
憧れのオーダーメイド輸入住宅が
「三方良し」の分離発注でリーズナブルに
建築とインテリアが見事にマッチ
エレガントな
このN邸を設計したのは、輸入住宅のパイオニアとして、長いキャリアと確かな実績をもつ、K2一級建築士事務所の小西さん。
実は施主のN様ご夫妻は、建築関係の会社を経営されるN様と、インテリアコーディネーターの奥様という、建物の内外装などに確かな審美眼をもつお2人。そのお2人が自邸の建築に、小西さんを選んだということは、小西さんの実力は推して知るべしといったところだろう。
玄関の扉を開くと、そこは吹き抜けとなった開放的なエントランスホール。奥様がコーディネートされた小物で彩られ、訪れた人の眼を楽しませてくれる。3階まで続くアメリカから輸入したロートアイアン製の階段には、光が降り注ぐ天へと昇っていくかのよう。
すぐ左の部屋は、この家の特徴の1つともいえる奥様の趣味室。フランスの伝統工芸カルトナージュの教室としても活用しているという。輸入物の照明、飾り暖炉、数々のインテリアで彩られた部屋での創作活動は、生徒さん達をヨーロッパのお城に招かれたかのような気持ちにさせてくれるに違いない。
27畳もの広さのあるLDKもまた、ラグジュアリーな空間だ。吹抜を取り入れた開放的な空間には、数多くの窓から光が降り注ぐ。壁紙を単一とせず、ウォールパネルを模したアクセントをつけ、部分的に模様を変えるなど、上質さが演出されている。この建物の上質さに拍車をかけているのが、Nさんご夫妻が選んだ、ダイニングテーブル、ペンダントライト、ソファーといったインテリアの数々。この家の優美さは、小西さんの建物と、Nさんご夫妻のインテリアが見事に融合した結果の現れといってもいいだろう。
高気密・高断熱で快適な暮らしを実現
グリーン・エコハウス
この家に取り入れられたのは、小西さんが積極的に取り扱っているグリーン・エコハウスという概念。住宅を高気密・高断熱とし、自然エネルギーを上手に活用することで、邸内の温度を一定に保ち、年中快適な温度帯で生活できるようにするとともに、冷暖房コストを下げるというもの。そうすることで、エネルギー消費を抑え、温暖化防止への貢献など、地球環境保護への取り組みにもなるというものだ。
こうした省エネ住宅の基準としては、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)が有名だが、グリーン・エコハウスは屋外にどのくらいの熱が移動するかの指標の1つであるUA値において、ZEH基準の0.6を上回る0.38という高性能を誇っている。
N邸では、高性能のタブル断熱さらには基礎部分にまで断熱を施し、窓は樹脂製フレームのトリプル断熱サッシを採用。家全体をまるごと断熱材で包んだようなイメージだ。さらに、熱回収率90%という日本製熱交換換気システムを採用。また、天井裏に仕込んだ家庭用エアコンの冷気・暖気をダクトを通じて全ての部屋へ運ぶという全館空調となっている。
これにより、家中どこにいても温度がほぼ同一となり、陽当りの悪い部屋やお風呂場が寒いといったことがなくなる。また、部屋ごとに空調するよりも経済的だ。この性能にN様ご夫妻も大変満足され「全館空調が快適であるとともに、光熱費も以前の家と比べて安くなった」とコメントを寄せてくれた。
快適性とともに、忘れてはならないのが安全性。地震大国日本では、地震に対する備えも大切だ。N邸はもともと、在来工法よりも地震に強いといわれている2×4(ツーバイフォー)工法によって建てられているが、小西さんはさらに安全性を高める工夫を凝らした。
それが、摩擦の力によって、地震の揺れを軽減させる減振装置UFO-Eという部材の使用。UFO-Eは、基礎と建物の間に挟み込む金属のパッキンで、地震の揺れが発生すると、そのパッキンが横滑りし摩擦抵抗が発生。それがブレーキとなって、建物への衝撃を減らすという仕組みだ。
輸入住宅のラグジュアリーなテイストを叶えるばかりか、快適性や省エネ、さらには安全性まで叶えてみせる、小西さんの手腕には驚かされるばかりだ。
施主、施工会社、建築家それぞれにメリット
「三方良し」のオープンシステム
一般的な家づくりは、ハウスメーカーが、大工、基礎工事、内装、電気工事といった様々な工事業者に発注して作られていく。建築家に設計・施工管理を依頼した場合でも同様に、工務店が元請けとして入り、各種工事業者を束ねていくことが多い。
一方、小西さんが推進しているオープンシステムとは、施主が工務店を通さず、各種工事業者と直接契約を交わし、工事を依頼するというものだ。
「でも、素人が工事業者と直接契約しても、何もわからないし・・・」と思うかもしれない。それは心配ご無用。小西さんが工務店の代わりに施主と工事業者の間に入り、「管理監督」を行ってくれたり、各種申請など法的な手続きを行ってくれるのだ。
では、なぜこのオープンシステムを使うことで、低コストの家が実現するのだろう。
元請け一括方式では、施主は、それぞれの工事業者が受注している工事費用は見えない。そのため、元請けがどのくらいのマージンをとっているかも知ることはできない。一方、オープンシステムでは、各工事業者が施主と直接契約するため、何にいくらかかるのかが明確にわかる。もし予算的に厳しい部分があれば、小西さんが間に入り材料や設備の変更をアドバイスしてくれたり、工事業者との間で調整もしてくれる。
工事業者のメリットとしては、代金が支払われるまでの期間が短くなることがある。下請けでの仕事の場合、自分の担当する仕事が終わったからといって、すぐに代金を支払ってもらえず、全ての工事が終わり、施主から建築費用が支払われた後に、元請けから支払われるということも多いという。しかし、施主と直接契約の場合は、仕事が終わればすぐに請求可能だ。
このような「お金」の面のメリットは、オープンシステムの大きい要素ではあるが、本当のメリットは「相手の顔が見えること」にあるという。
通常の家づくりでは、工事業者にとってお客様は施主ではなく元請けであり、施主と直接触れ合うことは少ない。しかしオープンシステムでは、施主と工事業者とが直接対話をしながら仕事が進むため、施主にとっては信頼を、工事業者にとっては、責任を感じながら家づくりが進んでいくのだ。
オープンシステムは、「施主」「建築家」「工事業者」の三者が、それぞれにメリットがあるまさに「三方良し」のシステムといえるだろう。
しかしこのオープンシステムは、どの建築家でも取り入れられるというものではない。施工管理の知識や経験はもとより、数多くの工事業者との間に確かなコネクションと信頼関係を築いていなければ成し得ない。若手建築家が一朝一夕に取り入れられるものではなく、小西さんがこれまでに築き上げてきた、実績と経験があるからこそできる仕組みなのだ。
小西さんは、グリーン・エコハウスやオープンシステムによって、「夢やあこがれ」だった輸入住宅を「現実」のものとしてくれるのだ。
基本データ
| 所在地 | 愛知県北名古屋市 |
|---|---|
| 敷地面積 | 258.11㎡ |
| 延床面積 | 204.71㎡ |
| 間取り | 5LDK |
| 家族構成 | 夫婦+子ども3人 |
| 予算 | 4000万円台 |
| 施主 | N邸 |
設計者情報
この建築家が建てた家
この実例を見た人はこちらも読んでいます

