
ハコノオウチ01
設計者情報
設計者情報
この建築家が建てた家
この実例を見た人はこちらも読んでいます

屋根裏リビングの住宅
都心に近い住宅地の夫婦と子供のための住宅である。 敷地は昔からある分譲地の大きな1つの宅地が半分に分割され、それぞれ30坪程度の住宅が建てられるようになっていた。高低差が多い地域で、東側に傾斜した途中に位置する南西の角地だ。角地の場合、日照に関しては特に考えなくても明るい室内空間を得られることが多いが、本敷地においては土地周辺の傾斜角度がきつく、東側に眺望は望めそうだが、西側の道路向かいには隣地の擁壁と建物がそびえたっており、冬場の午後の光は西側の隣地が壁のようになって敷地に影を落とし暗い室内になってしまうことが予想された。また、道路自体も周囲の宅盤の方が高い状態だったので、谷の間に立っているような印象だった。 施主は、家族のコミュニケーションの観点から1階をリビングとして子供部屋や個室を2階へとまとめる構成を要望していた。しかしながら、西側が高い壁のような状態であったことや、東側への眺望が望めそうであったことを考慮し、2階へLDK等のメインの居住空間を配置し1階と階段室の吹抜で繋げる構成を提案した。 「軒が下がった切妻屋根形状」 建物の外観は少し小さな切妻屋根の形状となっている。この形状は、敷地にかかる法規的な建築制限によるところが大きい。一般的な低層の住居地域では、道路からの斜線制限に加えて、北側からも高度斜線という北側の隣地へと日光を遮らないための斜線制限があり必然的に両者からはさまれた建物は切妻屋根の形状となったが、道路からの斜線制限は、建物が設置する地面よりも低いところからスタートするため建物への影響は大きい。軒の高さを低く抑える必要があり、一般的な2階建ての住宅よりも軒を低くして斜線制限をかわす形状とする必要があった。 軒が低くなると2階のLDKの空間としては窮屈なものとなるが、広々とした居住空間を確保するために、勾配を高さ制限目一杯にとってその急こう配屋根がそのまま室内空間となる構成とした。急こう配屋根が見える2階のリビングは、屋根裏部屋のような三角屋根の空間となった。子供のころ、アニメにでてくる屋根裏部屋は憧れだったが、それは用意されている部屋という四角い空間ではなく、用意されている部屋の「裏側にある余剰空間」としての空間的な楽しさがあるからなのではないだろうか。この住宅もそうした一般的な箱型のLDKという用意された空間ではなく、たまたまできた屋根裏のような余剰空間が肥大化したかのような楽しさをもった空間にできないかと考えた。 プランは単純で中央の階段の周囲に各機能が配置されていて階段越しに緩やかに繋がっている。床のレベルは、1階の玄関ホールが井戸の底のような空間となり、登っていくと明るいリビングへと出る。リビングはダイニングより高くなり、そこから和室へとさらに上がっていく。一番高い和室の隅は子供でもしゃがまないと入れてないような籠った空間だ。通常は触ることができない屋根が自分よりも低い手の届くところにあったり、高いところにはなれていったり、一番下に下りると井戸の底のような空間にもなりシンプルながら多様な変化のある空間が階段を中心にくっついている。様々なレベル差が生まれると室内に様々な高さの目線も生まれる。リビングで座っている人、スタディカウンターで勉強するひと、和室に座る人、それぞれの目線が合ったりすれ違ったりしながら、通常のフラットな床の中にはない、複雑なシーンを生み出そうと考えた。また、レベル差を利用して和室の下には、床面積に入らない納戸を設けているので収納量も十分すぎるほど備えた。 勾配屋根の頂部には天窓を設けた。冬場の昼の日射は、南中時で30°と浅く西側の建物にさえぎられてしまうので、屋根の頂部に天窓を対で配置し、1年通して室内に直射光が届くようになっている。丁度住宅の中央に位置する天窓は、大きな空間全体にやわらかなひかりを届ける効果があり、曇りの日でも明るい室内となる。吹抜を介して、玄関ホールにも光が届くようになっているので、玄関入ってからも天井は高く明るい光が差し込んでくる。朝日と共に室内が明るくなり、日の動きと共に、室内の明るさも変化していく。 なお、 2階の収納上部の小屋裏に集熱器を設け、基礎内へとダクトで送風し断熱された基礎内部を通過させることで、夏は涼しい風を冬は暖かい空気を基礎内へと戻し、エコな空気の循環システムを採用している。屋根が近いため、屋根は厚ベニヤによる屋根外通気とし、断熱材も厚く詰め込まれている。 周囲を住宅に囲まれた30坪くらいの住宅だが、小さいながらも個室を4つ+和室をとりながら、大きな気積のある明るいリビングや4方に開いた窓による開放感、レベル差と屋根との関係が日々の生活と共に変化する空間を様々な法規的制限のなかで実現している。大きな住宅でなくても、細かな工夫次第で広々と快適に楽しく住むことは可能なのだ。 レベル差のある空間は子供たちの格好の遊び場になる。引き渡し後、子供たちが階段の周りのぐるぐると回りながら、楽しそうにはしゃいでいたのが印象的だった。

