
映画の家?3年間工事を止めて待った!
理想の家追求ストーリー
理想に近づいた、イメージを具現化したプレゼン!
あっという間に進んだ建築計画のなかには、自分の意見が全く反映されていない。そう感じたSさんは、自分が過ごす場所はもっと自分が理想とするかたちになるよう、じっくり検討したいと工事を止めてしまったのだった。理想を再現してくれる建築家を探したが、なかなか相性の良い建築家に行きあえない。会って話をしてみるものの、お断りをした建築家も何人かいた。工事をとめた現場は仮にも住める状態ではない。娘さんが使っている住まいに同居しながら3年間、建築家を探し続けた。
菅原さんに話があるまでには、そんな経緯があった。「困っている人がいるので、ちょっと会ってくれないかということで、お会いしたのがきっかけですね。是非、提案をしてくださいというので、2週間ほど時間をいただいてCGパースをつくりました」決まれば菅原さんにとっては独立して初めての仕事。Sさんの理想を聞き、空間をイメージしやすいCGパースを何枚もつくった。
実は、このCGパースこそ、Sさんが求めていたものだった。「自分の求めるイメージを理解して、それを具体化してくれる建築士を探していたそうなんです。自分で良いか悪いか判断したいから、手書きのスケッチでは不安だと。素材感まで分かるようなものを見て細かいところまでご自身で決めたかったとおっしゃっていました。CGをすごく気に入っていただいて、ご依頼いただきました」と菅原さん。
CGをつくるには細かな寸法も決める必要があるが、打ち合わせ段階では実際の仕様や寸法が決まっていない。そこで、空間としてのイメージを把握してもらうために、それらしいものを菅原さんの方で仮に決めてCGをつくり、それをもとにジャグジーの置き場所や洗面室の仕上げの素材などをひとつひとつ確認していった。
Sさんの感性ですべてを決めていけば、どうしても菅原さんの好みとは異なる部分もでてくる。そんな場合も決して「こうした方がいいのでは」と反論せずに、「ご希望通りにするとこうなります」というイメージ図をつくり、Sさんの判断をあおいだ。Sさん自身もなんとか自分の理想のイメージを伝えようと、参考になりそうな会員制のリゾートホテルを手配し、菅原さんに泊まってもらった。
その甲斐あって、新たな住まいは、Sさんにとってたいへん満足のいくものになった。「なかなかSさんが理想とする建築家に出会えず、長く放置されていた場所でしたから、やっと形になったと、たいへん喜んでいただきました」。
自らの提案もしながら、黒子に徹することができるのがプロ
「お客様も目上の方ですし、それなりの方なので、背負っているものからすると敵わないと思うことが多々あります。僕よりはるかに長い人生経験のなかで良いものを知っておられるわけですから。そういう意味では自分も良いものに接していないと良いものは提案できませんし、自分のなかにないものも受け入れていかないと、喜んでもらえるものはつくれないと思うんです」
菅原さんの発想にはなかった女性的なデザインや御影石を使った重厚なデザインなどをとりいれ、Sさんが教えてくれた良い空間を目指したS邸は良い経験にもなったという。「お客さんがやりたいものを100%引き出せる設計者でありたいと思っていますし、やっぱり、お客さんが喜んでくれたら嬉しいですよね」
基本データ
| 所在地 | 神奈川県 |
|---|---|
| 施主 | S邸 |
設計者情報
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