフロアの部屋で取り囲むという、画期的アイデアでした。

自然に囲まれ、便利に暮らす!妥協できない矛盾に答えた素材使い
お互いの定年を数年後に控えた、Yさんご夫妻。「庭をつくり、緑あふれる生活がしたい」、「とは言っても、今の便利な住環境は気に入っている」、そんなふたりの希望を叶えるために、建築家・松本直子さんがつくりあげた家とは?


