
遊ぶ、眺める、家族で家を楽しみ尽くす、
中庭の存在とは!?
八角形の中庭、坪庭、前庭、それぞれ完ぺきな役割分担
現在の芝生の広場に決まるまでには、砂場やすべり台がある案もあったし、遊ぶための広場と眺めるための広場を分けて、いくつも広場をつくる案もあった。「最初は正方形の案もありましたが、四隅を落として、どの部屋にも面しているようにした方が、より中に庭がある感じが出ます」と渡辺さん。建物全体のバランスを考え、最終的に現在の八角形の芝生の広場に落ちついた。
遊具は置かないことになったが、子どもたちが思う存分、遊べる場所であることには変わりない。「遊び場という意味を込めて、ここは『中庭』ではなくて『広場』としています」と、渡辺さんは設計図面を指差す。この広場がどんな場所であるのかということは、子どもたちにも直感的に分かったのだろう。
引き渡しの日には早速、喜んだお子さんが網戸にぶつかるほどの勢いで走り回っていたという。なにも置かれていない広場は、親子でキャッチボールをするのにも最適だ。ボールを追いかけて、道路に走り出る心配もなく、安心して遊ぶことができる。
公園のように楽しむのが広場なら、ゆったりと眺めて楽しむのは浴室に面した坪庭だ。ここもご主人たっての希望でつくられた場所で、緑を眺めながらゆったりとお湯につかれる。1畳半ほどの広さの坪庭には風呂場から直接はいれるようになっており、湯上がりに涼むのもいい。奥さまは窓一枚で土の庭に降りられると、せっかくお風呂に入れた子どもたちがすぐ泥んこになってしまわないかと心配もした。それも数年のことだろうと話し合い、庭の楽しめるお風呂が実現した。
芝生の上で遊び、お風呂から植物を眺める。玄関先にはIさんが造園の腕をふるえる前庭もできた。冬になれば、薪を調達してきてリビングのストーブを焚く。ただ庭木を眺めるだけではない、植物や自然と関わる楽しさを良く知る井川さんらしい住まいになった。
芝生の広場は特に、ご夫婦ともに「つくって良かった」と心から満足しているという。子どもたちも駆け回っても叱られず、お友達が来てものびのびと遊べる家ですくすく育つ。緑とともに気持ちよく暮らせる家は、遊びにきた友人家族の評判もよく、この家を手本につくられた家もあるという。
長く続く両親との関係を見据えた和室
和室はちょうど広場を挟んで反対側にある。実際に同居するときに、遠くて様子が分からないのも困るし、近すぎて互いに気を遣うのも煩わしい。ちょうど良い距離感を探っていって、この配置が決まった。様子が見通せて何かあればすぐに行ける距離だけれども、間に広場があって心理的にはワンクッション挟む。
決まってしまえば簡単に説明できるが、考えていたときには色々、悩みもした。そもそも、この部屋は必要なのかというところまで立ち戻ったこともある。その都度、渡辺さんは、これまでの話し合いの流れを示し、夫婦それぞれの意見を確かめた。「何度も話し合いますから、一緒につくっていく感はありますね」と渡辺さん。
和室は敷地の手前にしたことで、キッチンを増設して離れのように使うこともできる。玄関側であれば、介護が必要になった場合にも車の出入りがスムーズだ。
間取り図
基本データ
| 所在地 | 愛知県一宮市 |
|---|---|
| 敷地面積 | 357.02㎡ |
| 延床面積 | 158.78㎡ |
| 間取り | 5LDK |
| 家族構成 | 夫婦+子ども2人 |
| 予算 | 2000万円台 |
| 施主 | I邸 |
撮影:ide
設計者情報
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