
屋根裏リビングの住宅
設計者情報
都心に近い住宅地の夫婦と子供のための住宅である。 敷地は昔からある分譲地の大きな1つの宅地が半分に分割され、それぞれ30坪程度の住宅が建てられるようになっていた。高低差が多い地域で、東側に傾斜した途中に位置する南西の角地だ。角地の場合、日照に関しては特に考えなくても明るい室内空間を得られることが多いが、本敷地においては土地周辺の傾斜角度がきつく、東側に眺望は望めそうだが、西側の道路向かいには隣地の擁壁と建物がそびえたっており、冬場の午後の光は西側の隣地が壁のようになって敷地に影を落とし暗い室内になってしまうことが予想された。また、道路自体も周囲の宅盤の方が高い状態だったので、谷の間に立っているような印象だった。 施主は、家族のコミュニケーションの観点から1階をリビングとして子供部屋や個室を2階へとまとめる構成を要望していた。しかしながら、西側が高い壁のような状態であったことや、東側への眺望が望めそうであったことを考慮し、2階へLDK等のメインの居住空間を配置し1階と階段室の吹抜で繋げる構成を提案した。 「軒が下がった切妻屋根形状」 建物の外観は少し小さな切妻屋根の形状となっている。この形状は、敷地にかかる法規的な建築制限によるところが大きい。一般的な低層の住居地域では、道路からの斜線制限に加えて、北側からも高度斜線という北側の隣地へと日光を遮らないための斜線制限があり必然的に両者からはさまれた建物は切妻屋根の形状となったが、道路からの斜線制限は、建物が設置する地面よりも低いところからスタートするため建物への影響は大きい。軒の高さを低く抑える必要があり、一般的な2階建ての住宅よりも軒を低くして斜線制限をかわす形状とする必要があった。 軒が低くなると2階のLDKの空間としては窮屈なものとなるが、広々とした居住空間を確保するために、勾配を高さ制限目一杯にとってその急こう配屋根がそのまま室内空間となる構成とした。急こう配屋根が見える2階のリビングは、屋根裏部屋のような三角屋根の空間となった。子供のころ、アニメにでてくる屋根裏部屋は憧れだったが、それは用意されている部屋という四角い空間ではなく、用意されている部屋の「裏側にある余剰空間」としての空間的な楽しさがあるからなのではないだろうか。この住宅もそうした一般的な箱型のLDKという用意された空間ではなく、たまたまできた屋根裏のような余剰空間が肥大化したかのような楽しさをもった空間にできないかと考えた。 プランは単純で中央の階段の周囲に各機能が配置されていて階段越しに緩やかに繋がっている。床のレベルは、1階の玄関ホールが井戸の底のような空間となり、登っていくと明るいリビングへと出る。リビングはダイニングより高くなり、そこから和室へとさらに上がっていく。一番高い和室の隅は子供でもしゃがまないと入れてないような籠った空間だ。通常は触ることができない屋根が自分よりも低い手の届くところにあったり、高いところにはなれていったり、一番下に下りると井戸の底のような空間にもなりシンプルながら多様な変化のある空間が階段を中心にくっついている。様々なレベル差が生まれると室内に様々な高さの目線も生まれる。リビングで座っている人、スタディカウンターで勉強するひと、和室に座る人、それぞれの目線が合ったりすれ違ったりしながら、通常のフラットな床の中にはない、複雑なシーンを生み出そうと考えた。また、レベル差を利用して和室の下には、床面積に入らない納戸を設けているので収納量も十分すぎるほど備えた。 勾配屋根の頂部には天窓を設けた。冬場の昼の日射は、南中時で30°と浅く西側の建物にさえぎられてしまうので、屋根の頂部に天窓を対で配置し、1年通して室内に直射光が届くようになっている。丁度住宅の中央に位置する天窓は、大きな空間全体にやわらかなひかりを届ける効果があり、曇りの日でも明るい室内となる。吹抜を介して、玄関ホールにも光が届くようになっているので、玄関入ってからも天井は高く明るい光が差し込んでくる。朝日と共に室内が明るくなり、日の動きと共に、室内の明るさも変化していく。 なお、 2階の収納上部の小屋裏に集熱器を設け、基礎内へとダクトで送風し断熱された基礎内部を通過させることで、夏は涼しい風を冬は暖かい空気を基礎内へと戻し、エコな空気の循環システムを採用している。屋根が近いため、屋根は厚ベニヤによる屋根外通気とし、断熱材も厚く詰め込まれている。 周囲を住宅に囲まれた30坪くらいの住宅だが、小さいながらも個室を4つ+和室をとりながら、大きな気積のある明るいリビングや4方に開いた窓による開放感、レベル差と屋根との関係が日々の生活と共に変化する空間を様々な法規的制限のなかで実現している。大きな住宅でなくても、細かな工夫次第で広々と快適に楽しく住むことは可能なのだ。 レベル差のある空間は子供たちの格好の遊び場になる。引き渡し後、子供たちが階段の周りのぐるぐると回りながら、楽しそうにはしゃいでいたのが印象的だった。
設計者情報
この建築家が建てた家
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窓辺の家
戸建住宅、木造平家一部二階建、新築。敷地探しから携わる。 -窓辺の景色がある平家- 敷地の特性を最大限に生かし、水平と自然との一体感を追求した設計はほとんどが平屋の形状であり、ただ客間と家族の共有スペースだけが2階に配置され、日常の生活は1階にL字型に広がっている。 この家を象徴する窓は、多様な特徴を持ちながらも「窓辺」という景色を織り成している。様々な形状の窓からは、光と風が豊かに注ぎ込み、その瞬を感じることができる。窓は単なる機能だけでなく、詩的なイマジネーショをもたらす存在なのだ。四季折々、窓辺は一日の中で変化し続け、住人の語幹に心地よい感覚を呼び起こす。

