
快適な住まいが自由な創作活動をサポート
日々、絵を描く暮らしに合った住まい
Gさんがアトリエに求めていたのは、描いた絵を離れたところから眺められる奥行と天井の高さ。ひとり暮らしのため、最低限の居住スペースの他は充分にアトリエに使うことができた。仕事場と生活スペースは明確に分けたいという希望もあり、2階建ての建物の1階はフローリングを張った広いアトリエになった。Gさんが佐賀井さんと相談して計画していたプランは、他の部屋も壁や戸で仕切らず、キッチンからリビング、階段から屋根裏までゆるやかにつながっていた。
それぞれのエリア、たとえば、料理をするキッチンとくつろぐダイニングは空間としてはつながっているが、視線は通らないように配置されている。建物の気密、断熱の性能も高く、家全体が寒くないように設計されていた。
ところが、一般的な家の多くは戸や壁で部屋の境界がハッキリ分けられているため、ゆるやかに空間がつながった家の計画は奇異なものに見えてしまう。近隣に住まうご家族はひとりで暮らすGさんを心配し、普通の家ならこうなっているとアドバイスをした。Gさんは家族の意見と専門家の意見、自身の希望のなかで迷い、基本的な方針を決めるまでに随分と時間がかかった。アトリエのある大空間の家にしようと心が決まると、ようやく家づくりは順調に進み始めた。
自分の住む家なのだから自分で考えるという姿勢がぶれなければ、いくつか選択肢があってもスムーズに決まる。生活スペースは自分が最も使いやすいように、アトリエは制作に没頭できるようにと決めていった。画家にとってはまだ売れていない作品を保管する物置スペースも重要で、屋根裏には保管スペースもつくった。日々、絵を描いて暮らすGさんの生活にピッタリ合った家のかたちができていった。
ひとり暮らしの絵描きといってもGさんは閉じこもるタイプではない、と佐賀井さんは言う。広くてきれいなアトリエは遊びに来た友人に泊まってもらってもいいし、屋根裏のスペースもごろ寝が出来るという話も出た。完成して数年。仲間たちも既に新居に訪れている。絵を描きながら気ままに過ごせる快適な家と、Gさんのそこでの暮らしぶりは絵描き仲間からも羨望の的になっているようだ。
仕切りのない広々とした空間でも暖かく
「小さなエネルギーでも年中、快適に過ごせて、環境にも優しい究極のECO住宅をつくっていきたい」と話す佐賀井さん。Gさんの家でも省エネ設計、環境設計を心がけた。アトリエがきっかけで佐賀井さんに依頼したGさんだが、実際に住んでみていつでも暖かく過ごせる家の良さを実感し、周囲にも良い家だと薦めているという。
作った人:佐賀井さんコメント
使用する材料は基本的に自然素材にするようにしています。この家でも使った塗料は自然素材のため安全で、舐めても平気なほどです。予算の関係で断念することもありますが、環境への配慮という意味でも、経年変化を楽しめるという意味でも、材料の選択からこだわりを持っています。
基本データ
| 所在地 | 埼玉県さいたま市 |
|---|---|
| 敷地面積 | 102.81㎡ |
| 延床面積 | 138.28㎡ |
| 家族構成 | 一人暮らし |
| 施主 | G邸 |
設計者情報
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