
深い軒のある二世帯住宅
設計者情報
撮影:アトリエあふろ(古川公元)
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この建築家が建てた家
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大きな桜の家
敷地は三鷹市井の頭。井の頭公園につながる閑静な住宅街にある。 はじめて現地を訪れた時、敷地の4分の1を覆うほどの樹齢90年を越す桜の大木の迫力に圧倒された。先代から受け継がれた庭には、シイ、エノキ、モミジ、タイサンボクなど多くの木々があり、その様は野趣に富んでいた。建主は、その環境を壊すことなく木立に埋もれるような住まいと小さな離れを望まれた。 まず住まい(母屋)について。庭の樹木を残すため、既存家屋の建っていた位置と同じく西側道路に寄せて南北に長く据えることにした。南と北に棟を2つ配し、その二つを階段ホールでつないだ。 北棟はパブリック棟。玄関、居間食堂厨房、来客用の和室を。南棟はプライベート棟で、主寝室と書斎、個室を設けた。各部屋を桜に向けて配し、恵まれた景色を美しく切り取れるよう木製建具や欄間を設えたほか、デッキ、バルコニーなどによって庭とのつながりを深める工夫を施した。 一方の離れは、北東の桜の下に配置。渡り廊下で母屋とつないだ。 この小さな建物は、学者であり多趣味なご主人の愉しみの場。蔵書量を考えるとある程度大きな面積が必要だったが、老木の根を傷めないために基礎は最小限の範囲(4帖半)にとどめ、深基礎の深さを利用して半地下の書庫を設けた。地上部分の床は一部跳ね出して6帖を確保した。豊かな樹木が間近に感じられ、大きくのばした庇の下のデッキも内外をつなぐ役割を担っている。桜の下を巡る渡り廊下には藤棚を設け、ご主人のお母様が大切にされていたという古いフジを移植した。今では葉が青々と茂り、道行く人の目にも優しい目隠しになっている。

宇多津のスキップフロア
住宅地に建つ30坪の2階建て住宅。5層のスキップフロアが空間の広がりを持たせ、床面積以上の大きさを感じることができます。コンパクトな動線とすることで無駄のない暮らしを目指しました。

福津の家3

三室の家
自宅兼事務所です。事務所の独立性を確保しつつも、内部の一体感が損なわれないようにしました。 無垢の木や不織布の壁紙、セルロースファイバーの断熱材等、自然素材に包まれた普遍的な住まいです。

skbhc
固有の個性を有する小さな空間が集まり、少しずつずれて連結し積み重なり、結果生まれた「small house town」。 「表」と「裏」のヒエラルキーを無くし、全て「表」としてデザインする事で、敷地内の至る所に固有の豊かさが点在する。 「表」の空間にデザインされた緑は、白を基調とした大小の箱の壁に影を落とし、日本特有の四季の移り変わりを可視化する。

HOUSE BB

矢口渡の家
敷地は準防火地域でしたが、新たな防火規制の導入区域に該当する為、木造2階建であっても「準耐火構造」仕様にする必要がありました。天井や柱・梁の木をそのまま現す為に、「燃えしろ設計」を行い国産木材をふんだんに使用した空間を実現することが出来ました。住宅密集地である為、吹き抜けを有効利用して家の中のどこに居ても明るさ確保し空が眺められるプランニングを心掛けました。太陽熱給湯や雨水利用も採用し、自然の恵みを暮らしに取り入れています。 古い日本家屋や京町屋好きの住まい手からの要望で、全体のデザインをまとめました。土壁、漆喰、いぶし瓦、タイル、銅板、古建具、都内の町工場で作られている照明器具など、一つ一つのマテリアルを住まい手と一緒に時間をかけて吟味しました。愛着を持って永く暮らして貰える空間になったと思います。

通り土間の家
敷地は谷戸に広がる小高い山々に抱かれたような緩やかな傾斜地に造成された分譲住宅地。外観はガルバリウム鋼板で包んだシンプルな切妻建物に、庭に挟まれた通り土間を緩衝帯とした空間構成として道路からの視線が隣地まで抜け、適度な距離感と視線制御を伴う。 半屋外とした通り土間は子どもたちの遊び場、サーフボードのメンテナンスなど屋内と違うアクティビティにも対応している。2階はどこからも緑が見えるようシマトネリコを囲むようなLDK配置とし、鳥のような視線も楽しめる。古家具を愛好するご夫妻のために古建具を使用し床はチークの無垢材、天井はレッドシダーで仕上げた。 断面構成はスキップフロアでワンルーム状にゆるくつながり、床下の余剰空間を収納スペースとして有効利用している。

HOUSE-N
この住宅には、2つの課題があった。1つ目は「コスト」である。土地・建物を合わせて2900万と予算に大きな制限があった為、敷地選定の段階から全体のコストバランスを見極め、計画を進めていく必要があった。敷地は、ロケーションを売りにしている高台に面した新興住宅分譲地だが、冷静に見るとそのロケーションがそれ程魅力的ではない。それならば、敢えて高台に面していない価格を低く設定している区画の中で、日照条件や法的条件が有利な敷地を選択した。 2つ目の課題は「距離感」である。クライアントは、家族同士の距離感を大切にしており、非常にオープンな家庭環境であった。単純に個室がそれぞれ用意されているのでは閉じ過ぎている。だからといって全てをオープンなワンルームのようにしてしまうのも乱暴過ぎる。この家族にとって心地良い距離感を保つ為には、どのような空間構成が望ましいのかを思案するべきだと考えた。 土地を1100万で購入した為、1800万で建物の計画を進める必要があった。そこで、まず、設計の初期段階にコストの観点から建坪を25坪以下と制限を掛けた。やや狭小寄りになったこの住宅に広がりを持たせる為、7枚の床レベルをランダムにスキップさせた2階建のワンルームのような構成としている。また、天井を貼らないことにより、天井材及び下地材が省略され、コストを抑えつつ、敢えて足音が響きやすい設計とした。そのように構成された空間は一定の距離感を保った様々な〝場〟の設えにもなっている。家族それぞれが好きな時間に、好きな場所を見つけ、好きなことをして過ごす。視線は、床レベル差で遮られるが、気配や音で他の家族がどこで何をしているのかを何となく感じとれる空間とした。 一見、複雑な構造に見えるが、事前に加工業者と打合せをし、経済的かつ効率的に構造が組めるよう調整を図り、特殊加工を施さないスタンダートな構造に抑えた。また、工種を少なくする為、外壁や内壁を木貼りとし、外壁業者や内装業者の手間を大工手間1つにまとめる等して、コストコントロールを図っている。 構造が露出し、内壁が木貼りとなっているこの住宅は、絵を掛けたいと思えば自由に飾れ、棚が必要だと思えば自由に追加し、ハンモックを掛けたいと思えば自由に設置でき、間仕切りが欲しいと思えば容易に増設ができる。設計時点で全てを決め切らず、生活しながら住まい手のアイディア次第で、自由に成長できる「可変性」に富み、「余白」の準備された空間構成にもなっている。 「コスト」と「距離感」という2つの課題に「可変性」と「余白」という新たな要素を加え、全てを同時並行で融合させて考えることにより、心地良い住空間の提供を目指した。




