
木道の家
設計者情報
鎌倉の風情が残る御成小学校近くに位置する住宅。北側に石積みの傾斜地を背負い殆ど平坦地のない変形敷地での計画。 少ない平坦地から傾斜地にRC造の橋を架ける形とすることで、造成なしで既存傾斜地の補強と風情を残すことに成功しています。 外壁焼杉板貼は既存樹木とのコントラストが美しく、既存樹木の間を通り抜けるアプローチの木道と悪条件が豊かさをたたえた魅力に変換しています。内部は垂木を表し力学的秩序の美しい架構表現を中心に、縦格子、チークフローリング、スケルトン階段、シンプルなデザイン、心地良い木質感としています。
間取り図
基本データ
- 施主
- M邸
- 所在地
- 神奈川県鎌倉市
- 敷地面積
- 274.93㎡
- 延床面積
- 128.24㎡
- 予算
- 4000万円台
設計者情報
この建築家が建てた家
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<3つのテラスを持つ住宅> 敷地は、南面に接道を持つ南北に長い陽当たり良好な平坦地です。 プライバシーを確保しながら(やや離れた西側近隣のマンションからの視線を避け)、 外部を感じることができるテラスのある暮らしを実現することが1つのテーマとなりました。 第1のテラス 3階建ての建築全体ヴォリューム調整のなか、ダイニングとリビングは2F東側の外部空間を介して広がり・ つながりを持たせ、南東の日照を心地よく確保出来る中央テラスを計画します。 第2のテラス 居室へのプライバシーと日射の影響を考慮し、西面は壁面の多い構成としながら、微風でも自然通風を得やすい大きな開口部を壁面中央に穿つことに。この2層に渡る凹みを第2の多目的テラスとし、通風(ウインドキャッチ)・眺望・中央テラスへの明るさなどを確保します。 第3のテラス 最上階には、眺望の良い南東に第3のテラスを配置します。 テラス際の居室で朝陽を気持よく感じられること、下階の中央テラスへの日照配慮などから建築ヴォリュームを定めます。 そのほか、リニアな内部階段動線に沿った収納効率の良いストレージを各階に配置すること。 愛犬への動線・換気の配慮。空気環境としては各室・階段を個々に区分け可能とすること。クライアントお好みのインテリアテイストを建築に盛込み、また建築全体の外観イメージとしても、シンプルな素材選定としながら近隣建物とは異なる存在感を与えること・・等々スタディを行ないました。 そして意匠・構造・設備、機能とコストを総合的に整理した結果、低層部には梁型を室内に見せないRC造、上層2層は断熱・気密を意識した木造というフレーム構成としています。 外観上は大きく開放的な窓を多く設けずプライバシーを確保し、性格の異なる3つのテラス、中央の内部階段などを介して(大きな吹抜けを空間を持たずとも)住宅の内外に開放感と奥行き感、外部の自然光や風の変化を提供したい・・ 建築全体としてフロア構成を複雑にしないまま、緩やかに人の気配を感じられる、立体的な程良い距離感を備えた住宅となることを「尾張の住宅」では考えました。

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70㎡というコンパクトな敷地の中で面積を確保するために、平面は敷地をオフセットさせた形をベースとした。北東と北西の隣地境界線側には北側斜線の制約がある。まずは斜線制限ギリギリの断面形を立ち上げた。そして必要と思われる高さとなったところで、南東道路に直行する棟を設けた。棟からは屋根下の空間に適切と思われた緩急二種類の勾配で折り返すこととした。結果として人通りの多い南東道路に対して、切妻の家形の構えをとる少しだけ屋根が複雑な、3階建ての外形が出来上がった。 室内は閉じることが必要とされた部屋以外を全て繋がった空間とすることで、建主が求める「おおらかさ」に答えようとした。3層を貫く螺旋階段を含んだ吹き抜けを設け3つの階を結びつけた。その上でそれぞれの階の様相の違いにより、縦につながるワンルーム空間に様々な生活の場を作りだすことを考えた。 1階は南東道路側に駐車スペースを設け、残りを室内とした。室内は、水廻り以外を4本の柱が立つワンルーム空間として作った。柱間には建具の脱着を想定したレールなどを装備し、建具の付け外しでワンルーム空間から、四つの分節した空間(三つの子供室+玄関ホール)に様変わりできる可変的な空間として作られている。 2階は南東の道路から見て奥となる北西側をダイニングキッチンとして、表となる南東側は切妻の屋根形状に沿った二層吹き抜けのリビングとした。南東道路に面したバルコニーもリビングと同じような屋根形状に沿った二層吹き抜け空間としている。 3階は閉じた主寝室の前に小さなホールを設け、建主のリモートワークスペースとした。リビングからのある程度の距離感を求められたので、吹き抜けに対しては一旦壁で仕切り、小窓で繋がる空間とした バルコニーの軒天井は構造材と野地板をあらわしとした。勾配が急な棟の北東側では、梁は構造上は斜めの柱として扱われ(60度を超えると柱扱い可)、やや勾配が緩い南西側ではリビング側からの持ち出しの梁として扱われる。その扱いの違いが軒天井にあらわれている。 バルコニーは北東の隣地側には壁で閉じ、隅切りと南東道路側に対しては一旦開いた構えとした。その上で金属でフレームを作り、1.1mまでをルーバーで覆った。さらにその上に簾が取りつけられるような金物を設け、簾の開閉で外部からの視線の侵入量の調整を可能にした。 準防火地域内の木造3階建ては多くの場合、準耐火建築物として構造体を石膏ボードで包む必要がある。そのため予算の制約がある住宅の場合は、ビニルクロスの白い壁と天井という単調な仕上げとならざるを得ないことが多い。 この住宅では外壁の開口部制限をすることなどで、準耐火建築物とすることを避けて法に適合させることができた※。 その結果1階の独立柱や、1・2階の梁などを石膏ボードの被覆無しとすることが可能となった。また外壁を構成しない壁については仕上げの制約がなくなりラワン合板を直接貼ることが可能となった。その結果ひとつながりの空間の中で様々な異なる生活の場を作るということを、仕上げの扱いでも補強することができた。 またこの内装材などの扱いは、素材感を活かした家づくりを望まれた建主の気持ちに答えようとした結果でもある。 ※建築基準法施行令第136条の2に規定されている「3階建て建築物の技術的基準」












