
親も子供も、ゆとりある生活を送りたい
光と風を感じ、家族の絆をはぐくむ家

宮本 恵美子
みやもと えみこ
㈲光風舎一級建築士事務所
東京都 品川区
湘南の江の島近くで育ちました。広い海と大きな青空、明るい陽射し、心地よい風、のんびりした環境で育ったせいか都心で暮らしていても、青空や白い雲、陽の光、風に吹かれること、緑や花、ちょっとした自然を見つけ、日々楽しみながら暮らしています。 新築、リノベーションどんなことでもお気軽にご相談ください。
プロに期待されたのは、提案力
子育てに良い空間と家事動線の両立
「お施主様は、新居についてとても深く考えていました。最初に打ち合わせした時点で、すでに家のテーマや、かなえたいことがまとめられていたのです」。
そのテーマとは、“家族の絆をはぐくむ場”にしたいというものであり、
・共働きでも心にゆとりのある生活や子育てができる
・子どもの好奇心を育て、のびのびと育つ環境にしたい
・読書ができるライブラリーを設ける
・家の内外で自然を感じられる
といった生活が実現できる家にしたいという希望だった。
そして、宮本さんに期待することも明確にまとめられていた。
・子育てに良い空間や導線などの工夫や提案をしてほしい
・自然素材を使った、温かみのある空間を提案してほしい
これらを通じて、家族の絆をはぐくむ、快適な家への提案がほしいというものだった。
このような提案力を求められることは、建築のプロとしてとてもやりがいがある。宮本さんは、さっそく現地調査に向かった。
郊外の旗竿地内で調査したのは
もっとも日当たりの良い場所
その後、相談と打合せを経て出来上がったプランは以下のようなものだ。
・日当たりが良い1階の場所にL字型のLDKを配置
・庭とリビングの間に広い縁側を配置し、子どもが自由に行き来できるように配慮
・階段下に、子どもたちが遊べる“秘密基地”を設置
・ファミリーライブラリーを階段に沿って設置
・柔らかくて暖かい、無垢の杉板を床材として使用
・キッチン横にパントリー、その先に勝手口とした家事動線
・帰宅時に手洗いがすぐにできる動線
これらの中で特に特徴的なのが、屋内と外の関係では“庭とリビングを自由に行き来できる、広い縁側を持つレイアウト”で、屋内では子どもの“秘密基地”と“家事動線”だろう。
なぜなら、これがお施主様が希望した“子育てに良い空間や導線などの工夫や提案”に対する、宮本さんの答えだったからだ。
子どもが庭で遊び、自由に家の中に入ってくることができる。日当たりが良い、広い縁側に寝そべってくつろぐこともできる。リビング横には、いつでも遊ぶことができる秘密基地があり、家族は家事をしながらその様子を見守ることができる。その家事も、最短の移動で済ませることができるように考えられている。
まさに、お施主様が望んだ生活を実現する工夫と提案だった。
こうした工夫は、他にもたくさんある。ここではご紹介しきれないため、ぜひ写真の説明文もご参照いただきたい。
外観は普通に見えるが、考え尽くされた家
奇抜さよりも、自然さを追求しました
宮本さんは、今回の作品でどのような点に力を注いだのだろう。特に意識した点について、説明してもらった。
「この作品の場合、お施主様のお子様に対する想いをとても強く感じました。伸び伸びと育ってほしい。好奇心旺盛な子どもに育ってほしいという想いです。また、共働きだからこそ、効率的で家族全員が快適に生活できる家を求めていることを理解できました。“家族の絆を育む家”という言葉に、そうした想いのすべてが込められていると感じたのです」。
「私も子育ての経験がありますし、共働きでした。ですので子育ての際に子どもを見守れることの安心感や、自由に遊び、学ぶことができる場所があることの重要性は十分理解できます。そこで私の経験も活かし、私ならこうしたいという視点での提案も盛り込みました」。
「広い縁側をご提案したのは、外と中をつなぐ空間にしたかったからです。これにより、家の中でも外の気配を感じることができます。ライブラリーは階段に沿って設置しました。本を読む部屋を作るのではなく、階段に座っていつでも好きな本を読むことができる環境の方が良いと思ったからです。こうした提案はすべて納得していただき、実現できました」。
こうして出来上がった家に対するお施主様の評価が、極めて高かったのもうなずける。
湘南育ちの宮本さんは、明るく風が通る家で育った。そのためか、できるだけ自然素材を使い、光と風が通り、自然を感じる家を作ることを心がけているという。光風舎という事務所名にも、その想いが込められているのだろう。
その土地の特徴を把握し、自然を感じ、心地よく過ごすことができる家を建てたい。あるいは、ばくぜんとした自分たちの想いを、具体的なものとして提案してくれる建築家を探している。そのような方であれば、一度コンタクトしてみてはいかがだろう。
基本データ
| 作品名 | 家族の絆をはぐくむ家 |
|---|---|
| 所在地 | 神奈川県横浜市 |
| 敷地面積 | 202.52㎡ |
| 延床面積 | 105.99㎡ |
| 家族構成 | 夫婦+子ども2人 |
| 予算 | 3000万円台 |
撮影:大橋愛
設計者情報
この建築家が建てた家
この実例を見た人はこちらも読んでいます

