
ヒノキの里家
設計者情報
戸建住宅、木造二階建、新築。敷地探しから携わる。 -県産ヒノキが創りだす心地よくシンプルな暮らし- 「常念岳をいつも見ながら楽しめる、そんな家が良いですね」というクライアントの希望から土地を探す家づくりは、見事に広がる田園風景の中の安曇野のシンボル的存在である常念岳を望む、素晴らしいロケーションに完成した。 クライアントのもう一つの希望である、「素材」にも拘った県産材木曾ヒノキやカラマツを構造部や床材にふんだんに使用、そして国産ナラ材によるオリジナル製作キッチンと家具など、やわらかな木の感覚が日々の暮らしを優しく包み込むおおらかでシンプルな家です。
基本データ
- 所在地
- 長野県安曇野市
- 敷地面積
- 306㎡
- 延床面積
- 129㎡
設計者情報
この建築家が建てた家
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屋根裏リビングの住宅
都心に近い住宅地の夫婦と子供のための住宅である。 敷地は昔からある分譲地の大きな1つの宅地が半分に分割され、それぞれ30坪程度の住宅が建てられるようになっていた。高低差が多い地域で、東側に傾斜した途中に位置する南西の角地だ。角地の場合、日照に関しては特に考えなくても明るい室内空間を得られることが多いが、本敷地においては土地周辺の傾斜角度がきつく、東側に眺望は望めそうだが、西側の道路向かいには隣地の擁壁と建物がそびえたっており、冬場の午後の光は西側の隣地が壁のようになって敷地に影を落とし暗い室内になってしまうことが予想された。また、道路自体も周囲の宅盤の方が高い状態だったので、谷の間に立っているような印象だった。 施主は、家族のコミュニケーションの観点から1階をリビングとして子供部屋や個室を2階へとまとめる構成を要望していた。しかしながら、西側が高い壁のような状態であったことや、東側への眺望が望めそうであったことを考慮し、2階へLDK等のメインの居住空間を配置し1階と階段室の吹抜で繋げる構成を提案した。 「軒が下がった切妻屋根形状」 建物の外観は少し小さな切妻屋根の形状となっている。この形状は、敷地にかかる法規的な建築制限によるところが大きい。一般的な低層の住居地域では、道路からの斜線制限に加えて、北側からも高度斜線という北側の隣地へと日光を遮らないための斜線制限があり必然的に両者からはさまれた建物は切妻屋根の形状となったが、道路からの斜線制限は、建物が設置する地面よりも低いところからスタートするため建物への影響は大きい。軒の高さを低く抑える必要があり、一般的な2階建ての住宅よりも軒を低くして斜線制限をかわす形状とする必要があった。 軒が低くなると2階のLDKの空間としては窮屈なものとなるが、広々とした居住空間を確保するために、勾配を高さ制限目一杯にとってその急こう配屋根がそのまま室内空間となる構成とした。急こう配屋根が見える2階のリビングは、屋根裏部屋のような三角屋根の空間となった。子供のころ、アニメにでてくる屋根裏部屋は憧れだったが、それは用意されている部屋という四角い空間ではなく、用意されている部屋の「裏側にある余剰空間」としての空間的な楽しさがあるからなのではないだろうか。この住宅もそうした一般的な箱型のLDKという用意された空間ではなく、たまたまできた屋根裏のような余剰空間が肥大化したかのような楽しさをもった空間にできないかと考えた。 プランは単純で中央の階段の周囲に各機能が配置されていて階段越しに緩やかに繋がっている。床のレベルは、1階の玄関ホールが井戸の底のような空間となり、登っていくと明るいリビングへと出る。リビングはダイニングより高くなり、そこから和室へとさらに上がっていく。一番高い和室の隅は子供でもしゃがまないと入れてないような籠った空間だ。通常は触ることができない屋根が自分よりも低い手の届くところにあったり、高いところにはなれていったり、一番下に下りると井戸の底のような空間にもなりシンプルながら多様な変化のある空間が階段を中心にくっついている。様々なレベル差が生まれると室内に様々な高さの目線も生まれる。リビングで座っている人、スタディカウンターで勉強するひと、和室に座る人、それぞれの目線が合ったりすれ違ったりしながら、通常のフラットな床の中にはない、複雑なシーンを生み出そうと考えた。また、レベル差を利用して和室の下には、床面積に入らない納戸を設けているので収納量も十分すぎるほど備えた。 勾配屋根の頂部には天窓を設けた。冬場の昼の日射は、南中時で30°と浅く西側の建物にさえぎられてしまうので、屋根の頂部に天窓を対で配置し、1年通して室内に直射光が届くようになっている。丁度住宅の中央に位置する天窓は、大きな空間全体にやわらかなひかりを届ける効果があり、曇りの日でも明るい室内となる。吹抜を介して、玄関ホールにも光が届くようになっているので、玄関入ってからも天井は高く明るい光が差し込んでくる。朝日と共に室内が明るくなり、日の動きと共に、室内の明るさも変化していく。 なお、 2階の収納上部の小屋裏に集熱器を設け、基礎内へとダクトで送風し断熱された基礎内部を通過させることで、夏は涼しい風を冬は暖かい空気を基礎内へと戻し、エコな空気の循環システムを採用している。屋根が近いため、屋根は厚ベニヤによる屋根外通気とし、断熱材も厚く詰め込まれている。 周囲を住宅に囲まれた30坪くらいの住宅だが、小さいながらも個室を4つ+和室をとりながら、大きな気積のある明るいリビングや4方に開いた窓による開放感、レベル差と屋根との関係が日々の生活と共に変化する空間を様々な法規的制限のなかで実現している。大きな住宅でなくても、細かな工夫次第で広々と快適に楽しく住むことは可能なのだ。 レベル差のある空間は子供たちの格好の遊び場になる。引き渡し後、子供たちが階段の周りのぐるぐると回りながら、楽しそうにはしゃいでいたのが印象的だった。

