
趣味の自転車を大事に、
そして難しい採光も実現の技が知りたい!
印象的な土間を中心とした個性的な間取りの3LDK
初めから住みたい家のイメージを明確に持ち、ネットで自分たちのテイストに合う建築家を探していたというFさん。複数の建築家の施行例を見て出会ったのが、今回設計を担当した、同じ市内で設計事務所を営む菰田さんだったという。最初に菰田さんに伝えられた要望は、敷地の先にある桜並木をのんびり眺められるバルコニーと、ご主人の趣味である自転車を安全に置けて、自転車やスノーボードなどの手入れができる土間だった。
購入したばかりだった土地は、北側道路。さらに南側には境界から30cmのところに隣の建物が建っており、ともすると採光が取りにくい立地である。これを解決するために菰田さんは屋上バルコニーを設置。高窓から光を採り、1階まで通すというアイディアを考案した。2階部分にインナーバルコニーを設け、床をレッドウッドのスノコにすることで、上からの光を1階にまで通そうと考えたのだ。その明るい光を受けるのは、建物の中心に配された玄関からつながる土間。2階から射す光は白い壁に反射し、1階全体を明るく照らしている。さらに開けた東西にも大きな窓を設置。隣家がある東側のガラスはフロストに、西側はブランドを付け、プライバシーを確保しながら採光を確保することに見事成功した。
残念ながら立地上の問題で桜が見えるバルコニーという要望は叶わなかったが、リビングから桜並木に対する開口、屋上につくったバルコニーとリビングとの関係、光を階下まで落とすインナーバルコニーをつくるといった提案を好んで頂けたことで、プランもより明確になったという。
1階の中心に配された土間から靴を脱いで上がった先にあるのは、高さをつけて空間にメリハリを付けたフリースペースで、床には樺桜(カバザクラ)が使われている。土間と床板の間が収納となっているのも、菰田さんのアイディアだ。将来は子ども部屋として2つに区切れるこのスペースの反対側には夫婦の寝室。いずれも東西、上部からの明るい光に満ちている。
この1階と2階をつなぐのは、Fさんと菰田さんで話し合って決めたというこだわりのらせん階段だ。登った先にあるのは、お風呂やトイレ、洗面所といった水回りと、和室、リビングダイニングといった生活空間。和室はプリーツカーテンで仕切れるようになっており、リビング・ダイニングとはインナーバルコニーでつながっている。最初の頃は階下が透けて見えるインナーバルコニーのスノコを娘さんが怖がったそうだが、今ではすっかり慣れたということで、ひと安心。今では大田窪の家の素敵なワンポイントとなっている。
Fさん夫婦が揃えたこだわりのインテリアで住まいが完成
実際住み始めてみると温熱環境にも優れており「夏は涼しく、冬は暖かく過ごせる」と好評だそう。今は2階のリビングにいる時間が最も多く、ここが一家団欒の場となっているとのこと。休日には趣味の自転車を土間でメンテナンスする、楽しい時間を満喫されている。
【菰田 晶さんコメント】
始めて事務所に見えた時から、家に対する明確なイメージをお持ちでした。今回の設計のポイントとなったのは、開けている東西面と建物が近接する南面をどのように計画するかという点。結果的には東西中央に2層分のスリット窓をつくり、光を取り込んだほか、屋上バルコニーを作ることで隣家から距離を取り、高窓から光を取り込むことにしました。
基本データ
| 所在地 | 埼玉県さいたま市 |
|---|---|
| 敷地面積 | 110.62㎡ |
| 延床面積 | 99.81㎡ |
| 家族構成 | 夫婦+子ども1人 |
| 予算 | 2000万円台 |
| 施主 | F邸 |
撮影:新 良太
設計者情報
この建築家が建てた家
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