
土間やテラス、自然と徹底調和。
客も長居する居心地作りに納得!
和の伝統を現代風にアレンジした「土間+リビング」
設計を担当したのは、東京・世田谷区豪徳寺でHAN環境・建築設計事務所(以下:HAN)を主宰する建築家松田毅紀さん、南澤圭祐さん、冨田享祐さん。「自然と調和した住まいの設計が得意と聞きました。過去の施工例を見て、ぜひお願いしたいと依頼しました」。
“自然との調和”というキーワードのほかにも、ご夫妻のこだわりは多数あった。「外観から想像つかない遊び心のある居住空間」「家族で料理を楽しめるキッチン」「ゲストにも寛いでもらえるスペース」「たくさんの収納」そのイメージ についてはあえて詳細を伝えず、南澤さんのオリジナリティに期待した。
提案されたプランは、スキップフロアの木造2階建て住宅。建物の高さをできるだけ抑えて、周囲の自然環境に配慮。南下りの片流れ屋根に、奥行きの深い庇(ひさし)を取りつけるというシンプルな構成にした。
完成した住まいは、和の伝統を現代風にアレンジした居住空間が目を引く。まず、1階面積の半分以上を占める土間スペース。ここにキッチン、ダイニング、パントリー、ワークコーナー、薪ストーブコーナーを設けた。気軽に出入りできる勝手口、大きなな木製サッシも設置し、「家の内と外を緩やかにつなぐ」土間の伝統的な機能性を強めている。
リビングは土間の隣、1段上がった場所に設置。「土間との段差は、人が腰掛けるのにちょうどよい高さ。思わず座りたくなります」とMさん。上部を吹き抜けにして、南側のサッシから清々しい光と風を室内の隅々にまで採り込めるように計画している。床に敷いたナラ無垢の美しい木目、サッシ越しに望む森林公園の緑豊かな景色も心地よく、まさに家族が自然と集まる憩いの場だ。「長居されるゲストも多い」と微笑むとおり、ご夫妻お気に入りの空間となっている。
また、土間とリビングの境にアイランド型キッチンを設置。家族で料理を気軽に楽しめる導線を意識した。さらに「収納を多くとりたい」という希望は、スキップフロアを利用することで実現。たとえば1階と2階の中間層に洗面室、浴室などを設け、その下部を床下収納に、上部を小屋裏収納にするといった具合だ。
自然エネルギーの有効活用も忘れていない。夏の熱気や冬の冷気を室内に侵入させにくい断熱材、蓄熱式床暖房を採用するなどディテールに配慮。省エネですごしやすいパッシブデザインの住まいに仕上がった。
その後、Mさん邸は「第2回 埼玉県環境住宅賞(2014年)」で最優秀賞を受賞。フランス版の「homify」でも紹介された。秀逸なプランニングが高く評価された何よりの証拠だろう。
絶妙な「中間領域」を設け、室内と屋外を一体化
縁側は、上部にかかる庇を、季節で変わる太陽の角度まで徹底的に考慮して絶妙なサイズに。そうすることで、夏、日陰のある縁側で気軽に寛げるように。インナーテラスは、爽やかな朝日を室内の奥まで採り込むほか、窓から効率よく空気を採り込むほか、窓から効率よく空気を採り込み排熱する役割を果たす。
このように、季節ごとにさまざまな使い方ができる「中間領域」によって、「住まい方や生活の楽しみ」を増幅させてくれるわけだ
【南澤 圭祐さん コメント】
周囲の自然環境を上手に取り入れ、いかに快適に過ごせる住まいにするか、いかに省エネな住まいにするか努めました。Mさんご夫妻の様々なご希望と、私の提案をうまくアレンジして、最終的に素晴らしい家に仕上げることができたと思います。
【夫婦+子ども1人】
南澤さんは、私たちの要望を一つひとつ丁寧に来てくださり、一方でご自身の意見もハッキリと伝えてくださったので、とても理科しやすかったですね。提案に関しては、とにかく“引き出し”の多さに驚きました。とても楽しい家づくりでした。
基本データ
| 所在地 | 埼玉県 |
|---|---|
| 家族構成 | 夫婦 |
| 施主 | M邸 |
設計者情報
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