松橋の家

梅丘の家
南北に細長い敷地の中央に中庭と階段を配置し、上下移動の際に内部空間を見渡すことができるとともに、内部空間の至るところに、光や風を導き、緑や空の景愉しむことのできる住宅です。 中庭や吹抜を介し、空間が立体的につながり、家族がお互いの気配を感じながら生活することができます。

大分県別府市

延岡の家
宮崎県延岡市に建つこの住まいは愛宕山から日向灘へと連なる山裾に位置している。比較的穏やかな土地ではあるが、この地形により時おり強風が吹くことがあるため、できるだけ風の影響を受けないよう軒やケラバの出を抑えた建物とすることをイメージしながら計画することとした。 今回の計画は施主である老夫婦の生前から建つ旧宅が老朽化により安全性が確保できなくなったことによる建て替えである。施主の要望としてはまず一番に「地震」や「強風」といった自然災害に強い家であること、そして今後さらに歳を重ねるため上下の移動の無い平屋とすること、先代からの土地であるため日当たりの良い仏間にしたいということ、帰省してくる孫のために大きな庇のあるウッドデッキを作りたいということであった。 まず計画を始めた段階で敷地がとても広く複雑な形状をしていたため、建物の形状・配置をどのようにすべき思考錯誤することとなった。最終的に南側に道路を挟んで小学校があることを活かし南側に多くの居室が面する計画とした。また敷地南側には将来的に植栽と遊び場が作れるよう程よい大きさの庭を設け、北側の広い空地には家庭菜園や物干場、今後自由に活用できる広場となっている。 またこの住まいの大きな特徴として、南に大きく張り出した軒庇がある。この軒庇は季節ごとの日射を調整し、屋内においては心地よい日差しとなり、ウッドデッキにおいては開放的な半屋外空間となっている。ただし軒を深く出すことで室内奥まで光を届けることができないのでそれをカバーするためにトップライトを設け、室内全体に一日中穏やかな光で満たされるよう配慮している。 仏間においては旧宅で大切に使われていた床柱や地板、床框を再利用し、新宅でありながら面影が残るしつらえとしている。 また仏間は通常リビングとひとつながりで利用しながら、お子様家族が帰省した時には客間として、法事などで人が集まる場合には仏間単体として利用できるよう建具で仕切れるようになっており、仕切った際に圧迫感がないようランマは透明ガラスにし広がりが感じられるようになっている。 ご夫婦が老後を過ごすうえで、シンプルで心地よい住まいになったのではないかと思う。

朝霞の家
敷地は第一種中高層住居専用地域内にあり、敷地いっぱいに建てられた住宅や3階建てのアパートに囲まれ薄暗く、視点となる風景の見当たらない土地でした。 自動車工場にお勤めの建て主からは、車3台分の駐車スペースの要望があり、30坪の土地の中で車と建物の配置パターンをいくつも考えることから設計が始まりました。 これからリタイアを迎え、1日この家で過ごされるご夫婦のため十分な明るさと木々の眺めを用意したい。2階リビングとそれに続くベランダがその回答となり、1階の駐車スペースの脇とベランダに植えられた樹木の梢が連なり、まるで木立の中に住んでいるような感覚を呼び起こす空間をつくることができました。

海と山と空の家
海と山を望む高台にあり3世代5人が暮らす。建主は色々な価値観を持った人が柔らかく共存できる家を望んだ。この家は八角形の筒と四角形の筒が入れ子状になっている。この2つの図形の間に生まれた環状のワンルームは家族皆の共通の場所で、1階はリビング・ダイニング、2階は寝室として使われている。ドーナツ状に連結するこの居住空間は全方位に対して開かれ各自好きな場所を選ぶことができる。1階は恵まれたパノラマを生かそうと連続窓としたため中央の四角が実質的な構造上のコアーとなり、それが視覚的に表現されている。 この四角形には、1階はキッチン2階は納戸、更に最上部はルーフテラスが置かれ、屋根を突き抜け全天空に開いている。

中庭のある家









