
土地探し・施工・外構・家具まで手がける
ユニークな設計事務所が創造した二世帯住宅
設計事務所が土地探しから施工、
さらには庭づくりまで手掛ける理由
根本にあるのは、「家に愛着を持っていただきたい」という想いだという。
家は毎日の生活をする場であり、長く住み続けるものだ。だからこそ、本来の設計の仕事では、毎日の生活が豊かになるためのプランを考えることを意識してきた。しかし家の設計だけで実現するのには、限界もあると感じたそうだ。
たとえば土地探しから関わることができれば、視線や日当たりを考慮した設計とセットで考えることができる。施工に関わることができれば、長く住める高品質な家を作り上げることができる。後回しになりがちな外構に関われば、自然を感じる庭を建築とより一体で考えることもできる。家具の製作に関わることができれば、毎日の生活をさらに便利で豊かにすることができる・・・。
こうして徐々に関わる範囲が広がり、自社で一貫して手掛ける体制になってきたそうだ。
現在は、杜設計が手掛ける住宅ブランド『杜ハウス』を立ち上げ、土地探しから関与している。実際に土地探しからスタートする例も多く、施主からも喜ばれているそうだ。また、施工には第三者機関の監査を入れることで品質保証もでき、信頼されているという。また、外構を考える際には、基本プランの時点から植栽の見え方を計算しているため、とても好評だそうだ。
こうした取り組みはこれからも続き、さらに進化していくだろう。
「家に愛着を持っていただきたい」という想いとともに、山本さんは最後にこう語った。
「個人的には、デザインを前面に打ち出した設計ではなく、毎日が豊かになる生活のしやすさを追求したいと思っています。時の流れと共に変化していく家や庭があることが、実は本当の豊かさではないでしょうか」。
動線に配慮し、家族や親戚がくつろげ、
自然を感じられる二世帯住宅とは?
土地探しから始まり、庭づくりも基本プランの段階からセットで考えられたものだからだ。
この二世帯住宅に関する施主様のご要望は、
・それぞれ(親世帯・子世帯)の生活が成り立つように動線に配慮したい
・家族、親戚が集まれるLDKを作りたい
・(家の)外と内が繋がる外構
というものだった。
山本さんは、施主様のご要望を聞く際に、特に気をつけていることがあるという。
それは表面的な言葉をそのまま受け止めるのではなく、本心ではこう思っているのではないかという点を見つけることだ。
そのヒアリングの結果、山本さんは次のような解決策を考えた。
・それぞれ(親世帯・子世帯)の生活が成り立つように動線に配慮したい
→玄関は一つにしながら、子世帯もメインのLDKを通らずに2階にあがれる動線を設計
・家族、親戚が集まれるLDKを作りたい
→LDKを吹き抜けにして開放感をだしながら、リビング、キッチン、ダイニング、小上がり和室を配置。家族がどの場所にいても、一体的に繋がりを保てるプランを設計
・外と内が繋がる外構計画
→LDKをL型でプランニングして、リビングとダイニングどちらもテラス繋がるように計画。軒下テラスを半屋外空間とすることで、室内と繋がりやすい空間を確保
また、施主様の要望以外に、山本さんからは次のような提案をしたという。
・2階リビングのスキップフロア
→元々は1階の天井高を上げたいという希望があったが、単純に吹抜けにすると2階の居住空間が狭くなる。このため2階のリビングはスキップフロアで計画し、1階の天井高さも確保するように提案
・リビングから眺める植栽
→室内から毎日庭が眺められる生活を提案したかったので、窓の配置と造園を一体で計画。特にテラスの近くに紅葉と桜を提案し、毎年季節の変わり目を楽しめるように工夫した
こうして出来上がった二世帯住宅は、施主様の要望をすべて実現しただけでなく、山本さんからの提案でさらに住まいやすいものとなった。特に1階のLDKと和室の空間は、広々としていながらも目に見えない空間の切り替えがなされていると感じた。多くの親戚が集まった時に、リビングや和室など思い思いの場所で談笑する様子が目に浮かぶ。
家づくりの不満や後悔が一切ない
施主様から頂いた高い評価の理由
ひとことで言うと、「家づくりの不満や後悔が一切なく、大満足」だという。
具体的には
・動線が分けられ、二世帯の生活が程よい距離感で過ごせていること
・親戚や友人に褒められ、ついつい自慢してしまうほど快適であること
・提案してもらった紅葉や桜の植栽により、自宅で春と秋の季節を楽しめること
が、特に気に入っているそうだ。
繰り返しになるが、施主様が土地探し~庭づくりまでセットで杜設計に依頼したことが、これだけ満足度の高い結果を生み出したのではないだろうか。
その設計面での工夫は、家の中だけでなく外構の様々な場所に散りばめられている。ぜひ写真の説明文をご参照いただきたい。
建築と庭づくりの一体的な提案や設計デザインを希望する方にとって、杜設計はとても心強いパートナーだと感じた。
基本データ
| 作品名 | 回遊動線と寛ぎの軒下テラスで、それぞれの暮らしを叶える二世帯の住まい |
|---|---|
| 所在地 | 宮城県多賀城市 |
| 敷地面積 | 234.38㎡ |
| 延床面積 | 190.12㎡ |
撮影:越後谷 出
設計者情報
この建築家が建てた家
この実例を見た人はこちらも読んでいます