三方を住宅に囲まれた密集地なのに明るい! 光溜まりがもたらした寛ぎを感じられる住まい
敷地の三方向を隣家で囲まれた住宅密集地。そこに「明るく清潔感のある家を建てたい」と施主のOさんから相談を受けたのは、光や風を上手に取り入れ快適な住まいを創ることに定評のある、m+h(エムアンドエイチ)建築設計スタジオの林さん。林さんがO邸に施した秘策は、“光溜まり”でした。

「花火が見える家で、薪ストーブのある暮らしを楽しみたい」 その要望を叶える提案で、高評価を得た作品
宮城県塩竃市に誕生した邸宅。この作品は、かなり明確な目的で建てられたといってもよいだろう。お施主様の主な要望は、“家から地元の花火を見たい”、“薪ストーブで快適に暮らしたい”というものだったからだ。そして建築家は、期待以上の作品を作り上げた。コンクールでも最優秀賞を受賞した、この作品をご紹介しよう。

建物と設備の相乗効果で環境負荷を低減する実験的エコ住宅
建築環境設備分野の博士が施主だという『松河戸の家』は、建築と設備技術の両面からアプローチしたユニークで新しい実験的エコテクノロジーが導入されている。環境負荷を減らしたエコ住宅は、一歩先をゆくこれからのスタイルの一つ。どのような建築的工夫がなされ、テクノロジーが導入されているのか、笹野さんに詳しく話を伺いました。

那須の爽やかな景色と暮らし、冬も快適。 十字に重なるモダン邸宅
住み心地がよく、洗練された住まいを多数生み出している建築家の川久保智康さん。那須に建てたこの家は高原の美術館のような佇まいや、ホテル暮らし気分を味わえる邸内など、魅力は枚挙にいとまがない。「上質な建築に住まう幸せ」を実感できる住宅だ。

見せる家!借景もアートもセンスよく調和される空間づくりとは?
更地の状態が長年続いていたWさんの所有地は、ひな壇の斜面地にあり、草木のうっそうと生い茂る公園に隣接するという立地条件。この環境のメリットを最大限に活かした新居を建てるべく、建築家の市川均さんに設計を依頼することに。結果、「明るく、風通しがよく、開放的で、眺望のよい」住まいが完成しました。

窓に大自然、室内にアート!別荘こそ愛着のあるものに囲まれたい
鹿児島・霧島連峰を背に立つ十字形の家。フラワーショップを営むオーナーさまが別荘として使う、この家には大好きなアーティストの作品がふんだんに使われています。「アーティストの作品を活かして是非やってみたいことがある」。別荘づくりは、そんなオーナーさまから建築家の渡辺仁さんへの話から始まりました。

素材を生かし、風景の一部として佇む 自然とひとつになるガラス張りの家
家から海へと視線を伸ばすと、自ら所有する島が見える。そんな贅沢な体験を日常にするため計画された家だ。建築家の白浜さんは、恵まれた敷地の環境を生かし、取り込んだ住まいにしたいと考えた。木のフェンスにもたれながら、島へ続く景色を独り占めできる感覚の家は、どのように実現されたのだろうか。

2人の息子さんのために、あえて2階を発展途上にした家造り
敷地は北道路に面しており、南側には工場がある。かつては昔ながらの長屋が建てられていた。この建物は長らく賃貸物件として使っていたが、老朽化に伴い、取り壊されることとなった。その跡地に井上邸を建てることになった、というわけだ。

庭の木々と木製家具に癒される…。 都市の中で実現した、憩いの住まい
「デザイン性だけでなく、機能性にもこだわった住まいをつくりたい」。そんなSさんご夫婦の夢を請け負ったのが、いのはな設計の鈴木宏昌さんである。緑を望む庭に、インテリア性の高い造り付け家具、高い断熱性。Sさんの希望をみごとに叶えた鈴木さんの家づくり。気になるその中身をのぞいてみよう。