一級建築士事務所プレイスの事例写真集

中山のロの字のコートハウス
高松市西部。五色台のふもとに広がる田園風景を走る「さぬき浜街道」沿いに、牧歌的なロケーションの中で異彩を放つ箱型の建物が目に入ってくる。とことんシンプルさを追求したスタイリッシュなデザインが印象的な平屋で、底抜けに明るいご夫婦と4人姉妹の子どもたちがにぎやかな毎日を過ごしている。 建物は中庭を取り囲む回廊状にすることで、家全体に光と風を効率よく取り込むともに、周辺からのプライバシーを確保。さらに、交通量の多い幹線道路の騒音抑制にも成功している。 家族が集まるLDKは、大胆な勾配天井を施した心地よい空間。中庭を望む大きな窓から差し込んでくる陽光を受け、シナベニヤの天井やメープルの床板が優しく光を拡散させている。その中でもLDKの主役としてキッチンの前に鎮座する巨大なカウンターテーブルの存在感は圧巻。 LDKから洗面、浴室、子ども部屋への移動もスムーズで、家族6人が一緒に居ながらも窮屈さを感じない居住空間を実現している。

リノベーション・大磯
増築したのは吹抜け空間、つまり空気なのです! 海を見下ろす高台の閑静な住宅地に建つ、木造2階建ての増改築です。 改修前のお宅は在来工法で和室中心、門かぶりの松のある立派な和風邸宅でした。 お施主様のご要望の要となるのは、眺めの良い2階を家族で過ごすダイニング、リビングにしたい、和を感じる要素を残さずに全て洋室としたいというものでした。 また、奥様はデザイン同様に家事動線が大事!とプラン検討に熱が入ります。ご主人は、ダイニング、リビングの床はピカピカのタイル貼りでそれがテラスへと繋がっていくイメージをお持ちでした。 わたしたちは、ほとんど使われていなかった2階の広いテラス(1階リビング上部)を取り払って新たな屋根を架け吹抜けを作ることを提案しました。 階段を上がるとタイル張りのリビング、ダイニングが広がり、ガラス手摺の向こうには吹抜けを通して大きなフィックス窓から大磯の海が開けるのです。 そして、吹抜けを介してご家族の様子がお互いにやわらかく伝わります。 外観は、もとの大きな勾配屋根にスタイリッシュなボックスが新たに付け加えられたような形となりました。 夕方から晩にかけては、そのボックスから暖かな照明のオレンジ色が通りにこぼれて行灯のようです。 1軒の住宅のリノベーションが、ささやかですが町の景色にも寄与できた事例だと思います。 設計:NASCA + AeO 設計共同体

