
志免町の家
設計者情報
九州産の杉構造材を宮大工による現場手刻み加工で建てた、プリミティブな2階建ての住宅です。柱や梁などの構造材だけでなく、床やデッキ材にも厚み40ミリの九州産杉材を使い、内外装は漆喰壁、浴室は人造石研ぎ出し仕上を採用するなど、敢えて、素材の経年変化を家族の成長とともに愉しめるよう拘った。
基本データ
- 所在地
- 福岡県糟屋郡
- 延床面積
- 115.10㎡
撮影:Shinji Yoshida
設計者情報
この建築家が建てた家
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HOUSE-KT
HOUSE-KT(加藤小屋)は〝低予算〟で〝居住期間限定〟の〝仮住まいの自邸〟を設計するプロジェクトである。 将来、妻の実家の敷地に住まうことは確定しているものの、まだ新居を建てる状況ではない。それならば、敷地の一角に必要最低限の予算で、子供が大きくなる迄の一定期間を過ごす為の仮住まいを建築し、居住期間終了後は、他用途(設計事務所・ピアノ教室・ヨガ教室・店舗等)として転用してみてはどうか。と考えはじめたことがプロジェクト発足のきっかけであった。 多くの調整事項や検討事項ある中で3つのコンセプトを念頭に置いて設計を行った。 1.必要最低限を再試行する 振り切った予算の中で、1家族が生活をする必要最低限の面積、ヴォリューム、機能は、一体何なのか。当たり前を疑いながら再試行していく必要があると考えた。寝室でも廊下でも玄関でも1から考え直してみることによって最少最適寸法が見つかるかもしれない。 我が家は、夫婦+男児2人という4人家族だが、結果として約9坪の平屋というかたちに納まった。必要最低限の玄関・LDK・寝室・水回り・ワークスペースというシンプルな構成だ。多くの可動棚を設け、ある程度の収納量は、確保したが、それでもやはり不足していると考え、隣接している妻の実家や祖母の家に季節ものや使用頻度が低いもの、私の仕事の資料等を間借りして収納している。〝仮住まい〟しながら〝借住まい〟している感覚だ。 2.〝ダサかっこいい〟魅せ方 予算からみて、高級材料や設備を使用することは到底できない。安価な材料や設備等をどのように魅せるかが重要になる。そこでテーマとしたのは〝ダサかっこいい〟だ。チープだが良いデザイン・チープだからこそかっこいいもの。世の中には多く存在する。造り方や素材選び、設備選びを工夫し〝ダサかっこいい〟の集合体を〝かっこいい〟と魅せれるよう思案した。 内装は、床、壁、天井、棚、キッチンカウンター等、全て構造用合板とした。これまで設計した住宅でも使用してきたが、木目の強さや色味等の要素が多い為か、何を置いても何となく絵になり、生活感が出ることや部屋が乱雑になっても、あまり気にならない。外装は、ガルバリウム鋼板のGL生地とした。多少安価になることと〝経年変化により酸化し色がくすんでいく鉄板〟という特徴が面白いと思い、採用を決定した。 3.可変性のある構成 限られたスペースの中で何かを固定すれば固定する程、窮屈なる。絶対的に固定しなければならないものは何なのか、また、移動可能なものは何なのか。既成概念を疑いながら、それらの振り分けをしていく必要があると考えた。テレビもクローゼットも寝室も場所を予め決定しなくてもよいかもしれない。 可変性については、建物自体のテーマでもあった。居住期間限定の住宅の為、期間終了後、他用途(設計事務所・ピアノ教室・ヨガ教室・店舗等)に転用できるよう、可変性に富んだ構成にする必要がある。少し手を加えれば建物の用途が変わる。そんな建築を目指した。 固定されているものと言えば水回りくらいだろうか。寝室として小部屋を設けたが、ガランドウの部屋なので他の用途に転用可能だ。LDKには可動棚を多く設け、収納等に利用している。それら可動させることによりレイアウトの変更が可能だ。現在は、クローゼットや子供の机も可動棚を転用している。 〝絶対決めなければいけないこと以外は決定しない〟という簡易な実験も試みた。全て構造用合板の為、様々なものが後付けで設置可能だ。居住後に「ここに何かほしい」と思えばフックや棚等を取り付けていき、カスタマイズしながら生活をしている。 基本的に仮住まい終了後は、N.A.Oの事務所として転用することを考えているのだが、それ以外の用途にも転用が可能なよう、構造を全て外壁側で成り立たせ、内部には柱を建てない構成とした。内壁は全て取り壊しても構造上支障がないため、大幅なレイアウトの変更が可能である。