お施主さま、職人、建築家は1つのチーム。 贅沢な環境で趣味を存分に楽しむ家
新築する自宅では、趣味を存分に楽しみたいと考えていたお施主さま。依頼を受けた建築家の武本さんは、敷地から見える富士山を生かしながら同時に暮らしやすさを考慮し、分棟を提案。武本さんによるお施主さまの好みに合った職人選びから生まれた相乗効果で、ディテールにも妥協しない最良の家ができた。

閉じたファサードの先に緑豊かな洗練空間。時間と空間の「レイヤーを重ねる家」
建築家の八田政佳さんが手がける家は、デザイン性と住み心地のよさを両立させていることが大きな特徴。重厚感漂うファサードの先に、緑あふれるくつろぎの空間が広がるM邸もその1つ。日常を豊かにする、時間と空間のつながりを意識した設計も必見だ。

テーマは「日本建築の茶室」。光の陰影を生かした旗竿の家
一級建築士である手塚勝也さんが手掛けたのは、都内の旗竿地での家づくり。北斜面ということで採光に課題があったが、手塚さんはそこを逆手に取り「日本建築の茶室」をイメージした家づくりを提案する。そして完成したのは、光の陰影を生かした和の住空間だった。

思い出とモダン建築が融合するやさしい家。 入居者にも愛される賃貸併用住宅
フレイム一級建築士事務所が設計したこの賃貸併用住宅は、都市部にありながら光と風に恵まれた心地よい住まい。思いを込めて建てた家はずっと大切にしたいし、次世代にも大切にしてもらえたら嬉しい──。多くの施主が抱くそんな願いへの答えも隠されている。

内と外が緩やかにつながった、「空間グラデーション」の妙
施主であるHさんが自邸を建てるために選んだ土地は、住宅街のなかにある角地でした。南北に細長い敷地の南と東に面した道路は、それぞれ幅員4mほど。建築家の植村康平さんは敷地を何度も訪れ、Hさんファミリーが暮らす理想的な住空間をイメージしながらプランニングしたといいます。そうして誕生したのが、道路と庭、室内がゆるやかなグラデーションでつながった「カドニワの家」でした。

街のシンボル!住む人、行き交う人も心豊かにする家づくりとは?
ドクターとしてクリニックを営んでいるご主人とその奥さま。大規模リフォームしたマンションを終の住処と考えていたご主人ですが、奥さまが見つけてきたクリニック近くの角地に惚れ込み、周囲の環境に配慮しつつ希望を取り入れた新しい住まいが完成。人生の後半を心地よく暮らすための礎が出来上がりました。

4階建ての3階なのに天井から光が降り注ぐ 温かな雰囲気のLDKを備えた鉄骨造の家
建物がひしめく地域に家を建てることにしたお施主さま。可能な限り広い家にするため、4階建てをご希望だった。建築家の小林さんは、LDKをあえて3階に置くことで高いプライバシー性と豊かな採光を両立。温かみが感じられる、光にあふれたLDKの秘密は4階建ての3階にも関わらず設けられた天窓にあった。

住宅街にありながら、自分だけの空を確保。 2つの庭に挟まれた、静かな光が入る家
施主のSさまが終の住処をつくるときに望んだのは「何世代ものオーナーや地域に愛され続ける建物にする」ということだった。建築家の小林さんは周辺の環境をよりよくする家の配置や外観、将来を見据えた設備の選択などを通して実現。静かな光に包まれながら、隣家や他者との距離感も適切に保てる家が完成した。

大屋根の下にさまざまな居場所がある終の棲家
子育てを終えて、夫婦二人の「終の棲家」を計画したSさん夫妻。もともと暮らしていた総2階の大きな家から、木造平屋建ての小さな家へ。暮らしのスケールを小さくすることに不安を感じる施主に対して、窪江さんは丁寧なヒアリングや説明、間取りの工夫で一つひとつ不安を取り除いて行きました。夫妻らしい終の棲家が完成するまでに迫ります。




