
重ね書きの家
設計者情報
団地の1住戸のリノベーション。 新築でもリノベーションでも、設計に先んじて既に何らかの環境がある。新築の場合、例えば地形や敷地の周りの環境がそうであるし、集合住宅のリノベーションの場合では、既存の躯体やサッシ、共用縦配管などの、一般的には変更が制限される部分もそうだといえる。設計に際しては、そういった既にある環境を、そこに装飾的な意味を求めることなく、前提としてただ即物的に受け入れる態度でありたい。 この物件は、壁式プレキャスト鉄筋コンクリート構造による、階段室型の中層公団住宅である。壁式のため、住戸内に柱型・梁型が無い代わりに、2枚のPC版の壁が空間を3つのボリュームに分節している。そして、その壁には開口が開いている。開口の位置も大きさも、元の間取りの都合に沿って決められたものだ。元の間取りが解体され、それらはそういうものとしてただそこにある。それを手がかりとして、この場所での生活が、この2枚の壁をくぐってあちらとこちらを行き来する軌跡であると位置づけた。 2枚の壁に直行するように、家具や水廻りを内包した箱を並べて、3つのボリュームの中にいくつかの場所をつくる。家具は天井まで達しない高さにして、空間がそれらに強く分節されることなく、一つながりの状態であるようにした。ペリメーターとなる南北の壁については、改変した空間のボリュームや質に合わせて、開口部を内側から編集し直すとともに、熱環境に対する備えを附与する。具体的には、木製建具による二重サッシ化や断熱材の付加などである。また、3つのボリュームの壁・天井は、それぞれの空間が影響を受ける、光の性格に基づいて決定した各々の色で塗装する。壁をくぐって空間を行き来する度に、少しだけ増幅された光の差異が、相対的に体験されるよう意図した。 既にある強い形式を拠り所に、棲みつくように描かれる行為の軌跡や知覚される光の差異。既存環境に身体的・現象的な体験を乗算することで、新たな生活の全体像が浮かびあがってくるような、そんな「重ね書き」のような改修のあり方を目指した。
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この建築家が建てた家
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古民家リノベーション隠れ家的BARの建築
【古民家をフルリノベーションして、和調の落ち着いた雰囲気のバー】 新たにお店をオープンしたいとのご要望で、古民家探しからスタートしました。 この建物は築60年以上の元は呉服屋さんだったそうです。 外観はそのままで耐震診断を行い、スケルトン状態にしての耐震補強を行いフルリノベーションで 1階は貸店舗用に2階を隠れ家的なBarに変身させました。 元々はご兄妹のお家探しやご実家の改装工事も、お手伝いしていましたので信頼関係がありスムーズにリノベーションを行うことができました。

森美術館
デザイナーのアトリエ兼プライベート美術館。山を背にして前方に川が流れ、周囲には田畑と農家が点在する素朴で生活感のある風景の中にこの建築はある。 「世界でもっとも美しい家」をつくって欲しいという依頼の言葉。アーチストの創作と思索の場をつくるために、風船を最大限膨らませたような、できるだけ大きな空間を用意した。 空間の大きさ、形、そこに注ぐ光、素材。そうした基本的な部分を慎重に計画し、すぐ近くに住む大工と左官が、地域で入手しやすい材料を使って作った建築。伝統的な工法を使ってはいるが、しかしこの建築は決して過去に戻ろうとしているのではない。 (撮影:中里 和人)

Wear the Air
築19年のマンションリノベーション。 お客様は、美容コンサルタントをしており、ご夫婦とワンちゃんの住まいをデザインしました。 日当たり、風通しが良く、ご夫婦とワンチャンの動線を考え、 まるで大きなワンルームのようにな回遊性のある間取りとしました。 ワンちゃんが歩行しやすい床材や、壁と天井は揮発性物質ゼロの仕上げ材を使用し、 新築独特の匂いはなく、その場所の空気が空間を纏っているかのようなナチュラルな空間になりました。