BOTANICAL
撮影者:STUDIO DIO

厚木の家
リタイアを期に建て替えを決めた、60代のご夫婦の住まいです。 敷地は厚木市の高台に位置し、東は厚木市街から遠く横浜まで見渡せ、西は丹沢山系を臨む環境豊かな場所にあります。 周辺は数十年前に開発された閑静な住宅街で、遠景に広がる景色とは関係なく一律に南向きの配置で計画されていました。 以前の住まいも南向きでしたが、敷地の周辺環境を最大限に活かすことを考え、東西に広がる景色を眺めながら暮らしが展開するように、配置は東西向きを主としてプランを決定しました。 老後はのんびりと土いじりがしたいというご主人と、その様子をのんびり眺めていたいという奥様。 東側に家庭菜園ができる大きな庭を設けて、日常的に庭に視線が向くようにプランや開口部、各部のスケールを調整しています。 1階は天井を低めに設定しツガの板貼りとすることで、ゆったり落ち着ける空間に、2階は大きなボリュームの中に居場所を散りばめた動きのある空間としています。 お家で過ごされることが多いご夫婦のため、1階と2階で変化のある空間構成を意識しながら、適正なスケールと丁寧に作りこんだ空間で居心地の良さを感じてもらえるように考慮しました。 心地よい居場所と抑揚のある空間が魅力的な、ご夫婦お二人の終の住処です。

A邸

Piccolo Teatro
この家をPiccolo Teatroと名付けました。イタリア語で「小さな劇場」です。日常の中で起こるほんの些細な出来事や発見さえも、舞台に立つ役者の様な大げさな身振りで楽しもうとするイタリアの人たちと重なったのです。生きる事は繰り返す事だと行っても過言ではないかもしれません。家の中で毎日繰り返される実にたわいもない事は、10年、20年と蓄積される中で、気持ちのありようや家族の関係に知らず知らずのうちに大きな影響を及ぼします。 この家の設計が始まったときご夫妻は結婚して間もない頃で子供さんはまだいらっしゃいませんでしたが、ここで子供を育てながら、生きる事を真正面から受け止め楽しめる家を創りたいと思いました。

飯能の家
敷地は飯能駅から車で20分程の山間の集落。敷地の前には中藤川が流れ、周辺は山に囲まれている。 景観、植栽、地形、自然光、地盤など敷地を丁寧に調査分析し、この場に相応しい建築を目指した。その結果、地形に沿わせた無理のない配置で、既存の樹木を生かしながら、谷への景色と既存植栽を眺めることができる建築となった。 床は淡いベージュのリノリウム、壁はニュートラルな白として、周辺の自然をやさしく取り込んだ明るい室内空間を作っている。3mの天井高と大きな開口部は屋外にいるような開放感をもたらしている。サクラやモミジなどの落葉紅葉樹が多く植っており、四季折々変化する自然を感じる建築となった。

美しが丘の家
もともとある敷地のレベル差を利用し、各部屋が中庭を囲むようにしながらスキップフロアで相互につながる構成としています。 スキップフロアにすることで生じる様々なレベル差が、魅力的で変化のある空間を生み出し、又それらをつなげたり閉じたりすることで、多様な空間・光・風を感じられるようになっています。 家族がそれぞれの時間を楽しみながら、同時に家族の気配を感じられる家です。

北小岩の家
江戸川区に程近い閑静な住宅街に建つ二世帯住宅。1階は親世帯、2階が子世帯という構成で、水廻りは上下階に各々設置しながらも玄関は共有するとした比較的ゆるやかな二世帯住宅である。この建物の設計にあたって最も大切にしたのは、各々の生活時間帯の違いがストレスにならず、プライバシーに配慮した動線計画。 外部への出入口を2カ所、屋内階段も2カ所設置することで、互いの暮らしを干渉し合わない住まいとなった。 2階は布で大らかに仕切るワンルームのような空間に。世界を旅するご夫妻の感性で、これからさまざまなアレンジを加えていくという。そのためのキャンバスをつくった。来客の多い1階は厨房食堂スペースがおもてなしと寛ぎの中心である。先代の残した庭に面して上げ下げが自由にできる「雪見月見障子」を設えた。通りを行く人の視線を気にすることなく、四季の移 ろいを存分に楽しむ暮らしを叶えた。







