
可動の家具で緩く仕切った
モダンなワンルーム空間
目指したのは「お気に入りのカフェ」をイメージした開放的なワン
リノベーションをするにあたってのSさんの要望は「ローコストで、木のぬくもりのある家」。間取りはワンルームでがらんとしすぎないこと、という希望も付け加えられた。そこで吉田さんが考えたのは、一部可動式の家具を配して自由にスタイルを変えることができるワンルーム。天井は躯体そのまま。また壁と風呂、トイレも既存のものを使用することで、コストを抑えるという方向性が定まった。
「お気に入りのカフェのような雰囲気の内装にしたい」というSさんの希望を聞き、そのカフェまで同行して雰囲気をつかんだという吉田さん。床と家具に構造用のラーチ合板を用いることでコストダウンを図りつつ、木のぬくもりを出すことを提案。Sさんがこの素材を気に入ってくれたため、希望通りの空間を作り上げることができたのだと吉田さんは言う。「床と家具の素材を揃えることで、広く見せる効果もあるんです」と吉田さん。リビングに置く家具も一緒に選ぶというこだわりにより、お洒落なカフェのようなワンルーム空間が完成した。
こだわりのバーカウンターと70インチテレビが部屋の個性を演出
ちなみにキッチンの後ろの壁にあるのは、Sさんが購入したという70インチの大画面テレビ。廊下から入った奥に設置するのが普通だが、常に家族同士が向き合えるようにと、キッチンの後ろにテレビを置き、その対面にソファを対面に置いたのだという。「大きなテレビを配置すると部屋が狭く見えてしまうため、床材1枚1枚の大きさを標準より少し小さくして、広く感じられるようにしました」と吉田さん。突飛なアイディアを出すのではなく、気づくか気づかないかという細部にこだわるという家づくりの姿勢が、こんなところにも表れていた。
思い描いていた理想の住まいが完成し、とても満足されているというSさんご夫婦。この家に住むようになってからは、仕事終わりに真っ直ぐ家に帰り、夫婦で家飲みをすることが増えたそう。バーカウンターで奥様の手料理と、手作りの梅酒を楽しむ日々をおくっているお2人。我が家が生活の場であり、カフェであり、バーでもあるとは、何とも羨ましい限りである。
基本データ
| 所在地 | 東京都目黒区 |
|---|---|
| 延床面積 | 45.12㎡ |
| 家族構成 | 夫婦+子ども2人 |
| 施主 | S邸 |
設計者情報
この建築家が建てた家
この実例を見た人はこちらも読んでいます

テーマは「日本建築の茶室」。光の陰影を生かした旗竿の家
一級建築士である手塚勝也さんが手掛けたのは、都内の旗竿地での家づくり。北斜面ということで採光に課題があったが、手塚さんはそこを逆手に取り「日本建築の茶室」をイメージした家づくりを提案する。そして完成したのは、光の陰影を生かした和の住空間だった。

窓に大自然、室内にアート!別荘こそ愛着のあるものに囲まれたい
鹿児島・霧島連峰を背に立つ十字形の家。フラワーショップを営むオーナーさまが別荘として使う、この家には大好きなアーティストの作品がふんだんに使われています。「アーティストの作品を活かして是非やってみたいことがある」。別荘づくりは、そんなオーナーさまから建築家の渡辺仁さんへの話から始まりました。

《店舗の事例》お酒を”楽しむ”場が人を呼ぶ!老舗酒店のリノベ
建築家との家づくりの秘訣が、住む人がそこでどう暮らしたいかを考えることなら、建築家との店づくりの第一歩は、お店の人がそこでどう働きたいかを考えることかもしれない。自由が丘の酒屋さんのリニューアルの背景には店長の熱い思いが隠されていました。

まるで避暑地の別荘のよう! 地域からも愛される、雑木の庭が気持ちいい住まい
平和公園にほど近い、閑静で緑豊かな住宅街に佇むKさん邸。「大きな窓から緑を感じたい」という施主の希望通り、敷地の南側に広がる庭には落葉樹と常緑樹がバランスよく植樹され、周辺の環境とも美しく調和しています。設計を手掛けたのは森建築設計室の森さん。「別荘地のような雑木の庭のある、住まう方からも、周りからも長く愛される家」をテーマに、果たしてどんな家が誕生したのでしょう。

間取り改修の落とし穴?! 広々、洗練させる本当のリノベとは
新築マンションを購入するも、リビング・ダイニングの狭さが不満だったIさん夫妻。壁を撤去して空間を広げる計画を進めていたが、途中で相談を受けた建築家の伊藤 悠さんは「それでは期待通りの結果を得られない」と、別の改修を提案する。伊藤さんはどんなことに気づき、どのような空間をつくったのだろうか?

広大なワンルームに屋上庭園! 光と緑あふれるアーティストの家
アパレル企業の社長であり多彩な制作活動も行う施主さまの自宅は、自社の配送センター兼工場ビルの最上階。ビル全体の設計を手がけた勝田無一さんは「自宅はワンルームがいい」との希望を受け、スケール感と快適さを両立した独創的な住まいを提案。空、光、緑と共に暮らす居心地抜群の空間とは?

地元の穏やかな景色とつながる開放空間。 「ここで暮らす幸せ」を実感できる家
家を建てるということは、その土地に住むということ。建築家の北村拓也さんはこの当たり前の事実を丁寧に受け止め、家と土地の関係が心豊かな暮らしに結び付くように考え抜く。そうしてできた住まいの魅力を、北村さんが設計した『畝の家』から探ってみよう。

歴史を紡ぐリノベで地域を元気に。南伊豆町子浦のサイクリスト宿『JU-ZA』
静岡県の南伊豆町子浦に誕生した『JU-ZA CYCLE YADO Minamiizu』は、サイクリストにフォーカスした休憩・宿泊施設。町の風土と歴史を見つめ、地域の人々にも喜ばれるスポットをつくり上げた建築家の水間寿明さんに話を聞いた。

外とつながる。家族がつながる。暮らしを豊かにする「吹抜けのある庭」
建築家の西川拓さん・平田悠さんが設計する住宅は、空間のオリジナリティと住み心地のよさが大きな特徴。H邸もシンプルだが個性的な空間構成で、庭は「吹抜けのある庭」だという。光も風も気持ちよく入る快適な住まいから、2人の設計の魅力を探ってみよう。









