建物がひしめく地域に家を建てることにしたお施主さま。可能な限り広い家にするため、4階建てをご希望だった。建築家の小林さんは、LDKをあえて3階に置くことで高いプライバシー性と豊かな採光を両立。温かみが感じられる、光にあふれたLDKの秘密は4階建ての3階にも関わらず設けられた天窓にあった。
この建築家に2階サンルームは撮影後、窓に視線除けのフィルムを貼った。南側にあり、風も抜けるため居心地がいい
2階寝室。画像右、サンルームからの光を寝室まで届け、プライバシーを確保しつつ圧迫感を解消した。サンルームへは右の扉で行き来する。水回りや衣類収納も2階に集められ、洗濯に関する一切が2階で完結できる。「小さい敷地の場合は特に、上下の移動が大変ですので」と小林さん
3階ダイニング(中)、小上がり(奥)、キッチン(左)。右の開口はテラス。建物をずらしたおかげで、4階建ての3階部分にありながら天窓を設けることが可能に。テラスは南側だが接道側にあるため木製ルーバーを設けた。密集地でも外部の視線を気にすることなく豊かな採光を実現
3階LDKから奥の小上がりまでを見る。室内は木を基調に、赤さび色でアクセントをつけた。マホガニーを用いたヘリンボーンの床や、色ムラがあるタイルなど、温かみのある表情の素材が多く使われているのも印象的。鉄骨造の無骨さを排除した。リビング部分には床暖房を取り入れた
3階リビング。画像奥、テレビの上の格子内にエアコンがある。地中障害があり、基礎をつくるのに制限があったはずだがそれが全く感じられないのは、配線などがきれいに隠されている点も大きな理由だ。「屋上からの排水管なども含め、配線、配管は熟考しました」と小林さん
3階キッチン(左)ダイニング(右)ダイニング奥に小上がり。キッチンは収納豊富、また通路幅も広めに計画しており使いやすい。収納棚などの幅を合わせ、冷蔵庫がフラットに収まっているため全体的にすっきりした印象に
4階共用スペース。左の扉は階段室。右の扉を入ると子ども室1がある。屋上1は家の裏側にあるが、面積を大きく取っているため隣接する建物が迫っていても北からの安定した光が降り注ぐ。おかげで伸びやかな空間にふさわしい明るい空間に