熱海の塔状住居
[地形と構法から形を生み出す] 熱海の急傾斜地に計画されたこの住宅では、海へと広がる雄大なビューを最大限に獲得するため、クライアントからはリビングルームを4階レベルに設け、各室を下層階に配すること求められた。海から吹く風が強く、風による振動を防ぐためにRC造を採用することとしたが、必要な室ヴォリュームと求められた高さを確保するには、塔状の形状と最上階に大きなヴォリュームが必要であった。急傾斜地の敷地でのRC造の施工を考えると、最上階がキャンチレバーとして張り出す建物の形状は無理がある。支保工を建てることができないためである。そこで、求められた各階のヴォリュームをずらしながら積んでいくことで、一層下の階が支保工の土台となり、求められたヴォリュームと高さを確保することができた。ずらすことで生まれた空隙には、テラスや将来増築が可能なスペースを設けた。

ヒュッテ閑馬

大きな桜の家
敷地は三鷹市井の頭。井の頭公園につながる閑静な住宅街にある。 はじめて現地を訪れた時、敷地の4分の1を覆うほどの樹齢90年を越す桜の大木の迫力に圧倒された。先代から受け継がれた庭には、シイ、エノキ、モミジ、タイサンボクなど多くの木々があり、その様は野趣に富んでいた。建主は、その環境を壊すことなく木立に埋もれるような住まいと小さな離れを望まれた。 まず住まい(母屋)について。庭の樹木を残すため、既存家屋の建っていた位置と同じく西側道路に寄せて南北に長く据えることにした。南と北に棟を2つ配し、その二つを階段ホールでつないだ。 北棟はパブリック棟。玄関、居間食堂厨房、来客用の和室を。南棟はプライベート棟で、主寝室と書斎、個室を設けた。各部屋を桜に向けて配し、恵まれた景色を美しく切り取れるよう木製建具や欄間を設えたほか、デッキ、バルコニーなどによって庭とのつながりを深める工夫を施した。 一方の離れは、北東の桜の下に配置。渡り廊下で母屋とつないだ。 この小さな建物は、学者であり多趣味なご主人の愉しみの場。蔵書量を考えるとある程度大きな面積が必要だったが、老木の根を傷めないために基礎は最小限の範囲(4帖半)にとどめ、深基礎の深さを利用して半地下の書庫を設けた。地上部分の床は一部跳ね出して6帖を確保した。豊かな樹木が間近に感じられ、大きくのばした庇の下のデッキも内外をつなぐ役割を担っている。桜の下を巡る渡り廊下には藤棚を設け、ご主人のお母様が大切にされていたという古いフジを移植した。今では葉が青々と茂り、道行く人の目にも優しい目隠しになっている。

