
敬老の日を前に考たい!
二世帯が明るく、広々暮らす術とは?
3階から地下、二世帯をつなぎ、光を採り入れる"らせん階段"
「20坪をきっていますから本当に小さいんです、6人で住まわれるには。用途地域が厳しくないので3階建てを建てられるんですけど、それでも、とにかく狭い。駐車場もほしいというので、初めは、玄関を二世帯共用にすることで、中を広く使う提案をしたんです」と長濱さん。しかし、それまでずっと別世帯で暮らしていたBさん一家は、玄関も室内も完全に親世帯と子世帯で分けたいという気持ちがあった。長濱さんは、「孫が近くにいるのもいいのだけれど、たまには1人になりたいときもあるということでした。遠からず、近からず、ほどよい距離感を保てるように工夫しました」。
課題は狭い敷地をどう使うかということ。法律上、火事に強い材質で建てなければならなかったこと、できる限り居住スペースを広くとりたかったことから、柱を細く、壁を薄くできる鉄骨造を採用することに。さらに、地下室をつくって床面積を広げることにした。「自分自身、地下で生活したこともないですし、半地下ぐらいにとどめようとも思っていたのですが、わりと進歩的なお母さんでした。地下でも構わないと言ってくださって、親世帯が地下と1階、子世帯が2階と3階に決まりました。
狭いなかでも快適に過ごしてもらえるよう、さまざまな工夫を凝らしている。Bさん一家に大好評だったのは、地下へ降りる、らせん階段。「好き嫌いが分かれるので様子をみながらの提案だったが、ご家族の喜びようを見て」(長濱)、らせん階段を使うことに。2階には階段のカーブに沿った曲線の壁をつくった。「四角の組み合わせだけでは、どうしても狭さは克服できないものなんです。曲線を使うと動線もスムーズになりますし、影になる部分が減って、せま苦しい印象を払拭できます」と長濱さん。 らせん階段の効果はそれだけではない。上から落ちてくる光が取り入れられ、地下室が地下とは思えない明るさになった。
高齢の親世帯の住む場所となった地下室。ここもイメージとは違い、住み心地がよいという。メンテナンスでBさん宅を訪れたという長濱さんが、地下に住んでいるお母さんと話をすると、「夏、涼しくていいわ」とのこと。「地下は地上ほど温度の変化に影響されないので、冬場もあたたかく夏でも涼しいんですね。お引き渡しした直後にも、"思っていた地下室の数倍、素敵" と言ってくださって嬉しかったんです。8年経った後にも、お施主さんからそういう感想をいただいたのは嬉しかったですね」と、長濱さんは話す。
狭い敷地に大家族で、二世帯。それでも満足できる家になった秘訣を問うと、「家族の生活の仕方について、しっかりお話が聞けたことが大きかったでしょうね。二世帯でもご両親がお話し合いに出て来ないようなところだと、なかなか難しいんです。"こんなふうに暮らしたい" というイメージが持てていれば、狭い特殊な土地の条件でも、答えは出せるよという好例ではないでしょうか。」と教えてくれた。
巣立っていっても、記憶に残る子ども部屋の作り方
最近お伺いしたときには、お子さんは見違えるように大きくなっていましたが、部屋は全然変わっていませんでした。でも、そこには色々なものがあって、8年の生活がここであったんだなと、しみじみ思いました。」と長濱さん。ロフトに塗る色を選ぶというちょっとしたことだが、小学生だった子どもたちには、自分の部屋づくりに関われる貴重な経験だったのかもしれない。
基本データ
| 所在地 | 神奈川県横浜市 |
|---|---|
| 敷地面積 | 67.07㎡ |
| 延床面積 | 160.81㎡ |
| 家族構成 | 夫婦+両親 |
| 予算 | 5000万円台 |
| 施主 | B邸 |
撮影:平井広行
設計者情報
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