
延岡の家
設計者情報
宮崎県延岡市に建つこの住まいは愛宕山から日向灘へと連なる山裾に位置している。比較的穏やかな土地ではあるが、この地形により時おり強風が吹くことがあるため、できるだけ風の影響を受けないよう軒やケラバの出を抑えた建物とすることをイメージしながら計画することとした。 今回の計画は施主である老夫婦の生前から建つ旧宅が老朽化により安全性が確保できなくなったことによる建て替えである。施主の要望としてはまず一番に「地震」や「強風」といった自然災害に強い家であること、そして今後さらに歳を重ねるため上下の移動の無い平屋とすること、先代からの土地であるため日当たりの良い仏間にしたいということ、帰省してくる孫のために大きな庇のあるウッドデッキを作りたいということであった。 まず計画を始めた段階で敷地がとても広く複雑な形状をしていたため、建物の形状・配置をどのようにすべき思考錯誤することとなった。最終的に南側に道路を挟んで小学校があることを活かし南側に多くの居室が面する計画とした。また敷地南側には将来的に植栽と遊び場が作れるよう程よい大きさの庭を設け、北側の広い空地には家庭菜園や物干場、今後自由に活用できる広場となっている。 またこの住まいの大きな特徴として、南に大きく張り出した軒庇がある。この軒庇は季節ごとの日射を調整し、屋内においては心地よい日差しとなり、ウッドデッキにおいては開放的な半屋外空間となっている。ただし軒を深く出すことで室内奥まで光を届けることができないのでそれをカバーするためにトップライトを設け、室内全体に一日中穏やかな光で満たされるよう配慮している。 仏間においては旧宅で大切に使われていた床柱や地板、床框を再利用し、新宅でありながら面影が残るしつらえとしている。 また仏間は通常リビングとひとつながりで利用しながら、お子様家族が帰省した時には客間として、法事などで人が集まる場合には仏間単体として利用できるよう建具で仕切れるようになっており、仕切った際に圧迫感がないようランマは透明ガラスにし広がりが感じられるようになっている。 ご夫婦が老後を過ごすうえで、シンプルで心地よい住まいになったのではないかと思う。
基本データ
- 作品名
- 延岡の家
- 所在地
- 宮崎県延岡市
- 家族構成
- 夫婦
- 敷地面積
- 376.89㎡
- 延床面積
- 99.44㎡
設計者情報
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