grand-ma
一坪にも満たない、小さな部屋の増築。 既存の家には夫婦とふたりの子ども、妻側の母の5人が暮らしていた。 他県で一人暮らしをする祖母が、視力の低下によって生活が不自由になったため、家族は祖母を迎えて6人で暮らすことにした。 祖母が使う寝室は現況で六畳。 機能的には事足りる大きさだが、要望は「祖母を部屋のなかに閉じ込めた状態にせず、かといって、常に家族と一緒の空間で過ごし気を使う状態にもならないために寝室を少し大きくしたい。」であった。 家族や祖母との会話や祖母実家の様子から、視力の影響からひとつの場所で座って過ごす時間が多いこと、空間の光は均質な明暗のコントラストが弱い状態が好ましいこと、趣味の庭いじり、飾られた小物、旅行に持っていく亡き夫(祖父)の写真、友人のように仲の良い家族との関係性など、様々な生活の様子を想像した。 ひとりの体に合わせてシルエットを決める仕立て服のように、想像した生活の様子を具現化した祖母のための形・空間のあり方を模索した。 長方形平面の増築部を既存に対して30°回転させ、増築部北側に外への動線、南側に居場所スペースの合理的な確保と着座時に祖母の体が外部を挟んでリビングと正対する家族との緩やかな関係性を持たせた。 出窓を床からの高さ40cmで居場所を囲むようにL型に設け、容易に手の届く範囲にできるだけ多くの必要品や実家の小物、写真を置けるようにし、庭地面方向への視界も確保した。 屋根は北と南で二段に分け、南側屋根の北辺を既存外壁から1mオフセットさせ既存との隙間を設け、既存で北側採光が望めない状況下で、南面からの自然光が白い既存外壁面に当たった反射光を取り込み光の均質化を試みた。 平面の30°回転は反射光を増築内に取り込むためでもある。 増築の形を決め、最後に増築と既存テラスの間をつなぐブリッジを架けて、既存→庭→増築→既存とつながる回遊動線を計画した。 ブリッジ横の既存小窓から手を差し伸べれば届きそうな距離に増築はある。 庭で遊んでいた子はテラスからブリッジを渡り祖母の横を駆け抜けていく。 出窓には思い出の品が並び、リビングに目を向けると家族が手を振っている。 動き回らなくても多くの物事との関係性が生活を彩る様子を想像し、ひとりのための小さくて多彩な居場所を目指した。

京町家のリノベーション
計画地は、伝統的な景観が残り、道路から路地を介して クラスター状に様々な町家が連なる地域になります。 昔ながらの町家が連なる景観が、道路〜路地〜母屋〜離れへ連続していくよう、 それぞれの外観には格子戸を採用しました。 施設内は、寝室だけでなく和室空間も採用し、長い時間の積み重ねにより生まれた空間を ゆったりと感じ取れるように計画しました。

百合ヶ丘の改修

大倉山のマンションリノベーション

浦賀の住宅
京急線の終着駅にあり、古くから港町として発展してきた浦賀の街にある、中古マンションリノベーションの計画です。 壁式コンクリート造の建物では、住空間の中にコンクリートの壁や梁が横断し、間取りの変更に大きな制約となります。この硬く重いコンクリートの存在を否定することなく、地形として活かすことで最小限の操作で住空間を構成していくことを考えました。 大まかな間取りをコンクリート壁に委ね、不足分を補うように梁下に高さを抑えたシナ合板の家具を配置しました。家具は梁と無関係に配置すれば空間を分ける「仕切り」となり、梁に沿って配置すれば空間を分断する「間仕切り」となります。 その結果、耐力壁のない側はゆるやかに仕切られた大きなワンルーム空間となり、風と光が住戸の奥まで届くようになりました。一方で耐力壁で仕切られた側は自然と個室に分断されるため、水周りや寝室などの機能を配置しています。ワンルーム空間は冗長的にならないよう、床段差や造作家具、袖壁などで変化を与えています。 デスク付きのWICやインナーバルコニーと玄関には、居場所を想起させるものとして造作ベンチを置き、50㎡の住空間を全体的に使える状態をつくりました。 硬い地形に対し、柔らかい家具を挿入することで多様な性格の場を散りばめ、新たな地形をつくっています。その新しい地形を読み解きながら生活が行われる、環境のような住空間を目指しました。

RENOVATION FOR GREEN
東京都板橋区にある築40年を超えた団地の1住戸の改装



