
大きく広がる眺望を室内からもテラスでも。
贅沢な大開口が引き立つ、シンプルな家
高台の立地を生かした、眺望を楽しむテラス
景色をより印象強くするシンプルな内装
家は2階建てとし、1階にLDKや水回り、ファミリークロークを配置。2階には個室を設けた。高台、さらに高低差のある敷地という立地条件を生かすべく、LDKはほぼ壁面いっぱいに開口。窓の外に続くのはゆったりとしたテラスだ。
「せっかく南側の眺望に向かって大開口したのですから、それを室内から目一杯楽しめるようにしました」と牧野さん。耐震等級2を確保しながら耐力壁を最低限に抑えられたことで、室内のどこからでも広々とした視界で外部が見える。LDKはL字型のアウトラインをしているが、壁が少ないおかげで、お子さまが離れた場所で遊んでいても目が届きやすいという利点も加わった。
贅沢な眺望を引き立てる工夫はまだある。室内から窓をシンプルに見せるため、ブラインドを外部に設けたのだ。デザインにもこだわり、エッジの効いたドイツ製を採用。ブラインドを下げたときのフォルムもシャープで、空間の雰囲気とよく調和する。また、日射を室内に入れることなく外側でブロックでき、室内環境のコントロールもしやすいという。
LDKからフラットに繋がるテラスは、崖を利用し外に向かって張り出すようなつくり。手すりを細くするなど視界を遮らない工夫が施され、浮遊感が感じられる。意識が空へ無限に伸びていくようで、本当に気持ちがいいのだ。
もう1か所、抜群の開放感が味わえる場所がある。浴室だ。ご主人こだわりの浴室はテラス側をガラスの折れ戸とすることで、開放するとシームレスにつながる半露天風呂のようなつくりとした。浴槽からは空が大きく見え、風も日差しもそのまま入ってくる。まるでリゾートホテルのような居心地だ。現在はテラスにお施主さまこだわりの家具も置かれ、お風呂上がりには極上のひととき過ごされているとのこと。
せっかく見晴らしのよい土地を購入したのだから、一望できるような家にと考えていたお施主さま。ただ景色が見えるというだけでなく、どう見えるか、何をしたいのかまで汲み取り、的確なプランニングで期待以上の仕上がりを実現した。
2つの動線を計画。家事のしやすさと
プライバシー確保を同時に叶える
玄関を入ると、その正面には壁が。左に進み、角を折れればLDKに進む。逆に進むとファミリークロークや洗面室といった家族の動線が現れるのだ。オープンな雰囲気をつくりながら、一方で見せたくないものは隠せる環境を構築したおかげで、片付きやすく、安心して暮らせる環境が整った。さらには、玄関から一旦壁を挟んだことで、LDKに進んだ時に得られる開放感が高まり、パノラマの景色もより印象的に見えるようになったという。
また、家事がしやすい動線についても検討を重ねた。奥さまにとって一番の居場所であるアイランドキッチンから、ファミリークローク、洗面室、LDKのダイニングエリアの間に回遊性を持たせた。洗濯機がある洗面室からテラスは単純に距離が短い上、大開口のおかげで洗濯物を持っていても楽々移動ができる。取り込んだらファミリークロークにまとめて収納と、日々の大きな仕事である洗濯で億劫になる場面がないのだ。
要望には特になかったが、玄関に近い場所にゲストルームを提案した牧野さん。その理由を聞くと、「リビングに十分な広さが取れていたので、さらに広くするよりはいわゆる『予備の部屋』をつくり『余白』を残すことが、暮らしを豊かにすると考えました」と語る。お施主さまも暮らし始めてからゆとりの重要性を実感し、今では「この部屋があってよかった」と喜んでくださっているのだとか。家づくりは初めてということが多い中で、経験から将来を見据えた提案をしてくれるのはありがたい。
シンプルな空間構成とホテルライクな内装
ディテールにこだわり実現した最良の居心地
ワンルーム空間のLDKはリビングエリアを吹き抜けとし、さらなる開放感をプラス。落ち着きのあるダイニングエリアと合わせて空間にメリハリをつけた。同時に、壁はないけれども天井レベルの違いによってエリアが曖昧にゾーニングされ、それぞれのエリアで異なる居心地が得られるようになった。
また、壁面を活用しておおらかな空間の中にスタディーコーナーなど小さなスペースをつくった。こうした細かな間取りの工夫は、そのまま暮らしの豊かさに繋がる。
お施主さまが一番にこだわられたのは、素材などのディテールだったとのこと。白い壁面を基調とし、窓枠などに黒を取り入れた高級感ある仕上がり。特にこだわったのはキッチンの前に設けたスケルトン階段だ。ご要望により壁から木材の段板が突出したデザインを計画した牧野さん。段板の中に鉄板を入れることで強度を保ちながら、木材の柔らかさや温かみを演出した。極々細い吊り手摺りは強度の補強のためでもあるが、同時に洗練さを高めている。ホテルライクな室内の仕上がりに、お施主さまも大満足されているそうだ。
「あまりこだわりがないんです」と笑う牧野さん。家は、建築家がつくりたいものをつくるのではなくて、お施主さまの「こうしたい」を具現化するものだと考えている。打合せでは、お施主さまのご要望をブラッシュアップすることを大切に進めていくという。「楽しく、親しみやすい家ができた」「ときめき、暮らしやすい家になった」と、お施主さまたちから大満足のお声をいただいている理由は、牧野さんの家づくりがお施主さまの理想を一番に考えるからだ。そのうえで理想を超えるプランを見せてくれるからだろう。
基本データ
| 作品名 | 国分寺の⾼台に建つ家 |
|---|---|
| 所在地 | 東京都国分寺市 |
| 敷地面積 | 234.45㎡ |
| 延床面積 | 140.77㎡ |
| 家族構成 | 夫婦+子ども2人 |
| 予算 | 5000万円台 |
撮影:ケイエストワークス
設計者情報
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