中庭の家
本計画は沖縄県本島西原町の閑静な住宅地の一角に一戸建て住宅を新築するプロジェクトである。 周辺環境として敷地は建物に囲まれておりプライバシーへの配慮が必然的に求められた。 施主と打ち合わせを重ねる中で、「ダイニングを中心とした子育て」「隣地建築物からの視線への配慮」 「リビングと繋がる中庭」が設計計画の根幹となった。 L字型の大きなダイニングテーブルは座る位置によって、リビング、テラス、スタディスペース、ダイニング と様々な関係性を生み出す。家族の食卓、子どもの勉強、団らんの中心となる計画なっている。 中庭はリビングとの段差を極力なくすことで視覚的にリビングとの関係性を強めるとともに、一部は バスコートとすることで内部空間を拡張する計画としている。中庭は奥行きのある庇を三方向に設けることで 隣地からの視線に配慮するとともに、強烈な日差しや雨を和らげる計画としている。 内部仕上げは白の塗装を基調しつつ、左官仕上げ、タイル等、テイストの異なる白を重ねることで 空間にシンブルながらも彩を与える計画とした。 設計当初、施主の小さな子供から「こんな家に住みたい!」という思いの詰まったスケッチをプレゼントされた。 どんどん手を加えていただいて、大人の想像の枠を超えて家族で楽しく住んでくれることを望む。

木道の家
鎌倉の風情が残る御成小学校近くに位置する住宅。北側に石積みの傾斜地を背負い殆ど平坦地のない変形敷地での計画。 少ない平坦地から傾斜地にRC造の橋を架ける形とすることで、造成なしで既存傾斜地の補強と風情を残すことに成功しています。 外壁焼杉板貼は既存樹木とのコントラストが美しく、既存樹木の間を通り抜けるアプローチの木道と悪条件が豊かさをたたえた魅力に変換しています。内部は垂木を表し力学的秩序の美しい架構表現を中心に、縦格子、チークフローリング、スケルトン階段、シンプルなデザイン、心地良い木質感としています。

曽根崎の家
計画地はJR鳥栖駅東側、7区画の小さな新規分譲地の一角にある。 建て主の要望は3つ。 子供が走り回れる広いリビング。外部空間との繋がりをもたせること。自然素材を多く用いること。 シンプルな田の字型プランによる開放的なリビングはいつも家族の笑い声で溢れている。 少し低い天井が内と外、部屋と部屋をシームレスに繋ぎ、面積以上の空間の広がりを感じる。 床・天井の杉板、シラス壁が触れるたびに落ち着きを与えてくれる。 週末が楽しみになる居心地の良い住まいとなった。

寿町の青果店

ヒカリニワハウス
戸建住宅、木造二階建、新築。 -大開口と吹抜がつくりだす光豊かな住まい- 周囲の建物が建て込むこともなくゆったりとした、そして閑静な住宅地に位置する敷地。西の遠景にはアルプスの山並みを望むことができる。ここに、光豊かな、そして大きな吹抜けを介してそれぞれの空間がつながり、家族がつながる住まい。周囲の建物が建て込むこともなくゆったりとした、そして閑静な住宅地に位置する敷地。西の遠景にはアルプスの山並みを望むことができます。 二層吹抜けに面した高さのある大開口からは、リビングの奥まで日が差し込み、空間に陰影をつくりだします。そして、光に照らされた幅広いヨーロピアン・オークのフローリングの質感が、上質感と心地良さを感じさせてくれる家です。









