
63案の激戦を制す!
最も「ホムパ」を満喫できる空間提案とは?
外の視線を遮断しつつ開放感と明るさを確保
という施主のKさん。家を新築することになったのは、都心の主要駅に近い商業地域に面した住宅地だった。Kさんがネットコンペでプランを募集したところ、提案されたのは実に63プラン。その中から菰田さんを選んだのは、建築費用を適度に抑えつつ、Kさんの要望である「人の集まる家」というコンセプトをしっかり叶えてくれるものだったからだという。
ほぼ当初のプラン通り完成したというKさん宅は通称「カドノイエ」。その名の通り、家が建つのは鋭角の「カド」のある敷地だ。敷地形状を立上げたような特徴的な外観は実に個性的で、人目を引く。玄関扉、ポスト、表札まで一体で作成したという玄関扉をくぐると、白モルタル洗い出しの玄関。その向こうには24畳ほどもあるリビング・ダイニングが広がっている。人通りの多い道路に面しているということで、防犯とプライバシーの観点から「1階は閉じプライバシーを確保するかわりに、2階を明るく開く」という提案をしたという菰田さん。1階リビングの窓は視界を遮るために窓の外は壁で仕切られているが、吹き抜けに面する大きな窓とトップライトから光が入るため、一歩足を踏み入れれば室内は明るい光に満ちている。
このように随所に細かなこだわりが活きている「カドノイエ」だが、1階にあるキッチンもその1つだ。ホームパーティをよく開くというKさんのために、準備の際に効率的に作業できるよう、シンク前の小棚や背面の置き家具を活用。また「料理をしながら子どもと話ができるように」という要望に応え、キッチンの目の前には子どもが使うための机が用意された。この机は可動式になっており、ホームパーティをするときにはこの机をダイニングテーブルにつなげて使うことができるという優れものだ。また、キッチンの裏側には収納たっぷりのストックヤードがあり、ゲストを招いたときでもキッチン周りをスッキリと見せてくれる工夫がされている。
2階には開放的な子どもスペースとシアタールーム兼の主寝室
子どもスペースを抜けた先には、Kさんの主寝室がある。ご夫婦共通の趣味だという映画を楽しめるようシアタールーム仕様となっているこちらの部屋。天井にはプロジェクターを設置できるようにしてあるほか、配線を隠して取り回せる配管も完備。部屋自体が防音仕様となっているので、音漏れを気にすることなく映画を楽しむことができるという。
ホームパーティと趣味の映画を存分に楽しめる仕上がりとなったKさん宅。この家で暮らし始めたKさんは「明るく、収納も充実しているのでとても住みやすい」と喜んでいらっしゃるという。「私たちが夫婦でやっている建築家なので、夫と妻両方の気持ちになって設計できたのが良かったかもしれないですね」と菰田さんは話す。2組の夫婦がお互いにアイディアを出し合って作り上げた「カドノイエ」は、今後も家族の笑いが絶えない家となりそうだ。
基本データ
| 所在地 | 東京都豊島区 |
|---|---|
| 敷地面積 | 115.71㎡ |
| 延床面積 | 115.07㎡ |
| 家族構成 | 夫婦+子ども1人 |
| 予算 | 2000万円台 |
| 施主 | K邸 |
撮影:新 良太
設計者情報
この建築家が建てた家
この実例を見た人はこちらも読んでいます

『生活予想図』から生まれた!?自然素材の“行き止まりのない家
「内装から断熱材まで自然素材にこだわりたい」。小学生の息子さんを持つKさん夫妻の要望に応えて建築家の福田義房さんがつくったのは、地元・埼玉の木材など国産素材をふんだんに使った住まい。シンプルで、おおらか。住む人(や、猫)と共に変化する、家族のようなお家。

ボリュームと出窓が生んだ革新デザイン 空間も心も繋ぐ賃貸併用住宅
住宅を多く手掛ける建築家の中でも、賃貸併用住宅を手掛けられる建築家は極めて少ない。それは施主の要望に応えるだけでなく、入居者ニーズや収益性を同時に満たし、さらには賃貸部分とオーナー住戸との関係性にまで緻密に計算する必要があるから。この複雑な問題を見事に解決し、数々の賞を受賞するほどの住宅に仕上げたのは、「対話」を通じてクライアントの期待を上回る結果を生み出す建築家、河野有悟さんだった。

シンプルだけどチープじゃない じっくりとつくり込まれた、写真館兼自宅
「シンプル」という言葉の同義語は「単純」「簡素」「簡略」といったところだろう。しかし建築においては、シンプルなデザインだからといって単純なつくりでも、建築家が手間をかけずにつくるわけでもない。大人気の犬専門写真館をつくったのは、施主とじっくりと対話し、手間暇かけた仕事に定評のある建築家、服部さんでした。

外観や図面からではわからない開放感 光あふれるコートハウス
電車や踏切の騒音問題、通りを行きかう人からのプライバシーの確保。そんな課題を抱えた土地での設計依頼に、外観からは想像もつかないような、開放的で明るい住宅を生み出したのは、「空間づくりの匠」アトリエスピノザの井東さんと市原さんでした。

間取り改修の落とし穴?! 広々、洗練させる本当のリノベとは
新築マンションを購入するも、リビング・ダイニングの狭さが不満だったIさん夫妻。壁を撤去して空間を広げる計画を進めていたが、途中で相談を受けた建築家の伊藤 悠さんは「それでは期待通りの結果を得られない」と、別の改修を提案する。伊藤さんはどんなことに気づき、どのような空間をつくったのだろうか?

どの部屋からも庭の緑が愉しめる 自然と共に過ごす、事務所兼自邸
光や風、庭の木々といった自然と向き合い、心落ち着く家づくりに定評のある建築家、m+h建築設計スタジオの林 誠さん。自身の建築の集大成ともいえる事務所兼自邸は、どの部屋からも庭の緑が愉しめる、ずっとここに居たくなる家でした。

リビングの中にお風呂? 海外のヴィラのようなバスルーム
施主のこだわりに寄り添い、世界に一つだけの建築を作り続ける片山さんが作ったのは、リビングの中にお風呂がある家、ではなく「日本に居ながらにして、海外のヴィラに滞在しているような気分になれる」なんとも贅沢なバスルームでした。

緑を眺めてゆったり、食卓で賑やか。戸建ならさまざまな空間を!
静かな時間も賑やかな時間もバランスよく織り交ぜて

住まい手基準の気持ちよさの追求。両親への想いが詰まった平屋
依頼人のご両親が住む広島の実家。建て替えるなら体が弱ってきても過ごしやすい家にしてあげたいと娘さんは願いました。ご両親が元気に毎日暮らせる家には何が必要か、娘さん、建築家の山口健太郎さん、そしてご両親が考えを出し合いました。

