
丹沢、富士山を望む!
土地の特長と恵みを生かし切る工夫とは!?
土地の特長を生かすパッシブデザインと空間づくり
都会暮らしではなく、自然を感じながら家族4人でノビノビ暮らすという真逆の生活を選択したのだ。新たに希望したエリアは、横浜より西側のJR沿線。ほどなく、鎌倉市内の大船駅から徒歩15分にある「山林付き造成地」を見つけた。これまで鎌倉に縁もゆかりもなかったご夫妻だが、緑豊かな自然環境を目の当たりにしてこの場所で暮らしたいという思いが募り、購入を決めた。
家を建てるにあたってご夫妻が最も大切にしたのは、土地の特徴を活かした住まいづくり。そのうえで、家族がより楽しく過ごせるよう、絆をより深められるよう工夫したいと考えた。
設計を担当したのは、東京・豪徳寺でHAN環境・建築設計事務所(以下:HAN)を主宰する建築家・松田毅紀さん、南澤圭祐さん、冨田亨祐さんの3人。ウェブや雑誌で紹介されていたHANさん設計のパッシブデザインの住まいをKさんが見て、そのコンセプトに関心を抱いたからだ。
HANのみなさんは、高台から丹沢山系から富士山までを一望できる絶好のロケーションをいかに家づくりに活かすかを考えた。ご家族の憩いの場として、2階に20畳のオープンなLDKを配置。周囲の住宅より高い位置にあるので、心地よい光と風をたっぷりと取り込むことができ、内側からは抜けのよい外景も楽しめる。また、2階スペースの南西から北側をグルリと取り囲むように回廊を取りつけた。リビングや小上がりの和室から気軽に屋外に出ることができ、ここから望む景色も素晴らしい。
加えて、Kさんのお気に入りが、屋上に設けたルーフテラス。天気のよい日には、西に富士山の絶景を望むことができる。LDKとほぼ同じ広さなので、お子様たちの遊び場としても活用。2階のLDKと階段でつながった「外のリビング」。Kさんご家族は、LDKの延長としてルーフテラスを楽しんでいる。
パッシブデザインの観点からいえば、回廊には、西日対策としての機能も備わっている。「簾をかけることで直射日光を遮断でき、特に夏はおすすめです」と松田さん。そのほか、季節によって角度の異なる日射しを計算したうえで適所に窓を配置し、採光、通風、排熱の効率化を図っている。自然の恵みを活かした仕組みを存分に取り入れているのは、南澤さんのプランニングならでは。自然の恵みといえば、建物と隣接する山林の緑をさりげなく室内に取り込むべく、階段に窓を配した。「ふと窓を目にした瞬間、深緑の木の葉が揺れていれば素敵だと思って」。
このように、土地の特長をとことん活かし完成させた、ライフスタイルを実現してくれる、この場所ならではの住まい。鎌倉という土地の風土も相まって、Kさん邸では、東京暮らしで見られなかった笑顔が今日もあふれている。
限られた空間にたっぷりの収納と自慢の本棚を確保
自身が読書家だけに蔵書も多く、造作してもらった本棚は3つ。「構造上くり抜いても問題ない壁の一部を本棚にするなど、いろいろと提案していただきました」。
また、2階の小上がり和室や1階の寝室の段差、あるいは階段の下などを巧みに利用して収納をつくった。洗面室は、ボウルを置くだけのシンプルな一枚板を張り、その下に収納ケースなどを置けるスペースを設けている。「いつでもすっきりと物を片付けられるので、急な来客があっても便利。助かります」とご夫妻は満足そうだ。
【南澤 圭祐さん コメント】
私たちは、クライアント様のあらゆる生活シーンを想像し、建築そのもののデザインやディテールを考えています。今回、Kさんご夫妻は家づくりにおける疑問や提案などを積極的に投げかけてくださったので、収納ひとつを造作するにしても、いろいろな角度からアイデアを出し、さまざまな提案をさせていただくことができたと思います。
【夫婦+子ども2人】
HANさんは、何を説明するにしても、私たち夫婦がしっかりと理解するまで丁寧に話してくれました。例えば、外壁に貼ったスギ板を塗装したときなどは、実際に塗りサンプルを見せてもらいながらカラーを決定しました。おかげで認識のずれが生じるようなこともまったくなく、安心して最後までお任せできたと思います。
基本データ
| 所在地 | 神奈川県 |
|---|---|
| 家族構成 | 夫婦 |
| 施主 | K邸 |
設計者情報
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