House NegishiPark

大黒町通の家
敷地は京都市内、景観条例による「旧市街地型美観地区」に定められた区域で、道は細く路地がいたる所に張り巡らされた街並みに位置しています。 元々町家であった住まいの建て替えであったため、京町家の特徴である「土間・通り庭・天窓・奥庭」という4つの要素を新たな形で取り入れることを考え、近隣の方との交流の場と駐車場を兼ねた屋外土間、玄関引戸を開けると通り庭のように奥庭へと抜ける視線、吹抜け越しに光が降り注ぐ天窓を設けることとしました。外観については古くからの町家をイメージし、連続したまとまりある美しさを求めました。 この住まいはお子さん達が巣立ったご夫婦二人の住まいであり、今後豊かで落ち着きのある生活が送れるようゆとりあるプランを意識しました。敷地は東西に細長く東に道路、西に寺院の庭を望むことができたため、1階西側に大きく吹抜けたダイニングキッチン、仏間を兼ねたリビングを設け、2階は寝室などプライベート空間を設けています。 2階の天井は木組みになっておりその一角に設けた天窓は太陽の動きとともに多様な光と影を作り出し、荒く塗られた漆喰壁とともに思いもよらない景色を作り出してくれることを期待しています。このように吹抜けや様々な要素、素材が絡み合うことで見た目にも感覚的にも変化のある魅力的な空間になっています。 また西側の奥庭に建て替え前の中庭で使われていた灯籠や手水鉢、飛び石を再利用し、受け継がれてきた時間を感じられるものとしました。

光階段の3層住宅
市街地に立つ木造3階建ての新築計画で施主は夫婦と小さな子供1人の核家族。 敷地は、中高層のエリアで周囲には2階建てから3階建ての戸建てやマンションが林立している。比較的密集して建物が建っているエリアなので敷地も3階建てを前提とした分筆敷地だ。3階建ての住宅を考える時、前面の道路に対してバルコニーをつくり階をつみ重ねていくケースが、近年の戸建て分譲でも多く、今回の敷地でも隣り合う敷地には、同様のバルコニー付きファサードを持った3階建ての住宅が並んでいた。南側の隣地は古い2階建てだったが、恐らく建て替わることを考えると、同じようにバルコニーが付いた3階建てになることが予想された。 本敷地は、前面道路は広いが、車の往来が多い幹線となるバス通りで、環境は良いとは言えない状態だった。一方で、敷地の大きな道路の反対側にも小さな袋小路状の小道があり、敷地の東西に2面接道した抜けがあることが特徴で、光の環境もこの抜けた環境を生かすことで住宅の環境が良くなると考えた。 光が抜けるリビング 階段を真ん中に配置する。 内部の空間を広くとるために、真っすぐな階段を長手方向にとる階段をやめて、中央に配置した。階段室は、壁が多く採光の弊害となることが多いが、ここでは、可能な限り薄く華奢なイメージの階段を鉄骨でつくることで、その上部に設けた開口部からの光を、光量が少なくなる家の中央に落すことを意図している。階段室につきものの耐力壁は、スチールのブレースによって、壁倍率を損なうことなく採光できる階段となった。中央にある階段が抜けていることで、居住空間も広く明るさを確保できる。水回りやバルコニーは1Fと3Fに割振り、2階は開放的な明るい空間としている。 なお、外壁は前面道路がバス通りということもあり、排気ガスによる汚れを考慮して、経年変化があっても色合いや雰囲気が気にならない素材を採用している。断熱は外皮の熱損失を考慮して、ガス入りのペアガラスや高性能な断熱を採用。空調は第一種換気の機械換気を利用し、熱損失を少なくし認定低炭素住を取得している。 3階建ては上階が暑く、下階が涼しくなるが3階の小屋裏部分に空気の循環器を設置し、熱気を基礎内にダクトで戻すことで、効率よい空調を実現している。夏は涼しく、冬は暖かい。明るく風が抜ける。基本的なことばかりだが、小さな積み重ねで快適な3階建て住宅をつくることを考えた。

通り土間のいえ

浜田山の家
敷地は閑静な住宅地に位置している。 生活のステージごとに様々使い方が出来るように平面は間仕切りを作り込まず、シンプルな構成とした。 1階には子供スペースと主寝室、水廻りを配置している。2階はキッチンからダイニング・リビングへと続く一続きの大空間としている。 リビング上部は吹抜とし、さらに開放感をもたらしている。構造体にSE構法を採用し、その特徴がよく表れている住宅となっている。 また、外部サッシには全て発熱ガラスを採用し、冬期の温熱環境も考慮にしている。 さらに2階デッキにはファイバーグレーチングも採用し、1階への採光も考慮している。










