
とことん拘ったローコスト住宅!
建築家が自分の為に建てた家とは
家づくりで「諦める」こと
結果、3階建てのRC造の家をなんと税抜2560万円というローコストで建築することができた。不動産屋が難色を示した15m×5mの狭くて建築条件の厳しい土地は周辺の相場より安いが、建物のボリュームが建築条件によって決まってしまった。それでもやはり、1年をかけて探していた理想の立地に拘りたかった。
3階建てに難色を示された土地を、1Fの床を地面よりも下げることで解決し、3階を使えるスペースにした。建物を3mずつで4つのグリッドに分けて考え熟孝を重ねることにより、敷地の魅力を生かした自宅兼事務所ができたのである。
1階のギャラリー兼事務所は、奥行きのある広いスペースで3面採光。階段下のデットスペースを有効活用し、収納だけではなくシンクとトイレを設置した。打放し型の枠ではなく一般型枠を利用することで数百万円のコストカットを可能にした。仕上がりに外見的な差が出るが、室内は仕上げをするため問題ないと判断したのだ。
2階には内断熱を施してある和室と寝室があり、間には洗面台。全面ガラスの窓からは陽光が差し込み、室内には柔らかい陽光が差し込む。2階の天井部分には、3階と繋がる開口部があり、風が循環するように配慮。これにより2階にある北側の窓から涼しい風を取り入れ、熱い空気を3階の窓から逃がすことができる。光と風の通りを考え、気持ちよく暮らすことができる家を目指した。
3階のキッチンのシンク台にはIKEAで購入した1枚30000円のワークトップという板を2枚使用。システムキッチンは通常100万円前後のコストがかかるがそれをなんと20万~30万円という低価格で実現した。
住み続けるうちに気が付いて手を入れた個所もある。例えば3Fがとても暑かったので、遮熱塗料を塗った。夏の暑さを反省し、ゆくゆくは外断熱も考えたいとのこと。また子供部屋の家具や収納を付けていきたいなど夢は尽きない。
家は建てるのがゴールではなく、使い勝手の良さを考えたりライフスタイルの変化によって手を加えていくもの。優先順位をつけることで、予算にしっかりと向き合い、ローコスト住宅を建て必要に応じて手入れをしていく計画をたてる。
石田氏の自宅兼事務所は、注文住宅において「諦めること」と「大切にしたいこと」を教えてくれる貴重なお手本といえるだろう。
ご主人様も料理をなさるそうで、作業台として使えるセンターテーブルのあるキッチン。手作りのキッチンは、シンプルで使い勝手が良くそしてお洒落。
キッチンやバスルームなどの水周りには、「アルポリック」と呼ばれる断熱材をアルミ板が挟んだパネルを利用することで、防水と塗装の手間を省き更なるコストカットを実現している。
「ローコスト住宅」というと何もかもが我慢づくめのイメージがあるかもしれないが、安っぽさを感じさせることがない使い勝手の良い住まいは、材料の1つ1つにまで拘りを持つことができる注文住宅ならではの魅力といえるだろう。
「不要なものをそぎ落とし、優先順位をしっかりとつける」コストカットを意識するだけではなく、この基本を踏まえるだけで、失敗をグンと減らすことができる。
定期的なメンテナンスを行うだけではなく、反省点を生かしてより住みやすく進化していく家。
【石田 摩美子さん コメント】
「住宅はライフプランが確定してから考えました。」という石田氏。土地選びから設計そして素材の選定まで、徹底的に拘り予算の範囲内にギリギリでおさめたそうだ。1つ1つに妥協を許さない姿勢に、「主人はすべて任せてくれました。」とにっこり。「コストカットを意識したローコスト住宅ですが、完成したら終わる訳ではありません。更に手を加えていくことでより良い住まいにしていく予定です。」と教えてくれた。
基本データ
| 家族構成 | 夫婦 |
|---|---|
| 予算 | 2000万円台 |
設計者情報
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