家の中に公園!?子どもが安全に走り回れる家
小さな子どもが2人いるYさん一家。新しい家を建てるにあたってまず希望したのは、子どもが安全に遊べるスペースを敷地内に作ることでした。この願いを「家の中に公園をつくる」という方法で叶えたのが、建築家の渡辺泰敏さん。その大胆な発想が魅力の家づくりを紹介します。

景観に溶け込む住まい方、コンセプトは“自然との一体感”
自然豊かな長野県のとある街に暮らす妹夫妻から依頼を受けた、一級建築士事務所エヌ スケッチの井口哲一氏。周辺環境との調和を第一に考え、住まう人のストーリーを大切にする井口氏によって手がけられた物件にはどんなストーリーが?

外観や図面からではわからない開放感 光あふれるコートハウス
電車や踏切の騒音問題、通りを行きかう人からのプライバシーの確保。そんな課題を抱えた土地での設計依頼に、外観からは想像もつかないような、開放的で明るい住宅を生み出したのは、「空間づくりの匠」アトリエスピノザの井東さんと市原さんでした。

将来は店舗、文化教室、事務所にも変更可能 ライフスタイルの変化を想定した2世帯住宅
神奈川県藤沢市に、独創的な2世帯住宅が誕生した。湘南の気候を感じられ、大きな邸宅が残る街並みに溶け込んでいる。しかしこの作品の最大の特徴は、将来自由に建物の使用方法を変更できる点だ。そのため、特殊な構造を採用している。2世帯住宅を考えている方にとって、とても参考になる事例をご紹介しよう。

リノベvs新築!悩み抜いた結論が、住んでからの毎日を変えた
これから、どこでどう生きていくのか。住まいを定めるということは人生を考えることにもつながります。家を買った経験がある長谷川さんご夫婦にとっても、終の住処を考えることは、悩みや迷いと無縁ではありませんでした。

歴史ある建物を残し、庭の景色も楽しむ これからの時を新築戸建と共に
広い敷地に築100年を超す母屋と離れをもち、立派な日本庭園を有しているT邸。宝ともいえるこれらを残しつつ、現代に合った暮らしをしたいという家族の一大プロジェクトを任されたのは、その豊富な経験と手腕で、テレビの出演や多くの受賞経験を持つ匠、並木秀浩さん。「庭の景色を活かす」「旧宅を残す」という難問を解決するため、並木さんがとった方法は、新旧2つの庭を立体的に繋ぐというコンセプトでした。

重なりとつながりが家族を包む「ラップハウス」
子育てのため奥様の実家近くに土地を購入したSさんご家族。建てる家には「家事や子育てのしやすさ」「将来的には太陽光発電を」など夫婦ともに希望があった。しかしハウスメーカーには好みの家がなく、細かい希望が通じにくい。悩むご夫婦に大川さんはそれぞれの希望を盛り込んだ家を提案。「ラップハウス」と命名されたその家とは?

家の中に公園があるかのよう。 子どもがのびのび遊べる住まいのつくり方
ノアノア空間工房の大塚泰子さんがプランニングしたのは、敷地内の高低差を活かし、中庭を周遊しながら2階に上がっていくスキップフロアの家。大人が心地よくくつろげて、子どもはのびのびと育つ──。中庭はつくり方次第で暮らしの豊かさに大きな差が出ることを実感する、魅力的な住まいのポイントを聞いた。

心地いい風が入る、伸びやかなリビング。 バリアフリーの平屋はゆとりある空間が魅力
空き家となっていた奥さまの実家を建て替えることにしたIさまご夫妻。違う場所にお住まいのお母さまがときどき来られたときのことを考え、バリアフリーの家をつくることにしたという。とはいえ、基本的にはお二人で住まわれる家。絶妙な空間のつくり方により、ご夫妻とお母さま、皆にとって住みやすい家になった








